脳梗塞後の訪問リハビリでは、麻痺の程度だけでなく、本人が使えている手足と身につけた動作方法を評価します。生活の中で繰り返せる課題を選びます。
本記事では、脳梗塞後の左片麻痺がある方が、四点杖で玄関から自宅前へ出るためのケアプランを紹介します。本人の動作能力と妻の支援範囲を第1表・第2表に落とし込みます。
この記事が参考になるケース
- 70代男性。脳梗塞後の左片麻痺があり妻と二人暮らし。四点杖で室内移動できるが、玄関と屋外への一歩に不安がある。
- 本人は「杖で玄関を出て、自宅前を妻と歩きたい。」と希望している。
- 家族は「転倒を防ぎつつ、本人ができることは続けてほしい。」と考えている。
訪問リハビリテーションは主治医の指示に基づき、本人の状態と生活目標に合わせて事業所・関係職種と内容を確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
杖で玄関を出て、自宅前を妻と歩きたい。
家族の意向
おすすめ文例
転倒を防ぎつつ、本人ができることは続けてほしい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
70代男性。脳梗塞後の左片麻痺があり妻と二人暮らし。四点杖で室内移動できるが、玄関と屋外への一歩に不安がある。
本人には「杖で玄関を出て、自宅前を妻と歩きたい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
歩行、バランス、感覚、装具、杖操作を評価し、居室・廊下・トイレで反復練習する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が四点杖と右上下肢の力を生かして玄関から自宅前へ安全に出られるよう、訪問リハビリテーションが歩行・段差・装具を評価し、妻と介助方法を共有して屋外活動の再開を支援します。
別の表現|短めにまとめたい場合
四点杖と残存能力を生かし、玄関から自宅前へ安全に出られるよう支援します。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 杖を使って安全に家の中を歩きたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
杖を使って安全に家の中を歩きたい。
長期目標
必要な場所へ自分で移動し、生活の自立度を保てる。
短期目標
麻痺側の足位置を確認して方向転換できる。
サービス内容
歩行、バランス、感覚、装具、杖操作を評価し、居室・廊下・トイレで反復練習する。
課題② 玄関の段差を越えて外へ出たい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
玄関の段差を越えて外へ出たい。
長期目標
妻と自宅周辺へ外出できる。
短期目標
手すりと介助を使い、玄関段差を安全に昇降できる。
サービス内容
上がり框と屋外路面を評価し、手すり、踏み台、装具、介助位置を福祉用具事業所・家族と調整する。
課題③ 妻が安全に見守れるようにしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
妻が安全に見守れるようにしたい。
長期目標
夫婦が不安を減らし、外出を継続できる。
短期目標
妻が玄関での介助方法と、無理せず外出を見合わせる条件を確認できる。
サービス内容
過介助を避けた声かけ、麻痺側への配慮、歩行時の立ち位置を家族へ助言し、実際の外出で確認する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 杖を使って安全に家の中を歩きたい。 | 必要な場所へ自分で移動し、生活の自立度を保てる。 | 麻痺側の足位置を確認して方向転換できる。 | 歩行、バランス、感覚、装具、杖操作を評価し、居室・廊下・トイレで反復練習する。 |
| 玄関の段差を越えて外へ出たい。 | 妻と自宅周辺へ外出できる。 | 手すりと介助を使い、玄関段差を安全に昇降できる。 | 上がり框と屋外路面を評価し、手すり、踏み台、装具、介助位置を福祉用具事業所・家族と調整する。 |
| 妻が安全に見守れるようにしたい。 | 夫婦が不安を減らし、外出を継続できる。 | 妻が玄関での介助方法と、無理せず外出を見合わせる条件を確認できる。 | 過介助を避けた声かけ、麻痺側への配慮、歩行時の立ち位置を家族へ助言し、実際の外出で確認する。 |
訪問リハビリテーションのケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
訓練の実施自体を目標にせず、本人が自宅で続けたい動作や役割を確認します。
訓練と生活をつなぐ
右手での杖操作や足位置の確認は、本人が身につけた方法を尊重します。玄関では杖を置く場所、麻痺側の足の運び、装具の有無を確認し、妻が支える位置とタイミングをリハビリ職と決めます。室内で一人で歩けても、段差や不整地で同じ介助量とは限らないため、外出範囲を段階的に広げます。
変化と連絡方法を共有する
玄関段差で必要な介助量、麻痺側の足の引っかかり、方向転換時のふらつき、帰宅後の疲労を記録します。自宅前へ出られた回数だけでなく、妻が無理なく支えられたか、ヒヤリハットが増えていないかを比較し、経路や用具を再評価します。
文例を使うときのポイント
- 麻痺側だけに注目せず、非麻痺側、注意機能、感覚、視野、疲労、本人が獲得した工夫を評価します。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 病状・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
麻痺側の足位置、方向転換、段差での安定性を確認します。妻の介助量と本人の疲れを見ながら、屋外活動の範囲を広げます。


コメント