脳梗塞後遺症による片麻痺がある利用者では、転落への不安から家族が身体を持ち上げ、本人が使える寝返りや起き上がりの力を活かせないことがあります。
寝返り、端座位、足底接地、立ち上がり、車椅子への方向転換を分け、本人が行える工程を確認することが重要です。
ここでは、左手でベッド柵を使って起き上がり、足底を確認してから車椅子へ移り、朝食の席へ行きたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 朝食は居間で妻と食べることを大切にしている
- 左手でベッド柵を握り左側臥位になれる
- 左肘で押して端座位になれる
- 端座位を一分保ち、足底位置を自分で確認できる
- 左足を軸に立ち上がれる
- 右足の位置調整と車椅子ブレーキは妻の支援を要する
- 本人は持ち上げられず自分の動きを使いたい
- 妻は準備と右足のみ手伝いたい
寝返り、起き上がり、端座位、足底、立ち上がり、方向転換、着座を分け、本人が使える手足と合図を確認してください。
※介助方法や福祉用具は本人・家族の安全を確認し、必要に応じてリハビリテーション・福祉用具等の専門職へ相談してください。
利用者像の例
- 82歳・男性・要介護3
- 妻と二人暮らし
- 脳梗塞後遺症による右片麻痺がある
- 朝食は居間で妻と食べることを大切にしている
- 左手でベッド柵を握り左側臥位になれる
- 左肘で押して端座位になれる
- 端座位を一分保ち、足底位置を自分で確認できる
- 左足を軸に立ち上がれる
- 右足の位置調整と車椅子ブレーキは妻の支援を要する
- 本人は持ち上げられず自分の動きを使いたい
- 妻は準備と右足のみ手伝いたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
左手と左足を使えば起きられるので、身体を全部持ち上げてもらわず、自分の力で車椅子へ移りたい。
家族の意向
おすすめ文例
車椅子と右足を整え、本人が柵を使って起きる動きを待ち、立つときだけ支えたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は妻と暮らし、朝食は居間で妻と一緒に食べるため、自分の力を使ってベッドから車椅子へ移りたいと希望している。
右片麻痺があるが、左手でベッド柵を握って左側臥位となり、左肘で押して端座位になれる。
端座位を一分保ち、足底を確認し、左足を軸に立ち上がれるが、右足位置と車椅子準備には支援を要する。
妻は車椅子ブレーキと右足位置を整え、本人の寝返り・起き上がりを待ち、立位時のみ必要な支持を行う必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が左手・左肘・左足を使う一連の動作を活かし、ベッドから車椅子へ移乗できるよう支援する。車椅子を左側へ配置し、ブレーキ、足台、右足位置を妻が確認してから本人が動作を開始する。妻は本人の合図と動作を待ち、立位と方向転換で必要な範囲のみ体幹を支える。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人の起き上がりや移乗能力を活かし、安全にベッドを離れられるよう支援する。手すりや車椅子の位置を整え、家族は必要な部分のみ介助する。
第2表の文例
家族が持ち上げて早く移すことではなく、本人ができる寝返り・起き上がり・立ち上がりを行い、必要な部分だけ支援を受けることを目標にします。
課題① 左手とベッド柵を使い、自分で端座位になりたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
左手とベッド柵を使い、自分で端座位になりたい。
長期目標
本人の力で寝返りと起き上がりを継続できる。
短期目標
左側臥位から左肘で押し、端座位を一分保てる。
サービス内容
柵と枕の位置を整え、妻は本人の動作を待ち、麻痺側上肢のみ安全な位置へ置く。
課題② 足の位置を確認してから、安全に立ち上がりたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
足の位置を確認してから、安全に立ち上がりたい。
長期目標
本人が準備手順を用いて立位になれる。
短期目標
左足底を床へ置き、右足位置を妻と確認して左足を軸に立てる。
サービス内容
床と履物を確認し、妻は右足を整え、本人の合図後に体幹を支える。
課題③ 車椅子へ移り、妻と居間で朝食を食べたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
車椅子へ移り、妻と居間で朝食を食べたい。
長期目標
必要な介助で居間への移動と朝食習慣を継続できる。
短期目標
車椅子へ着座し、本人がブレーキ解除を妻へ依頼できる。
サービス内容
車椅子を左側へ配置し、移乗後の姿勢と疲労を確認して居間へ移動する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 左手とベッド柵を使い、自分で端座位になりたい。 | 本人の力で寝返りと起き上がりを継続できる。 | 左側臥位から左肘で押し、端座位を一分保てる。 | 柵と枕の位置を整え、妻は本人の動作を待ち、麻痺側上肢のみ安全な位置へ置く。 |
| 足の位置を確認してから、安全に立ち上がりたい。 | 本人が準備手順を用いて立位になれる。 | 左足底を床へ置き、右足位置を妻と確認して左足を軸に立てる。 | 床と履物を確認し、妻は右足を整え、本人の合図後に体幹を支える。 |
| 車椅子へ移り、妻と居間で朝食を食べたい。 | 必要な介助で居間への移動と朝食習慣を継続できる。 | 車椅子へ着座し、本人がブレーキ解除を妻へ依頼できる。 | 車椅子を左側へ配置し、移乗後の姿勢と疲労を確認して居間へ移動する。 |
脳梗塞後遺症・ベッド移乗のケアプランで意識したいポイント
移乗を工程に分ける
寝返り、端座位、立位、方向転換、着座ごとに本人ができる動作を確認します。
家族が持ち上げすぎない
準備と危険な工程だけを支援し、本人の左手・左足の動作を待ちます。
移乗後の生活目的につなげる
車椅子へ移ることではなく、妻と居間で朝食を食べる習慣を目標にします。
文例を使うときのポイント
- 寝返り方向を確認する
- 柵を握る手と肘支持を見る
- 端座位と足底を確認する
- 車椅子の位置を統一する
- 介助者の支援範囲を決める
まとめ
ベッド移乗では、一連の動作を工程に分け、本人が使える左手・左足の力を評価します。
妻が準備と立位だけを支えることで、本人の力を活かし、居間での朝食を続けられます。
関連するケアプラン文例
- ケアプラン文例【脳梗塞後遺症・車椅子自走】
- ケアプラン文例【脳梗塞後遺症・片麻痺・排泄動作】
- ケアプラン文例【脳梗塞後遺症・右片麻痺・屋内歩行】


コメント