病状の進行や心身機能の低下により、今後の看取りを視野に入れながら在宅生活を続けるケースでは、本人の希望と家族の介護力、医療的な支援体制を丁寧に確認する必要があります。本人が「できるだけ家で過ごしたい」と希望していても、家族が休息できない状態が続けば、在宅生活そのものが難しくなることがあります。
ショートステイを活用することで、本人の状態を確認しながら一時的に生活を支え、家族が休息する機会を確保することができます。一方で、状態が変化しやすい時期には、急変時の対応や医療機関との連携、本人・家族の意向確認も重要になります。ここでは、看取りを視野に入れながら自宅生活を続けたい方を想定し、居宅サービス計画書第1表・第2表の文例を紹介します。
この文例が参考になるケース
- 病状の進行により心身機能が低下している
- 今後の看取りを視野に入れている
- 本人ができるだけ自宅で過ごしたいと希望している
- 家族も可能な範囲で在宅生活を支えたいと考えている
- 介護量が増え家族の負担が大きくなっている
- 食事量や活動量が低下している
- 体調変化が起こりやすくなっている
- 訪問看護や医療機関との連携が必要
- 家族の休息目的でショートステイ利用を検討している
※文例はそのまま使用するのではなく、本人の疾患や病状、医療的ケアの内容、ADL、食事・水分摂取状況、家族の介護力、急変時の対応方針、本人・家族の意向などに合わせて調整してください。
想定する利用者像
病状の進行により体力が低下し、日中もベッドや椅子で休む時間が増えている。食事量も以前より少なく、移動、排泄、更衣等には家族の介助を必要としている。訪問診療や訪問看護を利用しながら自宅生活を続けており、本人は「できるだけ家で過ごしたい」と希望している。
家族も本人の希望を支えたいと考えているが、夜間の見守りや排泄介助、体調変化への不安が続き、疲労が蓄積している。本人の状態が比較的安定している時期にはショートステイを利用して家族が休息し、在宅生活を長く継続できる体制を整えることを検討している。
利用者及び家族の生活に対する意向
本人の意向
おすすめ文例
できるだけ住み慣れた家で家族と一緒に過ごしたい。体調が悪いときには無理をせず、必要な支援を受けながら穏やかに生活したい。
別の表現
自分の家で過ごせる時間を大切にしたい。家族にも無理をしてほしくないので、必要なときにはショートステイ等を利用しながら生活を続けたい。
家族の意向
おすすめ文例
できる限り本人の希望どおり自宅で過ごしてもらいたい。一方で、介護量が増えており不安や疲労もあるため、必要なサービスを利用しながら無理なく支えていきたい。
別の表現
本人が安心できる場所で穏やかに過ごせることを大切にしたい。家族だけで抱え込まず、医療や介護の支援を受けながら、できる範囲で在宅生活を続けたい。
居宅サービス計画書 第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
以上の利用者及び家族の意向を踏まえ、本人は病状が進行する中でも、できる限り住み慣れた自宅で家族と生活を続けたいと希望している。現在は体力や活動量が低下し、移動、排泄、更衣等の介助量が増えているほか、食事量の減少や体調変化もみられている。家族は本人の希望を支えたいと考えている一方、夜間の見守りや介護量の増加、急変への不安から心身の疲労が蓄積している。本人が穏やかに生活できるよう、疼痛や呼吸状態、食事・水分摂取、排泄、睡眠等の変化を確認し、医療職と連携しながら苦痛の軽減に努める必要がある。また、本人・家族の意向を継続的に確認しながら、状態が安定している時期にはショートステイを活用して家族の休息を確保し、家族だけに介護負担を集中させない支援体制を整える必要がある。本人の状態変化に応じてサービス内容や療養場所を柔軟に見直し、本人と家族が納得できる生活を継続できるよう支援することが課題である。
別の表現
以上の利用者及び家族の意向を踏まえ、本人には最期まで可能な限り自宅で過ごしたいという希望があり、家族も本人の思いを尊重している。一方、病状の進行に伴い日常生活全般に必要な支援が増え、家族の介護負担も高くなっている。本人の身体的な苦痛や不安を軽減しながら、その人らしい生活を維持するためには、訪問診療、訪問看護、介護サービス等が連携し、状態変化を早期に共有できる体制が必要である。家族が疲労によって在宅介護を継続できなくなることを防ぐため、本人の体調や受け入れ状況を確認しながらショートステイ等も活用し、家族が休息できる機会を確保することが必要である。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が希望する住み慣れた自宅での生活を可能な限り継続できるよう、本人の心身状態と家族の介護力の双方を確認しながら支援する。本人については、病状や体力の変化に応じて無理のない生活を基本とし、疼痛、呼吸状態、食事・水分摂取、排泄、睡眠、皮膚状態等を確認する。本人が苦痛や不安を訴えた場合には速やかに医療職と連携し、症状緩和につなげる。本人が自分で行える動作や意思表示についてはできる限り尊重し、必要以上に介助を行わない。本人・家族の今後の療養場所や急変時の対応についても、その時点での気持ちを繰り返し確認し、意向の変化に応じて支援内容を見直す。ショートステイを利用する場合には、本人の体調が利用に適しているかを確認し、医療情報、服薬、食事形態、排泄方法、急変時の連絡先等を事業所と共有する。家族については、睡眠、疲労、介護への不安、生活状況を継続的に確認し、ショートステイや他サービスを活用して休息できる時間を確保する。訪問診療、訪問看護、ケアマネジャー、各介護サービス事業所が情報を共有し、状態変化に応じて迅速に支援内容を調整することで、本人と家族が安心して在宅生活を継続できるよう支援する。
別の表現
本人の残された時間をどこでどのように過ごしたいかという希望を支援の中心に置き、医療と介護が連携して本人と家族を支える。病状の変化だけでなく、本人の表情、食欲、睡眠、会話、活動への意欲等も確認し、本人ができるだけ苦痛なく穏やかに過ごせる環境を整える。ショートステイ利用については、家族の休息を目的としながらも、本人の体調や環境変化による負担を十分に考慮して判断する。利用時には本人の普段の生活方法や医療上の注意点を詳細に共有し、急変時の連絡や対応方法を明確にする。家族が「自分がすべて介護しなければならない」と抱え込まないよう、家族の気持ちや不安を受け止め、必要な支援を組み合わせる。本人・家族の意向は状態変化とともに変わる可能性があるため、定期的に確認し、その都度ケアプランや支援体制を見直す。
居宅サービス計画書 第2表の文例
ニーズ1
ニーズ
できるだけ住み慣れた自宅で、家族と穏やかに過ごしたい。
長期目標
本人の希望する生活場所で、必要な支援を受けながら穏やかに生活を継続できる。
短期目標
体調に合わせて無理なく生活し、本人が安心できる時間を自宅で過ごすことができる。
サービス内容
本人の心身状態を確認し、体調に合わせた生活支援を行う。本人の意思や希望を確認しながら、その人らしい過ごし方を支援する。
ニーズ2
ニーズ
苦しさや痛みをできるだけ少なくし、安心して過ごしたい。
長期目標
心身の苦痛が軽減され、本人が落ち着いて生活することができる。
短期目標
疼痛や呼吸状態、食事、睡眠等の変化を早期に把握し、必要な対応を受けることができる。
サービス内容
疼痛、呼吸状態、食事・水分摂取、排泄、睡眠等を確認し、変化がみられた場合には医療職へ速やかに情報共有する。
ニーズ3
ニーズ
体調が変わったときにも、自分の希望を大切にしてもらいたい。
長期目標
本人の意思が継続して確認され、状態変化時にも希望に沿った支援を受けることができる。
短期目標
療養場所や急変時の対応について、本人・家族・支援者で意向を共有できる。
サービス内容
本人・家族の意向を定期的に確認し、医療・介護関係者で共有する。意向に変化があった場合には支援内容を見直す。
ニーズ4
ニーズ
家族にも無理をしすぎず休んでもらいながら、一緒に過ごす時間を大切にしたい。
長期目標
家族が心身の健康を保ちながら、本人との生活を無理なく支えることができる。
短期目標
本人の体調に応じてショートステイ等を活用し、家族が休息できる時間を確保できる。
サービス内容
家族の疲労や介護負担を確認し、本人の体調や受け入れ状況に応じてショートステイ等を調整する。必要時には他サービスも組み合わせる。
第2表の完成イメージ
| ニーズ | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| できるだけ住み慣れた自宅で、家族と穏やかに過ごしたい。 | 本人の希望する生活場所で、必要な支援を受けながら穏やかに生活を継続できる。 | 体調に合わせて無理なく生活し、本人が安心できる時間を自宅で過ごすことができる。 | 本人の心身状態を確認し、体調に合わせた生活支援を行う。本人の意思や希望を尊重する。 |
| 苦しさや痛みをできるだけ少なくし、安心して過ごしたい。 | 心身の苦痛が軽減され、本人が落ち着いて生活することができる。 | 疼痛や呼吸状態、食事、睡眠等の変化を早期に把握し、必要な対応を受けることができる。 | 心身状態を確認し、変化がみられた場合には医療職へ速やかに情報共有する。 |
| 体調が変わったときにも、自分の希望を大切にしてもらいたい。 | 本人の意思が継続して確認され、状態変化時にも希望に沿った支援を受けることができる。 | 療養場所や急変時の対応について、本人・家族・支援者で意向を共有できる。 | 本人・家族の意向を定期的に確認し、医療・介護関係者で共有する。 |
| 家族にも無理をしすぎず休んでもらいながら、一緒に過ごす時間を大切にしたい。 | 家族が心身の健康を保ちながら、本人との生活を無理なく支えることができる。 | 本人の体調に応じてショートステイ等を活用し、家族が休息できる時間を確保できる。 | 家族の介護負担を確認し、本人の体調に合わせてショートステイや他サービスを調整する。 |
ケアプラン作成時のポイント
看取りを視野に入れたケアプランでは、「自宅で看取ること」を固定的な目標にしないことが重要です。本人や家族の気持ちは病状や介護状況によって変化することがあるため、その時々の意向を繰り返し確認します。
また、家族が「本人の希望だから」と無理をして介護を抱え込んでいないかにも注意します。在宅生活を続けるためには、本人への支援と同じように家族への支援も重要です。
文例を使うときのポイント
看取り期に近づくほど本人の状態は変化しやすくなります。以前作成したケアプランの目標やサービス内容を固定せず、食事量、活動量、介助量、本人の希望、家族の介護力等に応じて柔軟に見直します。
ショートステイについても、本人の状態によって利用が負担となる場合があります。家族の休息だけを目的に利用を続けるのではなく、本人の体調、医療的ケアの必要性、事業所の受け入れ体制等を確認したうえで利用を判断することが大切です。
まとめ
看取りを視野に入れながら在宅生活を続ける場合には、本人がどこでどのように過ごしたいかという希望を大切にしながら、病状の変化と家族の介護負担の双方を確認する必要があります。
医療と介護が連携し、本人の苦痛軽減、意思の尊重、家族の休息を支えることで、本人と家族が納得できる時間を過ごせるケアプランにつなげます。


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