心不全のある利用者では、室内移動でも息切れが生じ、家族が必要以上に活動を止めたり、本人が動くことを諦めたりすることがあります。
移動距離だけでなく、息切れが出る場面、休むと回復する時間、本人が続けたい生活動作、医療職から示された注意点を確認することが重要です。
ここでは、居間から台所までの途中で椅子に座り、自分で飲み物を取りに行く役割を続けたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 家族の朝茶を用意することを長年の日課としてきた
- 居間から台所まで約十二メートル歩ける
- 六メートル地点の椅子で休むと息が整いやすい
- 歩行前後の息切れを軽い、少し苦しい、強いで伝えられる
- 台所で軽いポットを右手で持てる
- 体調確認方法は主治医・訪問看護等から共有されている
- 本人は朝茶の準備を続けたい
- 長女は活動を止めるのではなく休憩を支えたい
息切れの程度、回復時間、移動距離、休憩場所、医療職から示された活動時の注意点、本人が続けたい役割を確認してください。
※急な息苦しさ、胸痛、意識の変化、唇の色の変化等がある場合は活動を中止し、速やかに医療機関へ相談してください。
利用者像の例
- 82歳・女性・要介護2
- 長女と二人暮らし
- 慢性心不全で通院中
- 家族の朝茶を用意することを長年の日課としてきた
- 居間から台所まで約十二メートル歩ける
- 六メートル地点の椅子で休むと息が整いやすい
- 歩行前後の息切れを軽い、少し苦しい、強いで伝えられる
- 台所で軽いポットを右手で持てる
- 体調確認方法は主治医・訪問看護等から共有されている
- 本人は朝茶の準備を続けたい
- 長女は活動を止めるのではなく休憩を支えたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
途中で椅子に座れば台所まで行けるので、無理のない日に朝のお茶を自分で用意したい。
家族の意向
おすすめ文例
息切れがあるからと全部止めず、本人の訴えを聞き、休んでから続けるかを一緒に決めたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は長女と暮らし、家族の朝茶を用意する日課をできる範囲で続けたいと希望している。
居間から台所まで約十二メートルを歩け、途中の椅子で休むと息切れが整いやすい。
息切れを三段階の言葉で伝え、台所では軽いポットを扱える。
医療職から共有された注意点を守り、途中休憩と本人の訴えを基準に、活動の継続・中止を本人と決める必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が息切れを伝え、休憩後の状態を判断する力を活かし、朝茶の役割を継続できるよう支援する。居間と台所の中間に安定した椅子を置き、移動前後の体調を確認する。強い息切れや医療職から示された変化がある場合は活動を中止し、決めた相談先へ連絡する。
別の表現|短めにまとめたい場合
息切れの程度を本人が確かめ、休憩しながら自宅内を移動できるよう支援する。動線と生活動作を整え、症状の変化は関係職種で共有して医療職へ相談する。
第2表の文例
息切れをなくすことだけでなく、本人が状態を伝え、休憩と活動を選びながら大切な日課を続けられることを目標にします。
課題① 息切れを伝え、途中で休みながら台所へ移動したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
息切れを伝え、途中で休みながら台所へ移動したい。
長期目標
体調に応じた休憩で自宅内を安全に移動できる。
短期目標
中間の椅子で休み、息が整ってから台所へ歩ける。
サービス内容
移動前後に本人の息切れを確認し、椅子で休憩して継続の希望を尋ねる。
課題② 自分の体調を言葉で伝え、続けるか休むか選びたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
自分の体調を言葉で伝え、続けるか休むか選びたい。
長期目標
本人の判断が日常活動へ反映される。
短期目標
軽い、少し苦しい、強いの言葉で状態を伝えられる。
サービス内容
家族・支援者は同じ三段階で確認し、強い場合は中止して医療職へ相談する。
課題③ 体調のよい日に、家族の朝茶を用意したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
体調のよい日に、家族の朝茶を用意したい。
長期目標
家庭内の役割を無理なく継続できる。
短期目標
軽いポットで二人分のお茶を準備できる。
サービス内容
道具を軽量化し、作業は座位で行い、長女は熱い湯の最終確認だけ行う。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 息切れを伝え、途中で休みながら台所へ移動したい。 | 体調に応じた休憩で自宅内を安全に移動できる。 | 中間の椅子で休み、息が整ってから台所へ歩ける。 | 移動前後に本人の息切れを確認し、椅子で休憩して継続の希望を尋ねる。 |
| 自分の体調を言葉で伝え、続けるか休むか選びたい。 | 本人の判断が日常活動へ反映される。 | 軽い、少し苦しい、強いの言葉で状態を伝えられる。 | 家族・支援者は同じ三段階で確認し、強い場合は中止して医療職へ相談する。 |
| 体調のよい日に、家族の朝茶を用意したい。 | 家庭内の役割を無理なく継続できる。 | 軽いポットで二人分のお茶を準備できる。 | 道具を軽量化し、作業は座位で行い、長女は熱い湯の最終確認だけ行う。 |
心不全・息切れのケアプランで意識したいポイント
本人の息切れの表現を共有する
客観的な様子だけでなく、本人がどの程度苦しいと感じるかを同じ言葉で確認します。
休憩後の回復を見る
休む場所と時間を具体化し、回復後に本人が活動継続を選べるようにします。
活動の目的を残す
移動だけでなく、朝茶を用意する本人の役割へ結びつけます。
文例を使うときのポイント
- 医療職の注意点を確認する
- 息切れの表現を統一する
- 動線途中に椅子を置く
- 回復時間を確認する
- 本人の役割へつなげる
まとめ
心不全の室内移動では、息切れの程度、休憩場所、回復時間、本人の希望を具体的に評価します。
本人が状態を伝え、休憩後に選択することで、朝茶の役割を無理なく続けられます。
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