大腿骨頸部骨折後は、足元へ手を伸ばす動作や立位での下衣操作が難しくなり、家族が着替えを全て介助しやすくなります。
医療・リハビリ職から示された動作上の注意点を守り、衣類選択、座位、更衣道具、本人ができる工程を評価することが重要です。
ここでは、リーチャーと靴下補助具を使い、椅子に座って自分で外出準備をしたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 服装と色合わせを自分で決めることを大切にしている
- 背もたれ椅子で二十分座位を保てる
- リーチャーでズボンの右裾を足元へ運べる
- 靴下補助具で右足へ靴下を通せる
- 左側の更衣は自分で行える
- 立位でズボンを腰まで上げる際は夫の見守りを要する
- 本人は道具を使って自分で準備したい
- 夫は立位時だけ支えたい
動作制限、座位、前屈、衣類の形、補助具、立位操作、痛み、本人が選びたい服装を確認してください。
※前屈や股関節動作の注意点は手術方法等により異なるため、医療・リハビリ専門職の指示に従ってください。
利用者像の例
- 77歳・女性・要介護2
- 夫と二人暮らし
- 右大腿骨頸部骨折後
- 服装と色合わせを自分で決めることを大切にしている
- 背もたれ椅子で二十分座位を保てる
- リーチャーでズボンの右裾を足元へ運べる
- 靴下補助具で右足へ靴下を通せる
- 左側の更衣は自分で行える
- 立位でズボンを腰まで上げる際は夫の見守りを要する
- 本人は道具を使って自分で準備したい
- 夫は立位時だけ支えたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
道具を使えばズボンと靴下を自分で着けられるので、服を選んで外出準備をしたい。
家族の意向
おすすめ文例
立ってズボンを上げる時だけそばにいて、座ってできる工程は本人に任せたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は夫と暮らし、服装と色合わせを自分で決め、外出準備を自分で行いたいと希望している。
背もたれ椅子で座位を保ち、リーチャーで右裾を運び、靴下補助具で右足へ靴下を通せる。
左側は自分で更衣できるが、立位でズボンを腰まで上げる際に見守りを要する。
専門職から示された動作条件を守り、座位工程を本人が行い、夫は立位時のみ支援する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が衣類を選び、リーチャーと靴下補助具を使って座位更衣を継続できるよう支援する。背もたれ椅子と道具を定位置へ置き、医療・リハビリ職から示された動作手順を共有する。夫は本人の座位動作を待ち、ズボンを上げる立位時のみ必要な見守りを行う。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人の衣類選択と補助具を使った座位更衣を尊重し、家族は立位など支援が必要な場面に限って見守る。
第2表の文例
家族が早く着替えさせることではなく、本人が服を選び、道具でできる工程を行い、必要な立位支援だけ受けることを目標にします。
課題① 自分で服を選び、座って着替えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
自分で服を選び、座って着替えたい。
長期目標
本人の好みを反映した更衣を継続できる。
短期目標
二組から服を選び、背もたれ椅子で更衣を開始できる。
サービス内容
衣類を見やすく並べ、本人の選択と準備時間を確保する。
課題② 補助具を使い、ズボンと靴下を着けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
補助具を使い、ズボンと靴下を着けたい。
長期目標
専門職から示された方法で下衣更衣を行える。
短期目標
リーチャーで右裾を通し、補助具で右足へ靴下を着けられる。
サービス内容
道具を定位置へ置き、本人の手順を待ち、痛みがあれば中止する。
課題③ 立位で必要な見守りを受け、外出準備を終えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
立位で必要な見守りを受け、外出準備を終えたい。
長期目標
転倒なく下衣を整えられる。
短期目標
手すりを持って立ち、夫の見守りでズボンを腰まで上げられる。
サービス内容
足底と手すりを確認し、夫はふらつき時のみ体幹を支える。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 自分で服を選び、座って着替えたい。 | 本人の好みを反映した更衣を継続できる。 | 二組から服を選び、背もたれ椅子で更衣を開始できる。 | 衣類を見やすく並べ、本人の選択と準備時間を確保する。 |
| 補助具を使い、ズボンと靴下を着けたい。 | 専門職から示された方法で下衣更衣を行える。 | リーチャーで右裾を通し、補助具で右足へ靴下を着けられる。 | 道具を定位置へ置き、本人の手順を待ち、痛みがあれば中止する。 |
| 立位で必要な見守りを受け、外出準備を終えたい。 | 転倒なく下衣を整えられる。 | 手すりを持って立ち、夫の見守りでズボンを腰まで上げられる。 | 足底と手すりを確認し、夫はふらつき時のみ体幹を支える。 |
大腿骨頸部骨折後・更衣のケアプランで意識したいポイント
動作上の注意点を個別に確認する
手術方法や経過で異なるため、前屈等を一律に禁止せず専門職の指示を確認します。
補助具で座位工程を広げる
リーチャーや靴下補助具を使い、家族が行っていた工程を本人へ戻します。
服装の選択を残す
介助しやすさだけで決めず、本人の好みと外出目的を反映します。
文例を使うときのポイント
- 退院時の動作指示を確認する
- 安定した座位を整える
- 補助具の使い方を統一する
- 立位工程だけ見守る
- 本人の服装選択を待つ
まとめ
骨折後の更衣では、動作指示、座位、補助具、立位操作を工程ごとに確認します。
本人が服を選び、座ってできる工程を行うことで、外出準備の主体性を保てます。
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