転倒リスクが高い利用者の通所介護計画書では、「転倒しないこと」だけを目標にするのではなく、安全に配慮しながら本人が希望する生活や活動を続けられるよう支援内容を考えることが大切です。歩行状態、立ち上がり、方向転換、疲労、生活環境などを確認し、本人のできることを活かした目標を設定します。この記事では、転倒歴や歩行への不安がある利用者を想定した文例を紹介します。
転倒リスクが高い利用者の通所介護計画書を作成するポイント
転倒経験があると、本人自身が動くことを怖がり、活動量が低下することがあります。計画書では転倒予防だけを目的にせず、安全な動作方法を身につけながら、本人が再び行いたい活動につなげる視点が重要です。また、歩行能力だけでなく、履物、福祉用具、自宅内の動線、体調など、転倒につながる要因を生活全体から確認します。
利用者像の例
・要介護1
・妻と二人暮らし
・屋内は杖を使用して歩行
・3か月前に自宅玄関付近で転倒歴あり
・立ち上がり直後や方向転換時にふらつきがみられる
・転倒後は一人で外出することに不安を感じている
・以前は近所を散歩することを楽しみにしていた
本人・家族の意向
本人の意向
転ぶのは怖いが、また自分の足で近所を散歩できるようになりたい。
家族の意向
本人にはできるだけ活動してほしいが、再び転倒してけがをすることが心配なので、安全な歩き方を身につけてほしい。
長期目標の文例
安全な移動方法を身につけ、転倒への不安を軽減しながら自宅での生活を継続できる。
歩行能力を維持し、本人が希望する外出や散歩を無理なく続けることができる。
自分で行える日常生活動作を継続し、活動的な生活を送ることができる。
短期目標の文例
杖や手すりを適切に使用し、安定して立ち上がりや歩行を行うことができる。
方向転換や段差など転倒しやすい場面で、落ち着いて安全に動作できる。
見守りのもとで歩行や運動に取り組み、外出に対する不安を軽減できる。
サービス内容の文例
立ち上がり・歩行・方向転換・段差昇降などの動作練習を行い、安全な移動方法の獲得を支援する。
歩行時のふらつきや疲労状態を確認し、本人の状態に合わせて運動量や休憩を調整する。
杖や手すりなどの福祉用具を適切に使用できているか確認し、安全な動作につなげる。
転倒への不安に配慮しながら成功体験を重ね、本人が自信を持って活動できるよう支援する。
転倒リスクの計画書で意識したいこと
転倒予防を重視するあまり、本人の活動を必要以上に制限すると、筋力や体力の低下につながることがあります。「危険だから動かない」ではなく、「安全に動くために何が必要か」という視点で計画を作成することが重要です。本人が再び行いたい活動を具体的に把握し、その実現に向けて目標とサービス内容をつなげます。
まとめ
転倒リスクが高い利用者の通所介護計画書では、転倒を防ぐことだけではなく、安全に活動を継続できることを目指します。本人が感じている不安や希望、実際の生活環境を踏まえ、歩行・動作・福祉用具・活動機会を組み合わせて支援することで、自立した生活の継続につながる計画書になります。


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