ケアプラン文例【認知症・昼夜逆転・夜間不眠】|生活リズムを整える第1表・第2表の記入例

認知症のある利用者では、昼間に長く眠り、夜になると目が覚めて家の中を歩いたり、家族を起こしたりするなど、昼夜逆転や夜間不眠がみられることがあります。このような場合、「夜に寝てもらうこと」だけを考えるのではなく、日中の過ごし方や活動量、不安、排泄、環境など生活全体を確認することが大切です。

ここでは、認知症により昼夜逆転がみられ、夜間の覚醒によって家族の負担も増えているケースを例に、本人の生活リズムを整えながら、家族も無理なく在宅生活を続けられる第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。

睡眠や生活リズム以外の認知症ケアや生活課題に応じた文例は、ケアプラン文例一覧から探せます。

この記事が参考になるケース

  • 認知症があり昼間に眠る時間が長くなっている
  • 夜中に目を覚まして家の中を歩くことがある
  • 夜間に家族を呼んだり起こしたりする
  • 日中の活動量が少ない
  • 夕方以降に不安が強くなることがある
  • 夜間のトイレ回数が多い
  • 家族が睡眠不足や疲労を感じている

担当ケースに近い部分を選び、本人の睡眠状況、日中活動、排泄、体調、服薬、生活環境などに合わせて調整してください。

※睡眠状態が急に変化した場合や、痛み・発熱・呼吸苦・頻尿などがみられる場合は、認知症によるものと決めつけず、体調変化についても確認してください。

利用者像の例

  • 84歳・男性・要介護2
  • 妻と二人暮らし
  • アルツハイマー型認知症
  • 屋内歩行、食事、排泄は概ね自立
  • 午前中から居間でうとうとすることが増えている
  • 午後も長時間昼寝をする日がある
  • 夜中の1~2時頃に起きて家の中を歩くことがある
  • 夜間に「仕事に行かなければ」と話すことがある
  • 妻がそのたびに対応しており、睡眠不足になっている
  • 以前は朝早く起き、仕事や庭仕事をする生活だった
  • 通所介護週3回利用

本人・家族の意向の文例

本人の意向

おすすめ文例|夜間に不安がある場合

夜中に目が覚めると、何をすればよいのか分からなくなって落ち着かないことがある。安心して眠り、朝になったら気持ちよく起きたい。

別の表現①|日中を活動的に過ごしたい場合

昼間は家で寝てばかりではなく、身体を動かしたり人と話したりして過ごしたい。

別の表現②|以前の生活習慣を大切にする場合

昔のように朝起きて昼間に活動し、夜はゆっくり休める生活を続けたい。

家族の意向

おすすめ文例|夜間対応の負担が大きい場合

本人が夜中に起きるたびに一緒に起きて対応しているため、家族も十分に眠れず疲れている。本人が安心して眠れる時間が増え、家族も休めるようになってほしい。

別の表現|本人を責めずに支えたい場合

本人がわざと夜起きているわけではないことは分かっているので、怒ったり無理に寝かせたりせず、生活リズムを整えられる方法を一緒に考えてほしい。

第1表の文例

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果

おすすめ文例

本人は日中に居眠りや昼寝をする時間が長くなり、夜間に目を覚まして家の中を歩くことが増えている。夜間には「仕事に行かなければ」と話すこともあり、過去の生活習慣や時間の見当識の低下等が影響している可能性がある。現在、日中の身体活動や外出機会が少ない日は特に昼寝が長くなる傾向がみられ、生活リズムの乱れにつながっている。一方、通所介護を利用し活動した日は日中の覚醒時間が長く、夜間比較的落ち着いて休めることもある。本人が日中に適度な活動や交流の機会を持ち、安心して過ごせる生活リズムを整えるとともに、夜間覚醒時の不安に配慮した対応を行う必要がある。また、妻が夜間対応を続けることで睡眠不足と疲労がみられており、本人だけでなく家族の休息も確保できる支援が必要である。

別の表現|家族負担をより重視する場合

本人は昼間に眠る時間が増え、夜間に覚醒して室内を歩いたり妻を起こしたりする状況が続いている。妻は本人が転倒しないよう夜間も見守っており、自身の睡眠時間が減少している。本人を無理に眠らせるのではなく、日中活動、昼寝の時間、排泄、夕方以降の過ごし方など生活全体を確認し、本人が夜間安心して休める環境を整える必要がある。また、介護者の睡眠不足が長期化しないよう、通所サービス等を活用しながら家族が休息できる時間を確保する必要がある。

総合的な援助の方針

おすすめ文例

本人が日中に適度な活動や交流の機会を持ち、昼夜の生活リズムを整えながら安心して休息できるよう支援する。通所介護では身体活動や本人が興味を持てる活動を取り入れ、日中の覚醒時間を確保する。昼寝が長時間にならないよう本人の体調に配慮しながら過ごし方を工夫する。夜間に覚醒した場合には強く寝るよう促すのではなく、不安や排泄等の理由を確認し、落ち着いて休める環境を整える。睡眠状況や体調変化について家族・介護サービス・必要に応じて医療職で共有し、妻の睡眠不足や介護負担にも配慮しながら在宅生活の継続を支援する。

別の表現|短めにまとめたい場合

日中の活動や交流機会を確保して生活リズムを整え、本人が夜間安心して休めるよう支援する。夜間覚醒の状況や原因を確認し、本人を急かさず安心につながる対応を行うとともに、家族の睡眠・介護負担にも配慮する。

第2表の文例

昼夜逆転がある場合も、「夜に寝ること」だけを目標にするのではなく、日中と夜間の過ごし方を含め、本人が安心して生活できるリズムを作ることを目標として考えます。

課題① 昼間は活動し、夜は安心して休みたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

昼間は身体を動かして過ごし、夜は安心してゆっくり休みたい。

ニーズの別表現|生活リズムを重視する場合

朝起きて昼間に活動し、夜に休むという今までの生活リズムをできるだけ続けたい。

長期目標

昼夜の生活リズムが整い、日中に活動する時間を持ちながら夜間に安心して休息できる。

短期目標

日中に離床し、通所介護や自宅で身体を動かしたり人と交流したりする時間を持つことができる。

サービス内容

本人の体調に配慮しながら日中の離床時間を確保し、歩行、体操、会話、本人が興味を持つ活動等を取り入れる。長時間の昼寝が続く場合は、無理のない範囲で日中の過ごし方を調整する。

課題② 夜中に目が覚めても不安にならず過ごしたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

夜中に目が覚めても慌てたり不安になったりせず、安心して過ごしたい。

長期目標

夜間に目が覚めた場合にも安心できる環境の中で落ち着き、再び休息につながる時間を持つことができる。

短期目標

夜間覚醒時に排泄や不安等の状況を確認してもらい、落ち着いた声かけを受けながら安心して過ごすことができる。

サービス内容

夜間に覚醒した際は、無理に寝かせようとせず、排泄、痛み、不安、室温等を確認する。本人が安心できる声かけを行い、安全な環境を整えながら休息につなげる。

課題③ 好きな活動を続けながら日中を楽しく過ごしたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

昼間に自分の好きなことをしたり人と話したりして、楽しみを持って過ごしたい。

長期目標

本人が興味を持てる活動や交流を続け、日中に生活の張りを感じながら過ごすことができる。

短期目標

通所介護で本人が興味を持つ活動に参加し、日中に覚醒して過ごす時間を増やすことができる。

サービス内容

本人の生活歴や好みを確認し、以前の仕事や庭仕事等につながる活動、軽運動、他者との交流など本人が取り組みやすい活動を提供する。

課題④ 家族も十分に休みながら介護を続けたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

本人が安心して過ごせるよう支えながら、家族も夜に眠り、無理なく介護を続けたい。

ニーズの別表現|睡眠不足が強い場合

夜間の対応を家族だけで抱え込まず、自分の睡眠や体調も守りながら本人との生活を続けたい。

長期目標

家族の睡眠不足や介護負担が過度に増えることなく、本人と家族が在宅生活を継続できる。

短期目標

通所介護利用中などに家族が休息する時間を確保し、夜間対応による疲労を軽減できる。

サービス内容

本人の睡眠状況と家族の夜間対応状況を確認し、通所介護利用中には家族が休息できるよう支援する。家族の睡眠不足や疲労が強い場合には、本人・家族の意向を確認しながら利用サービスや支援体制について再検討する。

第2表の完成イメージ

上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。

※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標 サービス内容
昼間は身体を動かして過ごし、夜は安心してゆっくり休みたい。 昼夜の生活リズムが整い、日中に活動しながら夜間に休息できる。 日中に離床し、身体を動かしたり人と交流したりする時間を持てる。 日中の活動機会を確保し、長時間の昼寝が続かないよう過ごし方を調整する。
夜中に目が覚めても不安にならず、安心して過ごしたい。 夜間覚醒時にも落ち着き、再び休息につながる時間を持つことができる。 夜間に不安や排泄等を確認してもらい、安心して過ごせる。 夜間覚醒時に排泄・体調・環境等を確認し、落ち着いた声かけを行う。
昼間に好きなことをしたり人と話したりして、楽しく過ごしたい。 興味のある活動や交流を続け、日中に生活の張りを持って過ごせる。 通所介護で本人が興味を持つ活動に参加できる。 本人の生活歴や好みに合わせた活動・交流機会を提供する。
本人を支えながら、家族も夜に眠り無理なく介護を続けたい。 家族の睡眠不足や負担が過度に増えず、在宅生活を継続できる。 サービス利用中に家族が休息時間を確保できる。 本人の睡眠状況と家族負担を共有し、必要に応じて支援体制を見直す。

認知症・昼夜逆転・夜間不眠のケアプランで意識したいポイント

「夜寝ない」だけを問題にしない

夜間不眠の背景には、日中の長時間の睡眠、活動量の低下、不安、排泄、痛み、室温などさまざまな要因が考えられます。夜間だけを見るのではなく、24時間の生活の流れを確認することが重要です。

日中の過ごし方を確認する

昼間に長時間横になっている利用者に、夜だけ眠るよう求めても生活リズムは整いにくいことがあります。本人が無理なく楽しめる活動や外出、交流などを取り入れ、日中に覚醒して過ごせる時間を確保します。

夜間の行動にも本人なりの理由がある

夜中に「仕事へ行く」と話す場合、本人の中では過去の生活に沿った行動を取ろうとしている可能性があります。強く否定するより、本人の不安を受け止めて安心につながる対応を考えます。

睡眠時間だけでなく本人の状態を見る

高齢者では睡眠が途中で分かれることもあります。単純な睡眠時間だけでなく、日中の眠気、疲労、活動状況、本人の苦痛などを確認し、生活への影響を評価します。

家族の睡眠不足も重要な課題

本人が夜間に起きるたびに家族も覚醒していると、家族の心身の負担が大きくなります。本人の生活リズムを整える支援だけでなく、介護者自身が休息できる時間を確保することも在宅生活継続のために重要です。

急な睡眠状態の変化は体調も確認する

これまで眠れていた人が急に夜間覚醒するようになった場合には、認知症の進行だけでなく、痛み、排泄、発熱、服薬の影響など体調面についても確認し、必要に応じて医療職へ相談します。

文例を使うときのポイント

  • 睡眠時間だけでなく24時間の生活リズムを確認する
  • 日中の昼寝時間や活動量を把握する
  • 夜間に起きる時間帯や行動、その背景を確認する
  • 本人が安心できる夜間環境を整える
  • 日中に本人が楽しめる活動を取り入れる
  • 家族の睡眠不足や疲労も課題として捉える
  • 急な変化がある場合は体調や服薬等も確認する

まとめ

認知症のある利用者に昼夜逆転や夜間不眠がみられる場合、夜間の行動だけを止めようとするのではなく、日中活動、昼寝、排泄、本人の不安や生活歴などを含めて生活全体を捉えることが重要です。

本人が日中に適度な活動や交流を持ち、夜間に安心して休める環境を整えるとともに、夜間覚醒時には本人の不安に配慮した対応を行います。家族の睡眠や休息も支援の対象として考えることで、本人と家族双方が無理なく在宅生活を続けられるケアプランにつながります。

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