脳梗塞後遺症による同名半盲がある利用者では、行の端を見落としたり次の行へ移りにくくなったりし、長年の読書を諦めることがあります。
視野障害があっても、指や定規で行をたどる、文字を拡大する、読みやすい位置へ資料を置くなど本人が使える方法を評価することが重要です。
ここでは、赤い定規で行をたどり、短い段落ごとに休憩しながら、毎朝の新聞読書を続けたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 新聞の地域欄を毎朝読むことを五十年以上続けてきた
- 左側から読み始めることを理解している
- 行の下に赤い定規を置くと文字を追いやすい
- 拡大鏡を使うと見出しと短い記事を読める
- 右端の文字を見落とすことがある
- 十分快の読書後は目の疲れを自覚できる
- 本人は地域の記事を自分で読みたい
- 妻は記事を選ばず読みやすい環境だけ整えたい
見えにくい範囲、文字の大きさ、視線探索、行替え、姿勢、照明、疲労、本人が読みたい内容を確認してください。
※視野や見え方が急に変化した場合、頭痛、麻痺、言葉の変化等を伴う場合は速やかに医療機関へ相談してください。
利用者像の例
- 74歳・男性・要介護1
- 妻と二人暮らし
- 脳梗塞後遺症による右同名半盲がある
- 新聞の地域欄を毎朝読むことを五十年以上続けてきた
- 左側から読み始めることを理解している
- 行の下に赤い定規を置くと文字を追いやすい
- 拡大鏡を使うと見出しと短い記事を読める
- 右端の文字を見落とすことがある
- 十分快の読書後は目の疲れを自覚できる
- 本人は地域の記事を自分で読みたい
- 妻は記事を選ばず読みやすい環境だけ整えたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
右端を見落とすことはあるが、赤い定規で行を追えば読めるので、朝の地域欄は自分で読みたい。
家族の意向
おすすめ文例
先に記事を読み上げず、照明と道具を準備して、本人が読みたいところを選ぶのを待ちたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は妻と暮らし、五十年以上続けてきた朝の新聞読書で地域の出来事を自分で確認したいと希望している。
右同名半盲があるが、左側から読み始め、行の下へ赤い定規を置くと文字を追いやすく、拡大鏡で短い記事を読める。
右端の文字を見落とすことがある一方、意識して首と視線を右へ動かすと確認できる。
読みやすい照明と姿勢を整え、十分ごとに休憩し、妻は本人が選んだ記事のみ必要時に補足する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が定規、拡大鏡、視線移動を用いて、毎朝の新聞読書を継続できるよう支援する。新聞を正面よりやや左へ置き、左端から赤い定規で行をたどり、右端で一度首を動かす手順を共有する。一回十分を目安に目の疲れを確認し、妻は先に読み上げず本人の依頼時のみ補足する。
別の表現|短めにまとめたい場合
見えにくい範囲を補える読み方や用具を取り入れ、本人が読書を楽しめるよう支援する。本人に合う位置や速度を確認し、疲れた時は休憩できるようにする。
第2表の文例
全文を速く読むことではなく、本人が道具と視線の手順を使い、読みたい地域記事を自分で選んで読めることを目標にします。
課題① 赤い定規を使い、新聞の行を自分で追いたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
赤い定規を使い、新聞の行を自分で追いたい。
長期目標
本人に合う方法で短い記事を読める。
短期目標
左端から定規を一行ずつ下げ、見出しと三段落程度を読める。
サービス内容
新聞と定規を使いやすい位置に置き、本人の読字速度を待ち、行替えのみ必要時に合図する。
課題② 右端を意識して確認し、文字の見落としを減らしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
右端を意識して確認し、文字の見落としを減らしたい。
長期目標
本人が見えにくい側へ視線を移す方法を使える。
短期目標
行末で首と視線を右へ動かし、赤い印を確認できる。
サービス内容
新聞の右端に赤い縦線を置き、行末で印を見る手順を本人と共有する。
課題③ 毎朝、地域欄を読み生活の楽しみを続けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
毎朝、地域欄を読み生活の楽しみを続けたい。
長期目標
新聞を通じて地域への関心と朝の習慣を継続できる。
短期目標
朝食後に十分間、本人が選んだ記事を読める。
サービス内容
照明と椅子を整え、十分後に目の疲れを確認し、続けるか休むか本人が選べるようにする。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 赤い定規を使い、新聞の行を自分で追いたい。 | 本人に合う方法で短い記事を読める。 | 左端から定規を一行ずつ下げ、見出しと三段落程度を読める。 | 新聞と定規を使いやすい位置に置き、本人の読字速度を待ち、行替えのみ必要時に合図する。 |
| 右端を意識して確認し、文字の見落としを減らしたい。 | 本人が見えにくい側へ視線を移す方法を使える。 | 行末で首と視線を右へ動かし、赤い印を確認できる。 | 新聞の右端に赤い縦線を置き、行末で印を見る手順を本人と共有する。 |
| 毎朝、地域欄を読み生活の楽しみを続けたい。 | 新聞を通じて地域への関心と朝の習慣を継続できる。 | 朝食後に十分間、本人が選んだ記事を読める。 | 照明と椅子を整え、十分後に目の疲れを確認し、続けるか休むか本人が選べるようにする。 |
脳梗塞後遺症・同名半盲のケアプランで意識したいポイント
視野の範囲だけでなく探索方法を見る
見えにくい側へ首や視線を動かす方法を本人が使えるか確認します。
行替えの手がかりを整える
赤い定規や右端の印で、現在の行と行末を自分で確認できるようにします。
読みたい内容を本人が選ぶ
家族が要約を決めず、本人が関心のある地域記事を選ぶ機会を残します。
文例を使うときのポイント
- 見えにくい範囲を確認する
- 資料の位置と照明を整える
- 行を追う道具を選ぶ
- 右端確認の手順を決める
- 目の疲れと休憩を見る
まとめ
同名半盲がある読書では、資料配置、定規、拡大鏡、視線移動を組み合わせます。
本人が読みたい記事を選び、休憩しながら読むことで、長年の朝の習慣を継続できます。
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