パーキンソン病のある利用者では、症状そのものだけでなく、これまでの生活習慣や役割、本人が行っている工夫を確認することが重要です。
ここでは、夜間の中途覚醒と日中の眠気があるが、本人が生活リズムを確認し、午前の盆栽の手入れを続けたい利用者を例に、第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。
この記事が参考になるケース
- 夜中に目が覚め、その後眠りにくい日がある
- 午後に居眠りする時間が長くなることがある
- 睡眠状況と体調を本人が説明できる
- 午前中は比較的覚醒がよく、短時間の盆栽作業ができる
- 日中の活動が少ない日は夕方にも眠ることがある
- 本人は薬の自己判断による調整を望まず主治医へ状況を伝えたい
- 家族は本人の楽しみを残しながら生活リズムを整えたい
担当ケースに近い部分を選び、本人の状態、生活歴、できている方法、家族状況、利用中のサービスに合わせて調整してください。
※急な状態変化や生活上の支障が大きくなった場合には、本人の意向を確認したうえで主治医等へ相談し、必要な支援につなげてください。
利用者像の例
- 80歳・男性・要介護2
- 長男夫婦と同居
- 朝に庭の盆栽を眺め手入れすることを日課にしている
- 夜中に目が覚め、その後眠りにくい日がある
- 午後に居眠りする時間が長くなることがある
- 睡眠状況と体調を本人が説明できる
- 午前中は比較的覚醒がよく、短時間の盆栽作業ができる
- 日中の活動が少ない日は夕方にも眠ることがある
- 本人は薬の自己判断による調整を望まず主治医へ状況を伝えたい
- 家族は本人の楽しみを残しながら生活リズムを整えたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
眠れない日もあるが、朝の盆栽は続けたい。眠った時間や昼寝の様子を伝えて相談したい。
家族の意向
おすすめ文例
日中ずっと起こしておくのではなく、本人の疲れを見ながら、朝の楽しみと夜の睡眠につながる過ごし方を考えたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は朝の盆栽の手入れを日課としており、生活の張り合いとして継続したいと希望している。
夜間に中途覚醒があり、午後の居眠りが長くなる日もあるが、睡眠状況と体調を自分の言葉で説明できる。
午前中は比較的覚醒がよく短時間の活動が可能で、本人は服薬を自己判断で変更せず記録をもとに主治医へ相談したいと考えている。
睡眠時間だけを目標にせず、本人の疲労と日中活動、休息、夜間の様子を継続して確認し、盆栽の時間を残した生活リズムを整える必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人と睡眠、昼寝、日中活動、疲労の関係を確認し、無理のない生活リズムを整える。
午前の盆栽作業を生活の目印として活かし、体調に応じた活動と休息を確保する。
睡眠や日中の眠気に変化が続く場合は記録を本人と確認し、主治医等への相談につなげる。
第2表の文例
本人のできていることと生活上の目的を明確にし、必要な支援だけを組み合わせます。
課題① 夜の眠りと日中の眠気を確認し、体調を整えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
夜の眠りと日中の眠気を確認し、体調を整えたい。
長期目標
本人に合った睡眠と休息のリズムで安定して生活できる。
短期目標
就寝、覚醒、昼寝の時間と翌日の体調を本人と記録できる。
サービス内容
本人の訴えをもとに睡眠・昼寝・活動の状況を記録し、生活リズムとの関係を一緒に確認する。
課題② 朝の盆栽の手入れを続けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
朝の盆栽の手入れを続けたい。
長期目標
体調に合わせて朝の楽しみを継続できる。
短期目標
覚醒状態のよい午前中に短時間の盆栽作業を行える。
サービス内容
作業前に体調を確認し、座位や休憩を取り入れ、疲労時は本人の判断で終了できるよう支援する。
課題③ 睡眠の変化を自分で説明して相談したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
睡眠の変化を自分で説明して相談したい。
長期目標
本人の睡眠状況が関係者へ伝わり、必要な支援を受けられる。
短期目標
記録を見ながら眠れなかった日と日中の眠気を説明できる。
サービス内容
受診時に本人が説明できるよう記録を整理し、本人の同意を得て家族・関係者が補足する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 夜の眠りと日中の眠気を確認し、体調を整えたい。 | 本人に合った睡眠と休息のリズムで安定して生活できる。 | 就寝、覚醒、昼寝の時間と翌日の体調を本人と記録できる。 | 本人の訴えをもとに睡眠・昼寝・活動の状況を記録し、生活リズムとの関係を一緒に確認する。 |
| 朝の盆栽の手入れを続けたい。 | 体調に合わせて朝の楽しみを継続できる。 | 覚醒状態のよい午前中に短時間の盆栽作業を行える。 | 作業前に体調を確認し、座位や休憩を取り入れ、疲労時は本人の判断で終了できるよう支援する。 |
| 睡眠の変化を自分で説明して相談したい。 | 本人の睡眠状況が関係者へ伝わり、必要な支援を受けられる。 | 記録を見ながら眠れなかった日と日中の眠気を説明できる。 | 受診時に本人が説明できるよう記録を整理し、本人の同意を得て家族・関係者が補足する。 |
パーキンソン病・睡眠の乱れのケアプランで意識したいポイント
睡眠時間だけでなく翌日の体調と活動を見る
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
昼寝を一律に禁止せず時間と疲労を確認する
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
本人の盆栽という生活の目印を活かす
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
薬の独自調整を指示せず記録をもとに相談へつなげる
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
文例を使うときのポイント
- 睡眠時間だけでなく翌日の体調と活動を見る
- 昼寝を一律に禁止せず時間と疲労を確認する
- 本人の盆栽という生活の目印を活かす
- 薬の独自調整を指示せず記録をもとに相談へつなげる
まとめ
パーキンソン病のケアプランでは、困難だけでなく、本人が理解していること、行えている動作、生活の中で工夫している方法を具体的に評価することが重要です。
本人の意思を最初に確認し、生活歴と本人らしい役割を活かしながら、必要な部分だけを支援する計画につなげます。
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