身体機能の低下や転倒への不安、外出への自信低下などをきっかけに、自宅で過ごす時間が増える高齢者は少なくありません。外出や他者との交流が減少すると、活動量の低下だけでなく、生活意欲や心身機能の低下につながることもあります。
ショートステイは家族の介護負担軽減だけでなく、自宅とは異なる環境で人と関わり、生活に変化を持つ機会としても活用できます。ここでは、自宅に閉じこもりがちとなり、外出や交流の機会が減少している方を想定し、ショートステイを活用した居宅サービス計画書第1表・第2表の文例を紹介します。
この文例が参考になるケース
- 自宅で過ごす時間が長くなっている
- 以前より外出機会が減っている
- 転倒への不安から外出を控えている
- 他者との交流が少なくなっている
- 日中も横になって過ごす時間が増えている
- 趣味や楽しみへの関心が低下している
- 活動量低下による身体機能低下が心配される
- 本人のペースで交流や活動を再開したい
- ショートステイを生活の刺激として活用したい
※文例はそのまま使用するのではなく、本人の生活歴、外出状況、身体機能、認知機能、趣味や関心、家族との関係、閉じこもりの背景、本人・家族の意向などに合わせて調整してください。
想定する利用者像
以前は近所への買い物や散歩、知人との交流を楽しんでいたが、転倒を経験してから外出への不安が強くなり、自宅で過ごすことが増えている。最近は日中もテレビを見ながら座って過ごすことが多く、歩く機会や人と話す機会が減少している。
本人は「無理に人付き合いをしたいわけではないが、たまには外に出た方がいいと思う」と話している。家族は活動量や生活意欲の低下を心配しており、本人の負担にならない範囲でショートステイを利用し、他者との交流や日中活動の機会を増やすことを検討している。
利用者及び家族の生活に対する意向
本人の意向
おすすめ文例
家でゆっくり過ごすことも好きだが、身体が弱らないように少しは外へ出たり、人と話したりしたい。無理のない範囲で自分のペースで過ごしたい。
別の表現
大勢の中で無理に過ごすのは疲れるが、気の合う人と話したり、興味のあることには参加したい。少しずつ外へ出る機会を増やしたい。
家族の意向
おすすめ文例
家にいる時間が増え、以前より身体を動かすことや人と話すことが減っているので心配している。本人の負担にならない範囲で外出や交流の機会を持ってほしい。
別の表現
無理に活動を勧めるのではなく、本人が楽しめることを見つけてほしい。ショートステイを利用しながら生活に少し変化を持ち、今の身体機能や生活意欲を保ってほしい。
居宅サービス計画書 第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
以上の利用者及び家族の意向を踏まえ、本人は自宅で落ち着いて過ごすことを好む一方、現在の身体機能や生活を維持するためには、無理のない範囲で外出や他者との交流を持つ必要性も感じている。転倒経験をきっかけに外出への不安が強まり、自宅で過ごす時間が増えたことで、歩行や日常的な活動量、他者との交流機会が減少している。現在の状態が続くことで、身体機能や生活意欲のさらなる低下が懸念される。一方で、本人は大人数での活動や一律の集団参加には負担を感じやすいため、本人の性格やこれまでの生活歴、興味関心を踏まえ、自分のペースで参加できる環境を整える必要がある。ショートステイを活用し、自宅以外でも安心して過ごせる場所を作りながら、本人が楽しめる活動や交流の機会を少しずつ増やし、生活機能と社会とのつながりを維持することが課題である。
別の表現
以上の利用者及び家族の意向を踏まえ、本人は転倒への不安等から外出する機会が減少し、日中も自宅で座って過ごす時間が長くなっている。以前行っていた散歩や買い物、知人との交流も減少しており、活動量低下による身体機能や生活意欲への影響が懸念される。本人は交流そのものを拒否しているわけではなく、自分のペースであれば他者との会話や興味のある活動に参加したいという意向がある。本人の気持ちを尊重し、活動参加を強制することなく、ショートステイ等を活用して生活環境に適度な変化を持たせ、本人が自然に身体を動かしたり人と関わったりする機会を確保する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が自宅で安心して生活を続けながら、閉じこもりによる活動量や生活意欲の低下を防ぐことができるよう支援する。外出や交流を一律に勧めるのではなく、本人が閉じこもりがちとなった背景や転倒への不安、身体状況、性格、これまでの生活歴、趣味や関心を確認し、本人が受け入れやすい方法を検討する。ショートステイ利用時には、本人が一人で落ち着いて過ごせる時間も確保しながら、興味のある活動や気の合う利用者との会話等、自然に参加できる機会を設ける。移動や日常生活動作については本人が自ら行えることを継続し、過度な介助によって活動量を低下させないよう配慮する。日中は本人の体調に合わせて離床や歩行、施設内での移動等の機会を確保し、生活の中で身体を動かす時間を維持する。本人が楽しめた活動や交流内容について家族や関係職種と共有し、自宅でも継続可能な楽しみや役割につなげる。本人の表情、発言、活動状況、外出への意欲等を継続的に確認し、本人にとって負担にならない範囲で生活の広がりを支援する。
別の表現
本人の「自宅で過ごしたい」という気持ちを否定することなく、現在の生活を基盤として少しずつ活動や人とのつながりを取り戻せるよう支援する。ショートステイを利用する際には、集団活動への参加を目的とするのではなく、本人が安心できる環境の中で生活し、食事や移動、会話等の日常的な場面から自然に他者と関われるよう配慮する。本人が興味を示す活動があれば参加を提案するが、本人が希望しない場合には無理強いしない。転倒への不安が外出減少の要因となっている場合には、安全な歩行環境や福祉用具、見守り方法を整え、成功体験を積み重ねることで自信の回復につなげる。利用中に本人が楽しめたことや自発的に行った活動を家族と共有し、自宅での生活にも取り入れる。身体機能や認知機能だけでなく、本人の生活意欲や社会とのつながりにも着目しながら、本人らしい生活範囲を維持できるよう支援する。
居宅サービス計画書 第2表の文例
ニーズ1
ニーズ
家にこもりきりにならず、無理のない範囲で外へ出る機会を持ちたい。
長期目標
本人のペースで外出やサービス利用を継続し、生活範囲を維持できる。
短期目標
ショートステイを安心して利用し、自宅以外で過ごす機会を定期的に持つことができる。
サービス内容
本人の不安や体調を確認しながらショートステイ利用を支援し、自宅以外でも安心して過ごせる環境を整える。
ニーズ2
ニーズ
身体が弱らないように、できる範囲で身体を動かしたい。
長期目標
日常生活に必要な身体機能と活動量を維持し、自分でできる生活動作を継続できる。
短期目標
ショートステイ利用中も、移動や身の回りの動作を自分で行い、日中に身体を動かす機会を持つことができる。
サービス内容
本人が行える移動や生活動作は見守りを基本とし、日常生活の中で離床や歩行等の活動機会を確保する。
ニーズ3
ニーズ
気の合う人と話したり、楽しめることを見つけたりしたい。
長期目標
本人が負担を感じない方法で他者とのつながりや楽しみを持ち、生活意欲を維持できる。
短期目標
本人が興味を持てる活動や会話の機会を一つ以上見つけ、自分の意思で参加できる。
サービス内容
本人の趣味、生活歴、関心を確認し、興味を示す活動や他者との交流を提案する。参加を強制せず、本人の意思を尊重する。
ニーズ4
ニーズ
転ぶことを心配しすぎず、安心して活動できるようになりたい。
長期目標
安全に配慮しながら自分で移動する機会を持ち、外出や活動への自信を維持できる。
短期目標
必要な福祉用具や見守りを受けながら、安全に施設内を移動できる。
サービス内容
歩行状態や転倒リスクを確認し、杖や手すり等を活用して安全に移動できる環境を整える。本人の成功体験を大切にし、自信につなげる。
第2表の完成イメージ
| ニーズ | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 家にこもりきりにならず、無理のない範囲で外へ出る機会を持ちたい。 | 本人のペースで外出やサービス利用を継続し、生活範囲を維持できる。 | ショートステイを安心して利用し、自宅以外で過ごす機会を定期的に持つことができる。 | 本人の不安や体調を確認しながら利用を支援し、自宅以外でも安心して過ごせる環境を整える。 |
| 身体が弱らないように、できる範囲で身体を動かしたい。 | 日常生活に必要な身体機能と活動量を維持し、自分でできる生活動作を継続できる。 | 利用中も移動や身の回りの動作を自分で行い、日中に身体を動かす機会を持つことができる。 | 本人が行える動作は見守り、日常生活の中で離床や歩行等の活動機会を確保する。 |
| 気の合う人と話したり、楽しめることを見つけたりしたい。 | 本人が負担を感じない方法で他者とのつながりや楽しみを持ち、生活意欲を維持できる。 | 本人が興味を持てる活動や会話の機会を見つけ、自分の意思で参加できる。 | 趣味や生活歴を踏まえた活動や交流を提案し、本人の意思を尊重する。 |
| 転ぶことを心配しすぎず、安心して活動できるようになりたい。 | 安全に配慮しながら自分で移動する機会を持ち、外出や活動への自信を維持できる。 | 必要な福祉用具や見守りを受けながら、安全に施設内を移動できる。 | 歩行状態を確認し、杖や手すり等を活用して安全な移動環境を整える。 |
ケアプラン作成時のポイント
閉じこもりのある方のケアプランでは、「外へ出てもらうこと」そのものを目標にしないことが重要です。なぜ外出が減ったのかを確認し、転倒への不安、身体機能の低下、人付き合いへの疲れ、楽しみの喪失等、本人ごとの背景を把握します。
また、社会参加は大人数でのレクリエーションだけではありません。職員との会話、食堂への移動、気の合う利用者との交流等も本人にとっては大切な社会とのつながりになります。
文例を使うときのポイント
本人が自宅で過ごすことを好んでいる場合、それ自体を問題と決めつけないことが大切です。本人が現在の生活に満足しているのか、外出したいが不安のためにできないのかを確認し、本人自身の希望に沿って文例を調整します。
ショートステイで本人が自然に参加した活動や会話、表情が良かった場面等を把握し、その情報を在宅生活へつなげると、単なる「交流促進」ではなく具体的な生活支援としてケアプランに反映できます。
まとめ
閉じこもりへの支援では、本人を無理に外出や集団活動へ参加させるのではなく、本人が安心できる範囲から生活の広がりを作ることが重要です。
ショートステイを自宅以外で安心して過ごせる場所として活用し、本人の興味や生活歴に合った活動、自然な交流、身体を動かす機会を少しずつ増やすことで、生活機能と社会とのつながりを維持するケアプランにつなげます。


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