大腿骨頸部骨折後の老老介護では、介助する配偶者にも持病や体力低下があり、夫婦だけで抱え込まない支援体制が必要です。
本記事では、本人ができる移動と家事を続け、夫は見守りを中心とし、外部サービスを組み合わせる事例を紹介します。
ここでは、本人と配偶者を一括りにせず、それぞれの希望、できること、負担を個別に確認します。を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 夫は妻を支えたい気持ちが強く、訪問サービスの利用に遠慮がある。
夫婦の支え合いを尊重しつつ、互いの持病、睡眠、介助動作、家事量、外部支援への抵抗感を別々に確認する。
高齢配偶者による抱え上げや無理な移乗介助を前提にせず、福祉用具と専門職の評価、外部サービスを組み合わせる。
利用者像の例
- 84歳女性。大腿骨頸部骨折後、手すりで立ち上がり、歩行器で室内移動できる。
- 86歳の夫と二人暮らしで、夫には腰痛と高血圧があり、身体を支える介助は難しい。
- 本人は洗濯物を畳むことと食卓を整えることを続けたい。
- 夫は妻を支えたい気持ちが強く、訪問サービスの利用に遠慮がある。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
できる家事は続けたい。夫に身体を持ち上げてもらわず、自分で動きたい。
家族の意向
おすすめ文例
妻を支えたいが腰がつらい。人に頼ることも必要だと分かる方法で説明してほしい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は手すりと歩行器で移動し、座位で家事を行える。夫は見守りと声かけができるが、身体介助は腰痛悪化の危険がある。
夫婦とも自宅生活を希望する一方、外部支援への遠慮から負担を抱え込みやすい。
本人の自立動作、夫の見守り、福祉用具、訪問・通所サービスの役割を整理し、夫婦双方が休息できる体制が必要である。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が行える移動と家事を継続し、夫が抱え上げない介助方法を共有する。本人と夫へ別々に希望と負担を確認し、外部支援の目的を分かりやすく説明する。訪問・通所等を組み合わせ、夫婦それぞれの通院と休息時間を確保する。
別の表現|短めにまとめたい場合
夫婦それぞれの力と希望を確認し、抱え上げない介助方法と訪問・通所支援を組み合わせ、双方の通院と休息を確保する。
第2表の文例
夫婦の支え合いを残しながら、本人の自立と外部支援で抱え込みを防ぐ。
課題① 自分で移動し、できる家事を続けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
自分で移動し、できる家事を続けたい。
長期目標
手すりと歩行器を使い、家庭内の役割を継続できる。
短期目標
食卓まで移動し、座って洗濯物を畳める。
サービス内容
支援者は動線と作業位置を整え、本人が行う工程を待つ。
課題② 夫に身体を持ち上げてもらわず、安全に生活したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
夫に身体を持ち上げてもらわず、安全に生活したい。
長期目標
福祉用具と見守りで移動し、夫の身体介助を減らせる。
短期目標
本人の合図で立ち上がり、夫は確認した位置から見守れる。
サービス内容
理学療法士等が夫婦へ動作と見守り位置を実地で共有する。
課題③ 夫婦とも休息と通院の時間を確保したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
夫婦とも休息と通院の時間を確保したい。
長期目標
外部サービスを利用し、双方が無理なく在宅生活を続けられる。
短期目標
週1回の通所または訪問サービスを試し、夫が自分の通院時間を持てる。
サービス内容
ケアマネジャーは本人の活動希望と夫の健康状態を確認し、サービス利用後の負担を見直す。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 自分で移動し、できる家事を続けたい。 | 手すりと歩行器を使い、家庭内の役割を継続できる。 | 食卓まで移動し、座って洗濯物を畳める。 | 支援者は動線と作業位置を整え、本人が行う工程を待つ。 |
| 夫に身体を持ち上げてもらわず、安全に生活したい。 | 福祉用具と見守りで移動し、夫の身体介助を減らせる。 | 本人の合図で立ち上がり、夫は確認した位置から見守れる。 | 理学療法士等が夫婦へ動作と見守り位置を実地で共有する。 |
| 夫婦とも休息と通院の時間を確保したい。 | 外部サービスを利用し、双方が無理なく在宅生活を続けられる。 | 週1回の通所または訪問サービスを試し、夫が自分の通院時間を持てる。 | ケアマネジャーは本人の活動希望と夫の健康状態を確認し、サービス利用後の負担を見直す。 |
老老介護のケアプラン作成ポイント
夫婦を別々に評価する
双方の健康、希望、できること、負担を個別に確認する。
抱え上げを前提にしない
福祉用具と本人の動作を生かし、高齢配偶者の身体介助を減らす。
外部支援の意味を共有する
家族の役割を奪うのではなく、夫婦生活を続ける手段として説明する。
文例を使うときのポイント
- 配偶者の通院、睡眠、腰痛等も定期的に確認する。
- 本人の自立動作が過介助で減っていないか見直す。
- 緊急時の連絡先と代替支援を夫婦と共有する。
まとめ
老老介護では、夫婦の支え合いを尊重しながら抱え込みを防ぐ必要があります。
本人の能力、配偶者の見守り、福祉用具、外部サービスの役割を整理します。
関連するケアプラン文例
- 大腿骨頸部骨折後・家族介護負担
- 大腿骨頸部骨折後・ショートステイ
- 大腿骨頸部骨折後・訪問介護


コメント