脳梗塞後遺症による感覚障害がある利用者では、麻痺側の熱さや痛みに気づきにくく、入浴や調理で皮膚を傷める危険があります。
危険だから触れないとするのではなく、非麻痺側で確認する、温度計を使う、皮膚を目で見るなど本人ができる安全確認を評価することが重要です。
ここでは、右手と温度表示を使って湯温を確かめ、左手の皮膚を鏡で確認しながら自宅入浴を続けたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 夕方の自宅入浴を楽しみにしている
- 右手では温度の違いを感じられる
- 浴室のデジタル温度表示を読める
- 湯へ左手を先に入れない手順を理解している
- 卓上鏡で左手と前腕の赤みを確認できる
- 入浴後に違和感があれば夫へ伝えられる
- 本人は安全確認を自分で行いたい
- 夫は給湯設定と背中の皮膚確認を担当したい
感覚が低下する部位、温度確認方法、視覚的な皮膚確認、本人が理解し実行できる手順を生活場面で確認してください。
※発赤、水疱、傷、腫れ等がある場合は使用や入浴を中止し、速やかに医療職へ相談してください。
利用者像の例
- 71歳・女性・要介護2
- 夫と二人暮らし
- 脳梗塞後遺症による左上下肢の温痛覚低下がある
- 夕方の自宅入浴を楽しみにしている
- 右手では温度の違いを感じられる
- 浴室のデジタル温度表示を読める
- 湯へ左手を先に入れない手順を理解している
- 卓上鏡で左手と前腕の赤みを確認できる
- 入浴後に違和感があれば夫へ伝えられる
- 本人は安全確認を自分で行いたい
- 夫は給湯設定と背中の皮膚確認を担当したい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
左手は熱さが分かりにくいが、表示と右手で確認できるので、安全を確かめて自宅で入浴したい。
家族の意向
おすすめ文例
私が温度を決めつけず、本人が表示と右手で確認し、見えない部分だけ一緒に皮膚を見たい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は夫と暮らし、夕方の自宅入浴を今後も楽しみたいと希望している。
左上下肢の温痛覚が低下しているが、右手では温度を感じ、デジタル表示を読み、左手を先に湯へ入れない手順を理解している。
卓上鏡で左手と前腕の赤みを確認し、違和感があれば夫へ伝えられる。
給湯温度、右手での確認、入浴前後の視覚的な皮膚確認を本人・夫で共通手順にする必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が温度表示、右手の感覚、鏡を用いて安全確認する力を活かし、自宅入浴を継続できるよう支援する。給湯設定を一定範囲とし、入浴前に表示を見る、右手で確認する、左手を先に入れない手順を行う。入浴後は本人が見える範囲を確認し、夫は背中等見えにくい部位のみ本人の了承後に確認する。
別の表現|短めにまとめたい場合
温度や痛みに気づきにくいことを踏まえ、本人が目で確認する習慣と安全な環境を整える。やけどや皮膚障害を予防し、変化があれば早めに関係職種へ相談する。
第2表の文例
感覚障害があるため活動を禁止するのではなく、本人が複数の手がかりで安全を確認し、入浴を続けられることを目標にします。
課題① 温度表示と右手を使い、自分で湯温を確認したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
温度表示と右手を使い、自分で湯温を確認したい。
長期目標
本人が決めた手順で熱さを確認できる。
短期目標
表示を読み、右手で湯温を確かめてから入浴できる。
サービス内容
給湯設定を一定にし、表示、右手、入浴の三段階を浴室入口に掲示する。
課題② 感覚が低い左手を目で確認し、傷を早めに見つけたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
感覚が低い左手を目で確認し、傷を早めに見つけたい。
長期目標
皮膚の変化を視覚で確認し、必要時に相談できる。
短期目標
入浴前後に鏡で左手と前腕の赤みや傷を確認できる。
サービス内容
卓上鏡と照明を整え、本人が確認後、見えにくい部位のみ夫が了承を得て見る。
課題③ 安全確認を行い、自宅での入浴を続けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
安全確認を行い、自宅での入浴を続けたい。
長期目標
やけどや皮膚損傷を防ぎながら入浴習慣を継続できる。
短期目標
週三回、本人の手順と夫の見守りで入浴できる。
サービス内容
皮膚状態と体調を毎回確認し、異常時は中止して医療職へ共有する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 温度表示と右手を使い、自分で湯温を確認したい。 | 本人が決めた手順で熱さを確認できる。 | 表示を読み、右手で湯温を確かめてから入浴できる。 | 給湯設定を一定にし、表示、右手、入浴の三段階を浴室入口に掲示する。 |
| 感覚が低い左手を目で確認し、傷を早めに見つけたい。 | 皮膚の変化を視覚で確認し、必要時に相談できる。 | 入浴前後に鏡で左手と前腕の赤みや傷を確認できる。 | 卓上鏡と照明を整え、本人が確認後、見えにくい部位のみ夫が了承を得て見る。 |
| 安全確認を行い、自宅での入浴を続けたい。 | やけどや皮膚損傷を防ぎながら入浴習慣を継続できる。 | 週三回、本人の手順と夫の見守りで入浴できる。 | 皮膚状態と体調を毎回確認し、異常時は中止して医療職へ共有する。 |
脳梗塞後遺症・感覚障害のケアプランで意識したいポイント
感覚以外の確認方法を使う
非麻痺側、温度表示、鏡など複数の手がかりで安全を確認します。
本人が実行できる順序にする
表示を見る、右手で触れる、入浴するという短い手順を統一します。
皮膚を目で確認する
痛みが少なくても損傷がある場合があるため、入浴前後に発赤や傷を見ます。
文例を使うときのポイント
- 感覚低下の範囲を確認する
- 温度表示を活用する
- 非麻痺側で先に確認する
- 鏡と照明で皮膚を見る
- 異常時の相談方法を決める
まとめ
感覚障害がある場合は、温度表示、非麻痺側、視覚を使った安全確認を本人と共有します。
家族が全て判断せず、本人が確認手順を実行することで、安全と自宅入浴の希望を両立できます。
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