個別機能訓練計画書の文例【歩行能力低下】|長期目標・短期目標・訓練内容・評価の記入例

歩行能力が低下している利用者の個別機能訓練計画書では、単に「歩行訓練を行う」とするのではなく、本人が生活の中でどこまで歩けるようになりたいのかを具体的に把握することが重要です。立ち上がり、立位保持、方向転換、歩行、段差など必要な動作を整理し、本人の生活目標につながる長期目標・短期目標・訓練内容を設定します。この記事では、歩行能力低下がみられる利用者を想定した個別機能訓練計画書の文例を紹介します。

歩行能力低下以外の疾患や生活動作に応じた文例は、個別機能訓練計画書の文例一覧から確認できます。

歩行能力低下の個別機能訓練計画書を作成するポイント

歩行能力が低下している場合は、歩行距離だけでなく、立ち上がり、立位バランス、歩行補助具の使用状況、方向転換、疲労、転倒への不安などを確認します。そのうえで、「自宅のトイレまで歩きたい」「近所へ買い物に行きたい」など、本人が歩行能力を使って実現したい生活を明確にします。機能訓練そのものを目的にせず、訓練によって生活のどの部分を維持・改善したいのかを意識して計画を作成します。

利用者像の例

  • ・要介護1
  • ・妻と二人暮らし
  • ・加齢や活動量低下に伴い下肢筋力が低下している
  • ・屋内では杖を使用して歩行している
  • ・椅子からの立ち上がりに手すりが必要
  • ・方向転換時にふらつきがみられる
  • ・長距離歩行では疲労しやすい
  • ・本人は近所のコンビニまで自分で歩いて行きたいと希望している

本人の希望・生活上の課題

足が弱くなって遠くまで歩く自信がなくなったが、また近所の店まで自分で歩いて買い物に行きたい。

下肢筋力とバランス能力の低下により歩行時にふらつきがみられ、外出機会が減少している。

長期目標の文例

杖を使用して安全に屋外を歩行し、近所への買い物を継続できる。

現在の歩行能力を維持し、自宅内で必要な場所へ自分で移動できる。

転倒への不安を軽減し、外出や社会参加の機会を継続できる。

短期目標の文例

手すりを使用して安定して椅子から立ち上がることができる。

杖を使用し、ふらつきに注意しながら安定して歩行できる。

休憩を取りながら継続して歩行練習を行い、日常生活に必要な歩行能力を維持できる。

個別機能訓練の内容

椅子からの立ち上がり動作を反復し、下肢筋力と立ち上がり能力の維持・向上を図る。

支持物を活用した立位保持や重心移動練習を行い、歩行に必要なバランス能力の維持を図る。

杖を使用して歩行練習を行い、歩行姿勢や方向転換時の安全性を確認する。

本人の体力に合わせて歩行距離や運動量を調整し、外出に必要な持久力の維持を図る。

訓練実施時の留意点

歩行時のふらつきや疲労、疼痛の有無を確認し、安全を確保しながら訓練を実施する。

本人の体調に応じて訓練量や休憩時間を調整し、無理のない範囲で継続する。

評価・モニタリングの文例

杖を使用した歩行は安定しており、方向転換時のふらつきも以前より減少している。現在の訓練内容を継続し、安全な屋外歩行につなげていく。

立ち上がり時の支持が軽減し、動作が円滑になっている。歩行距離も徐々に延びているため、本人の疲労状態を確認しながら活動範囲の拡大を図る。

歩行能力に大きな変化はみられないが、自宅内の移動は継続できている。現在の身体機能を維持するため、立ち上がり・バランス・歩行練習を継続する。

歩行能力低下の個別機能訓練で意識したいこと

歩行能力低下に対する個別機能訓練では、筋力やバランス能力だけを評価するのではなく、実際の生活で歩行がどのように使われているかを確認することが重要です。「歩行距離を伸ばす」だけではなく、「トイレまで歩く」「買い物へ行く」「家族と外出する」など、本人にとって意味のある生活目標につなげます。また、歩行補助具や生活環境も含めて確認し、訓練場面でできる動作を実生活でも活かせるよう支援します。

まとめ

歩行能力が低下している利用者の個別機能訓練計画書では、下肢筋力やバランス能力だけでなく、本人が歩いて何をしたいのかを明確にすることが大切です。生活上の目標から長期目標・短期目標を設定し、立ち上がり、バランス、歩行、持久力など必要な訓練内容につなげることで、生活に即した個別機能訓練計画書を作成できます。

歩行能力の課題に合わせて目標や訓練内容の文案を組み立てたい方は、無料の個別機能訓練計画書作成ツールを利用できます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました