パーキンソン病のある利用者では、手の震えや肩の動かしにくさから、ひげ剃りや整髪を家族が行うことがあります。
けがを防ぐだけでなく、本人が道具を選ぶ、鏡で確認する、できる範囲を整える力を評価することが重要です。
ここでは、電気シェーバーと卓上鏡を使えば頬と顎を自分で剃れ、毎朝身だしなみを整えてデイサービスへ行きたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 朝食後は右手の動きが比較的安定している
- 太いグリップを付けた電気シェーバーは右手で持てる
- 肘を洗面台へ置くと頬と顎を自分で剃れる
- 首元は見えにくく剃り残しがある
- 卓上鏡を近づけると左右を確認できる
- 本人は自分で整えてデイサービスへ行きたい
- 妻は首元だけ本人の了承を得て仕上げたい
手指と肩の動き、道具、姿勢、鏡、皮膚状態、本人が整えたい範囲、介助を希望する部分を確認してください。
※皮膚の傷、出血、痛み等がある場合は使用を中止し、本人の意向を確認して医療職等へ相談してください。
利用者像の例
- 78歳・男性・要介護2
- 妻と二人暮らし
- 営業職として身だしなみを大切にし、退職後も毎朝ひげを整えてきた
- 朝食後は右手の動きが比較的安定している
- 太いグリップを付けた電気シェーバーは右手で持てる
- 肘を洗面台へ置くと頬と顎を自分で剃れる
- 首元は見えにくく剃り残しがある
- 卓上鏡を近づけると左右を確認できる
- 本人は自分で整えてデイサービスへ行きたい
- 妻は首元だけ本人の了承を得て仕上げたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
電気シェーバーなら頬と顎は自分でできるので、朝は自分で身だしなみを整えて出かけたい。
家族の意向
おすすめ文例
本人が鏡で確認するまで待ち、見えにくい首元は頼まれたときだけ仕上げたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は妻と暮らし、営業職時代から大切にしてきた朝の身だしなみを自分で整え、デイサービスへ出かけたいと希望している。
朝食後は右手が比較的動き、太いグリップ付き電気シェーバーを持ち、肘を洗面台へ置くと頬と顎を剃れる。
卓上鏡を近づけて左右を確認できるが、首元は見えにくく剃り残しが生じる。
本人が鏡で仕上がりを確認し、首元の補助が必要か自分で決め、妻は了承後に支援する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が道具を操作し鏡で確認する力を活かし、朝の整容を自分で続けられるよう支援する。
朝食後に椅子、卓上鏡、太いグリップ付きシェーバーを準備し、肘を支持して安全に行う。
妻は本人の動作と確認を待ち、首元など本人が希望した部分のみ仕上げを行う。
第2表の文例
剃り残しをなくすことだけを目標にせず、本人が自分の身だしなみを確認し、必要な支援を選んで外出できることを目標にします。
課題① 使いやすいシェーバーで、自分のひげを整えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
使いやすいシェーバーで、自分のひげを整えたい。
長期目標
本人に合う道具と姿勢で朝のひげ剃りを継続できる。
短期目標
肘を支持し、太いグリップのシェーバーで頬と顎を剃れる。
サービス内容
椅子、鏡、シェーバーを同じ位置に準備し、皮膚状態を確認して本人の操作を見守る。
課題② 鏡で仕上がりを確認し、手伝ってほしい部分を伝えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
鏡で仕上がりを確認し、手伝ってほしい部分を伝えたい。
長期目標
本人の判断で整容介助の範囲を選べる。
短期目標
卓上鏡で左右と顎を確認し、首元の仕上げが必要か妻へ伝えられる。
サービス内容
鏡の距離と照明を調整し、妻は本人の確認と依頼を待って必要な部分のみ支援する。
課題③ 自分で身だしなみを整え、気持ちよくデイサービスへ行きたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
自分で身だしなみを整え、気持ちよくデイサービスへ行きたい。
長期目標
本人らしい外見を保ち、外出への意欲を継続できる。
短期目標
利用日の朝にひげ剃りと整髪を行い、希望する服装を選べる。
サービス内容
送迎時間から逆算して十分な準備時間を確保し、急かさず本人の選択を尊重する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 使いやすいシェーバーで、自分のひげを整えたい。 | 本人に合う道具と姿勢で朝のひげ剃りを継続できる。 | 肘を支持し、太いグリップのシェーバーで頬と顎を剃れる。 | 椅子、鏡、シェーバーを同じ位置に準備し、皮膚状態を確認して本人の操作を見守る。 |
| 鏡で仕上がりを確認し、手伝ってほしい部分を伝えたい。 | 本人の判断で整容介助の範囲を選べる。 | 卓上鏡で左右と顎を確認し、首元の仕上げが必要か妻へ伝えられる。 | 鏡の距離と照明を調整し、妻は本人の確認と依頼を待って必要な部分のみ支援する。 |
| 自分で身だしなみを整え、気持ちよくデイサービスへ行きたい。 | 本人らしい外見を保ち、外出への意欲を継続できる。 | 利用日の朝にひげ剃りと整髪を行い、希望する服装を選べる。 | 送迎時間から逆算して十分な準備時間を確保し、急かさず本人の選択を尊重する。 |
パーキンソン病・整容のケアプランで意識したいポイント
本人のこだわりを聞く
清潔保持だけでなく、どの部分をどの程度整えたいか、生活歴に基づく希望を確認します。
道具と支持を調整する
太いグリップ、肘支持、卓上鏡、椅子を組み合わせ、使える手の動きを活かします。
仕上げ介助は本人が選ぶ
剃り残しを見つけても家族がすぐ手を出さず、本人の確認と依頼を待ちます。
文例を使うときのポイント
- 動きやすい時間帯を確認する
- 電気シェーバーの握りを調整する
- 肘支持と椅子を整える
- 鏡と照明を調整する
- 本人が介助範囲を選べるようにする
まとめ
ひげ剃りや整容では、道具、姿勢、鏡、時間帯を調整し、本人ができる操作と確認を残します。
本人が仕上げ介助の範囲を選ぶことで、身だしなみへのこだわりと外出意欲を尊重する計画になります。
関連するケアプラン文例
- ケアプラン文例【パーキンソン病・更衣・入浴動作】
- ケアプラン文例【パーキンソン病・表情が乏しい】
- ケアプラン文例【パーキンソン病・外出減少・閉じこもり】


コメント