がん療養中は病状や今後への不安が揺れ動き、本人が家族を心配させまいとして気持ちを抱え込むことがあります。
本記事では、本人が話したい時に思いを表し、必要な相談先とつながりながら生活するケアプラン文例を紹介します。
この記事が参考になるケース
- 夜間に不安が強くなるが、家族の前では平気に振る舞っている。
- 本人は信頼できる相手には気持ちと希望を言葉で伝えられる。
- 夫は励まそうとして「考えすぎ」と話題を変えてしまう。
強い不安、抑うつ、希死念慮等が疑われる場合は抱え込まず、主治医・看護師・専門職へ速やかに相談する。
利用者像の例
- 73歳女性。がん治療を継続し、夫と二人暮らし。
- 夜間に不安が強くなるが、家族の前では平気に振る舞っている。
- 本人は信頼できる相手には気持ちと希望を言葉で伝えられる。
- 夫は励まそうとして「考えすぎ」と話題を変えてしまう。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
無理に前向きにならず、不安な時は気持ちを聞いてほしい。
家族の意向
おすすめ文例
何と声をかければよいか学び、本人の気持ちを支えたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は信頼できる相手には気持ちと希望を言葉で伝えられる。
夜間に不安が強くなるが、家族の前では平気に振る舞っている。 夫は励まそうとして「考えすぎ」と話題を変えてしまう。
本人が話す相手と時間を選べる環境、家族の聴き方、専門職への相談方法を整える必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が無理に前向きにならず気持ちを聞いてほしい意向と信頼できる相手には思いを伝えられる力を尊重し、話したい時に家族、訪問看護、相談支援職等から相手を選んで否定や結論を急がず話せる時間を確保するとともに、夫は励ましだけで終えず本人の言葉を繰り返して受け止め、睡眠、食欲、表情、発言等の変化を関係職種で共有し、強い不安や抑うつが続く場合は主治医・専門職へつなげる。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人が話したい相手と時間を選び、否定されずに気持ちを表せるよう支援する。家族は結論を急がず聴き、睡眠や発言等の変化を医療・介護職で共有する。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 不安な時に気持ちを聞いてほしい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
不安な時に気持ちを聞いてほしい。
長期目標
気持ちを抱え込まず安心して療養できる。
短期目標
話したい相手を選び、自分の思いを伝えられる。
サービス内容
訪問看護や相談支援職等が本人のペースで話を聴く機会を設ける。
課題② 家族と無理なく気持ちを共有したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
家族と無理なく気持ちを共有したい。
長期目標
互いの不安を否定せず話し合える。
短期目標
家族は励ましを急がず本人の話を最後まで聴ける。
サービス内容
支援者が本人・家族それぞれの思いを確認し、対話を支援する。
課題③ つらさが強い時は専門職へ相談したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
つらさが強い時は専門職へ相談したい。
長期目標
心身の変化に応じて必要な支援へつながる。
短期目標
睡眠や気分の変化を医療職へ伝えられる。
サービス内容
医療・介護職が変化を共有し、必要時は専門的支援を調整する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 不安な時に気持ちを聞いてほしい。 | 気持ちを抱え込まず安心して療養できる。 | 話したい相手を選び、自分の思いを伝えられる。 | 訪問看護や相談支援職等が本人のペースで話を聴く機会を設ける。 |
| 家族と無理なく気持ちを共有したい。 | 互いの不安を否定せず話し合える。 | 家族は励ましを急がず本人の話を最後まで聴ける。 | 支援者が本人・家族それぞれの思いを確認し、対話を支援する。 |
| つらさが強い時は専門職へ相談したい。 | 心身の変化に応じて必要な支援へつながる。 | 睡眠や気分の変化を医療職へ伝えられる。 | 医療・介護職が変化を共有し、必要時は専門的支援を調整する。 |
がん療養中の不安に関するケアプラン作成ポイント
本人の希望を確認する
病状だけで決めず、本人が続けたい生活と役割を確認する。
できる動作を活かす
実際に使えている方法や能力を計画へ反映する。
変化時の相談を整える
家族・サービス・医療職で観察項目と連絡方法を共有する。
文例を使うときのポイント
- 強い不安、抑うつ、希死念慮等が疑われる場合は抱え込まず、主治医・看護師・専門職へ速やかに相談する。
- 家族の不安と負担にも配慮する。
- 本人の体調と満足感を継続して確認する。
まとめ
がん療養中の心理支援では、前向きさを求めるのではなく、本人が安心して気持ちを表せる関係と相談先を整えることが大切です。
関連するケアプラン文例
- がん療養・家族介護負担
- がん療養・独居生活
- がん療養・意思決定


コメント