パーキンソン病のある利用者では、症状そのものだけでなく、これまでの生活習慣や役割、本人が行っている工夫を確認することが重要です。
ここでは、よだれを気にして人前で話すことを控えることがあるが、自分で口元を拭き、地域サロンへの参加を続けたい利用者を例に、第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。
この記事が参考になるケース
- 口元によだれがたまることがある
- 本人は感覚があり、声かけがなくても自分で拭ける場面が多い
- 右手でタオルを扱うことができる
- 外出時は周囲の目を気にして会話を控えることがある
- 歯磨きは準備があれば自分で行える
- 本人は身だしなみを整えてサロンへ通いたい
- 長女は本人の羞恥心に配慮して支えたいと考えている
担当ケースに近い部分を選び、本人の状態、生活歴、できている方法、家族状況、利用中のサービスに合わせて調整してください。
※急な状態変化や生活上の支障が大きくなった場合には、本人の意向を確認したうえで主治医等へ相談し、必要な支援につなげてください。
利用者像の例
- 81歳・女性・要介護2
- 長女と同居
- 長年、地域の茶道サークルに参加してきた
- 口元によだれがたまることがある
- 本人は感覚があり、声かけがなくても自分で拭ける場面が多い
- 右手でタオルを扱うことができる
- 外出時は周囲の目を気にして会話を控えることがある
- 歯磨きは準備があれば自分で行える
- 本人は身だしなみを整えてサロンへ通いたい
- 長女は本人の羞恥心に配慮して支えたいと考えている
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
口元は自分で整えられるので、必要な物を持って、これまでどおり皆さんとお茶を楽しみたい。
家族の意向
おすすめ文例
人前で何度も注意するのではなく、本人が気づいて整えられるよう、さりげなく準備を手伝いたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は身だしなみを大切にし、長年続けてきた茶道サークルへの参加を希望している。
流涎がみられるが口元の感覚はあり、タオルが手元にあれば自分で拭くことができ、歯磨きも準備により自分で行える。
外出先では周囲の視線を気にして会話を控えることがあり、交流機会の減少につながる可能性がある。
本人の羞恥心と自己管理能力を尊重し、口元を整えやすい環境を準備するとともに、口腔内の状態や食事時の変化を確認する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が自分で口元と口腔内の清潔を保てるよう、使いやすい物品と落ち着いて整えられる環境を準備する。
人前で繰り返し指摘せず、本人が希望する合図や声かけ方法を確認する。
口腔内や食事場面に変化がある場合は、本人の意向を確認して主治医・歯科医師等への相談につなげる。
第2表の文例
本人のできていることと生活上の目的を明確にし、必要な支援だけを組み合わせます。
課題① 自分で口元を整え、気持ちよく過ごしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
自分で口元を整え、気持ちよく過ごしたい。
長期目標
本人の力を使って口元の清潔と身だしなみを保てる。
短期目標
手の届く場所のタオルを用いて自分で口元を拭ける。
サービス内容
本人が扱いやすいタオルや鏡を所定の場所に準備し、必要な支援方法を本人と確認する。
課題② できる部分は自分で行い、口の中を清潔に保ちたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
できる部分は自分で行い、口の中を清潔に保ちたい。
長期目標
準備や一部支援を受けながら口腔ケアを継続できる。
短期目標
必要物品の準備後、自分で歯磨きを行える。
サービス内容
本人の動作を待ち、磨き残しや口腔内の状態を確認して、必要な部分のみ支援する。
課題③ 周囲を気にしすぎず、茶道サークルへ参加したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
周囲を気にしすぎず、茶道サークルへ参加したい。
長期目標
口元を整える方法を持ちながら、地域交流を継続できる。
短期目標
外出時にタオル等を自分で携帯し、必要時に使用できる。
サービス内容
本人と携行品や休憩場所を確認し、希望する範囲でサークル関係者と配慮事項を共有する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 自分で口元を整え、気持ちよく過ごしたい。 | 本人の力を使って口元の清潔と身だしなみを保てる。 | 手の届く場所のタオルを用いて自分で口元を拭ける。 | 本人が扱いやすいタオルや鏡を所定の場所に準備し、必要な支援方法を本人と確認する。 |
| できる部分は自分で行い、口の中を清潔に保ちたい。 | 準備や一部支援を受けながら口腔ケアを継続できる。 | 必要物品の準備後、自分で歯磨きを行える。 | 本人の動作を待ち、磨き残しや口腔内の状態を確認して、必要な部分のみ支援する。 |
| 周囲を気にしすぎず、茶道サークルへ参加したい。 | 口元を整える方法を持ちながら、地域交流を継続できる。 | 外出時にタオル等を自分で携帯し、必要時に使用できる。 | 本人と携行品や休憩場所を確認し、希望する範囲でサークル関係者と配慮事項を共有する。 |
パーキンソン病・流涎・口腔ケアのケアプランで意識したいポイント
流涎の有無だけでなく本人が気づき対処できる力を見る
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
羞恥心に配慮し声かけ方法を本人に確認する
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
口腔ケアではできる工程を本人に任せる
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
交流を諦める計画にせず、身だしなみを整える目的と参加希望をつなげる
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
文例を使うときのポイント
- 流涎の有無だけでなく本人が気づき対処できる力を見る
- 羞恥心に配慮し声かけ方法を本人に確認する
- 口腔ケアではできる工程を本人に任せる
- 交流を諦める計画にせず、身だしなみを整える目的と参加希望をつなげる
まとめ
パーキンソン病のケアプランでは、困難だけでなく、本人が理解していること、行えている動作、生活の中で工夫している方法を具体的に評価することが重要です。
本人の意思を最初に確認し、生活歴と本人らしい役割を活かしながら、必要な部分だけを支援する計画につなげます。
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