脳梗塞後遺症による構音障害がある利用者では、電話で聞き返される経験から、家族との連絡を諦めることがあります。
声の明瞭さだけで会話能力を判断せず、短い文、ゆっくり話す、定型文、文字メッセージなど本人が使える方法を評価することが重要です。
ここでは、決まった時刻に短い言葉とメッセージを組み合わせ、県外の娘へ自分から連絡したい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 県外の娘と毎週日曜に電話することを楽しみにしてきた
- 対面ではゆっくり短く話すと意思が伝わる
- 電話では長い文になると聞き返しが増える
- 元気、病院、また日曜など定型語は明瞭に言える
- スマートフォンで登録済みの娘を選んで発信できる
- 短い文字メッセージを候補から選んで送れる
- 本人は自分から連絡したい
- 妻は代わりに話す前に本人の方法を待ちたい
対面と電話の違い、伝わりやすい語句、通話時間、文字や定型文、聞き返し方、本人が連絡したい相手を確認してください。
※急に言葉や発音が変化した場合、麻痺、強い頭痛等を伴う場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
利用者像の例
- 76歳・男性・要介護2
- 妻と二人暮らし
- 脳梗塞後遺症による構音障害がある
- 県外の娘と毎週日曜に電話することを楽しみにしてきた
- 対面ではゆっくり短く話すと意思が伝わる
- 電話では長い文になると聞き返しが増える
- 元気、病院、また日曜など定型語は明瞭に言える
- スマートフォンで登録済みの娘を選んで発信できる
- 短い文字メッセージを候補から選んで送れる
- 本人は自分から連絡したい
- 妻は代わりに話す前に本人の方法を待ちたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
長く話すと伝わりにくいが、短い言葉とメッセージなら娘に自分から連絡できるので続けたい。
家族の意向
おすすめ文例
すぐに電話を代わらず、本人が短く話し、必要ならメッセージを使うのを待ちたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は妻と暮らし、県外の娘との毎週日曜の電話を自分から続けたいと希望している。
構音障害があるが、ゆっくり短く話すと意思が伝わり、元気、病院、また日曜等の定型語は電話でも明瞭に言える。
登録済みの娘を選んで発信し、伝わりにくい内容は候補から短い文字メッセージを選んで送れる。
妻や娘は聞き取れない部分だけを一つずつ確認し、本人が発話と文字を選ぶ時間を確保する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が短い発話と文字メッセージを組み合わせ、自分から娘へ連絡できるよう支援する。毎週日曜の決まった時刻に静かな場所で通話し、一文を短くして相手の確認を待つ。妻は代弁する前に本人へ文字利用を尋ね、娘は聞き取れた内容を繰り返して確認する。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人の話す速さを尊重し、聞き返し方や確認方法を工夫して電話での交流を支援する。家族・関係者で伝わりやすい対応を共有し、発話の機会を守る。
第2表の文例
流暢に長く話すことではなく、本人が使える発話と文字を選び、自分から家族へ連絡できることを目標にします。
課題① 登録済みの連絡先から、自分で娘へ電話したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
登録済みの連絡先から、自分で娘へ電話したい。
長期目標
本人が決まった相手へ自分から連絡できる。
短期目標
毎週日曜に娘の写真を選び、発信ボタンを押せる。
サービス内容
連絡先を写真一つで表示し、静かな席と通話時刻を本人・娘で共有する。
課題② 短い言葉で、体調と予定を伝えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
短い言葉で、体調と予定を伝えたい。
長期目標
本人の近況が電話で娘へ伝わる。
短期目標
元気、病院、また日曜等の定型語を一文ずつ話せる。
サービス内容
話す内容を三項目のカードにし、娘は聞き取れた語を繰り返して本人へ確認する。
課題③ 伝わらない内容は文字メッセージを使いたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
伝わらない内容は文字メッセージを使いたい。
長期目標
発話以外の方法を自分で選び、連絡を続けられる。
短期目標
三つの候補から希望するメッセージを選び送信できる。
サービス内容
本人が文字を希望するか確認し、妻は操作を先取りせず必要時のみ画面を支える。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 登録済みの連絡先から、自分で娘へ電話したい。 | 本人が決まった相手へ自分から連絡できる。 | 毎週日曜に娘の写真を選び、発信ボタンを押せる。 | 連絡先を写真一つで表示し、静かな席と通話時刻を本人・娘で共有する。 |
| 短い言葉で、体調と予定を伝えたい。 | 本人の近況が電話で娘へ伝わる。 | 元気、病院、また日曜等の定型語を一文ずつ話せる。 | 話す内容を三項目のカードにし、娘は聞き取れた語を繰り返して本人へ確認する。 |
| 伝わらない内容は文字メッセージを使いたい。 | 発話以外の方法を自分で選び、連絡を続けられる。 | 三つの候補から希望するメッセージを選び送信できる。 | 本人が文字を希望するか確認し、妻は操作を先取りせず必要時のみ画面を支える。 |
脳梗塞後遺症・構音障害の電話ケアプランで意識したいポイント
声の明瞭さと意思を分ける
聞き取りにくさだけで会話できないと判断せず、伝わる語句と方法を確認します。
相手側の聞き方も整える
一度に何度も聞き返さず、聞き取れた部分を復唱し、不明点だけ確認します。
発話と文字を本人が選ぶ
家族がすぐ代弁せず、本人が電話、メッセージ、併用を選べるようにします。
文例を使うときのポイント
- 伝わりやすい語句を確認する
- 通話時間と静かな場所を決める
- 一文を短くする
- 聞き取れた部分を復唱する
- 文字メッセージも準備する
まとめ
構音障害がある電話では、短い発話、定型語、文字メッセージを組み合わせます。
家族が代弁を急がず、本人が方法を選ぶことで、娘との大切な連絡を自分から続けられます。
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