脳梗塞後遺症のある一人暮らしの利用者では、再発や転倒への不安から、本人の意思を十分に確認せず住まいの変更が検討されることがあります。
危険だけでなく、体調変化へ気づく力、連絡手段、近隣関係、訪問支援、本人が守りたい暮らしを具体的に評価することが重要です。
ここでは、左手で緊急ボタンとスマートフォンを使い、毎朝の安否連絡を行いながら住み慣れた家で暮らしたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 現在の家で四十年以上暮らし、近所との付き合いがある
- 左手でスマートフォンの登録先を選べる
- 首掛け式緊急ボタンを押せる
- 毎朝九時に長女へ短いメッセージを送れる
- 体調の違いをだるい、手が重い等で伝えられる
- 隣人へ合鍵を預けることを本人が了承している
- 本人は住み慣れた家で暮らしたい
- 長女は連絡がない時の確認手順を決めたい
本人の希望、連絡操作、体調変化の表現、緊急ボタン、鍵、近隣協力、訪問支援、連絡がない場合の手順を確認してください。
※急な麻痺、言葉の変化、強い頭痛、意識の変化等がある場合は、ためらわず救急要請等の必要な対応につなげてください。
利用者像の例
- 75歳・男性・要介護2
- 一人暮らしで長女が市内に居住
- 脳梗塞後遺症による右片麻痺がある
- 現在の家で四十年以上暮らし、近所との付き合いがある
- 左手でスマートフォンの登録先を選べる
- 首掛け式緊急ボタンを押せる
- 毎朝九時に長女へ短いメッセージを送れる
- 体調の違いをだるい、手が重い等で伝えられる
- 隣人へ合鍵を預けることを本人が了承している
- 本人は住み慣れた家で暮らしたい
- 長女は連絡がない時の確認手順を決めたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
左手で電話も緊急ボタンも使えるので、毎朝連絡しながら住み慣れた家で暮らしたい。
家族の意向
おすすめ文例
連絡がない時の順番を決め、本人の希望を尊重しながら近所と訪問支援で見守りたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は四十年以上暮らす自宅と近隣関係を大切にし、必要な支援を受けながら一人暮らしを続けたいと希望している。
右片麻痺があるが、左手でスマートフォンの登録先を選び、首掛け式緊急ボタンを押せる。
毎朝九時に長女へ短いメッセージを送り、体調の違いをだるい、手が重い等の言葉で伝えられる。
連絡がない場合は長女、隣人、訪問支援、緊急対応の順で確認する手順を本人の了承のもと共有する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が連絡手段と体調を伝える力を活かし、住み慣れた自宅で一人暮らしを継続できるよう支援する。スマートフォンと緊急ボタンを左手で届く位置に携帯し、毎朝九時の安否連絡を本人の日課とする。連絡がない場合の確認順序と合鍵の扱いを本人・長女・隣人・支援者で共有し、定期的に見直す。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人が緊急時の連絡方法を確認しながら、安心して一人暮らしを続けられるよう支援する。体調変化や連絡状況を関係者で共有し、必要時に速やかに対応する。
第2表の文例
危険を理由に本人の住まいを決めるのではなく、本人が連絡と援助要請を行い、地域と支援者が不足部分を補えることを目標にします。
課題① 毎朝、自分から長女へ安否を伝えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
毎朝、自分から長女へ安否を伝えたい。
長期目標
本人が日課として体調を家族へ連絡できる。
短期目標
毎朝九時に登録済みの元気ですメッセージを送信できる。
サービス内容
スマートフォンを左手側の定位置で充電し、送信手順を一画面で操作できるようにする。
課題② 体調が違うときは、言葉と緊急ボタンで助けを求めたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
体調が違うときは、言葉と緊急ボタンで助けを求めたい。
長期目標
本人が状況に応じた連絡手段を選べる。
短期目標
だるい、手が重い等を伝え、操作困難時は首掛けボタンを押せる。
サービス内容
本人と通常連絡・相談・緊急時の三段階を確認し、ボタンを常時携帯できるようにする。
課題③ 地域と訪問支援を利用し、住み慣れた家で暮らしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
地域と訪問支援を利用し、住み慣れた家で暮らしたい。
長期目標
見守り体制の中で一人暮らしを継続できる。
短期目標
連絡がない場合の確認順序を本人・長女・隣人が説明できる。
サービス内容
本人の了承を得た合鍵管理と連絡網を作成し、月一回、連絡先と本人の希望を見直す。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 毎朝、自分から長女へ安否を伝えたい。 | 本人が日課として体調を家族へ連絡できる。 | 毎朝九時に登録済みの元気ですメッセージを送信できる。 | スマートフォンを左手側の定位置で充電し、送信手順を一画面で操作できるようにする。 |
| 体調が違うときは、言葉と緊急ボタンで助けを求めたい。 | 本人が状況に応じた連絡手段を選べる。 | だるい、手が重い等を伝え、操作困難時は首掛けボタンを押せる。 | 本人と通常連絡・相談・緊急時の三段階を確認し、ボタンを常時携帯できるようにする。 |
| 地域と訪問支援を利用し、住み慣れた家で暮らしたい。 | 見守り体制の中で一人暮らしを継続できる。 | 連絡がない場合の確認順序を本人・長女・隣人が説明できる。 | 本人の了承を得た合鍵管理と連絡網を作成し、月一回、連絡先と本人の希望を見直す。 |
脳梗塞後遺症・独居のケアプランで意識したいポイント
本人の住まいの希望から始める
危険の列挙だけでなく、自宅で暮らしたい理由と本人ができる安全行動を確認します。
通常時と緊急時を分ける
毎朝の連絡、体調相談、緊急ボタンの使い分けを本人が理解できる形にします。
連絡がない時の順序を決める
家族だけに負担を集中させず、本人の了承を得て近隣と支援者の確認手順を共有します。
文例を使うときのポイント
- 本人の居住希望を確認する
- 左手で使える連絡手段を整える
- 体調変化の表現を共有する
- 合鍵の同意と管理を決める
- 連絡がない時の順序を作る
まとめ
脳梗塞後遺症の独居では、本人が使える連絡手段、体調変化の表現、地域関係を具体的に評価します。
本人の了承のもとで家族・隣人・支援者の確認手順を整え、住み慣れた家での生活を支えます。
関連するケアプラン文例
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