大腿骨頸部骨折後の利用者では、手術や入院を経て退院した後も、下肢筋力の低下や歩行への不安、転倒への恐怖などにより、以前の生活動作が難しくなることがあります。通所介護計画書では、骨折前の生活や現在の移動能力を把握し、安全に配慮しながら本人が再び行いたい生活動作につなげることが大切です。この記事では、大腿骨頸部骨折後の利用者を想定した文例を紹介します。
大腿骨頸部骨折後の通所介護計画書を作成するポイント
骨折後は、身体機能の低下だけでなく、「また転ぶのではないか」という不安から活動量が減少することがあります。計画書では歩行能力だけを見るのではなく、立ち上がり、移乗、トイレ、入浴、外出など、本人が生活の中で再び行いたい動作を確認します。医師等から動作上の指示がある場合はその内容にも配慮し、無理のない範囲で活動量を広げることが重要です。
利用者像の例
・要介護2
・長女夫婦と同居
・転倒による大腿骨頸部骨折で手術を受け、退院
・屋内は歩行器を使用
・立ち上がりや方向転換時に見守りが必要
・トイレまでの移動に不安がある
・入浴時は一部介助が必要
・骨折前は庭の手入れや家事を行っていた
本人・家族の意向
本人の意向
転んでから歩くのが怖くなったが、また自分でトイレまで行き、暖かくなったら庭にも出たい。
家族の意向
もう一度転倒することが心配だが、何でも介助するのではなく、安全にできることを少しずつ取り戻してほしい。
長期目標の文例
歩行器などを活用し、安全に自宅内を移動して在宅生活を継続できる。
下肢筋力やバランス能力を維持・向上し、必要な生活動作を自分で行える範囲を広げることができる。
転倒への不安を軽減し、本人が希望する外出や趣味活動を再開できる。
短期目標の文例
歩行器を使用し、見守りのもとで自室からトイレまで安全に移動できる。
手すりや支持物を使用し、安定して立ち上がりや方向転換を行うことができる。
休憩を取りながら無理なく歩行や運動を継続し、日中の活動量を増やすことができる。
サービス内容の文例
歩行器を使用した歩行、立ち上がり、方向転換などの動作練習を行い、安全な移動につなげる。
本人の身体状況に合わせて下肢筋力やバランス能力の維持・向上を目的とした運動を実施する。
入浴やトイレ動作では本人が行える部分を見守り、必要な部分のみ介助する。
転倒への不安に配慮しながら成功体験を重ね、本人が自信を持って活動範囲を広げられるよう支援する。
大腿骨頸部骨折後の計画書で意識したいこと
骨折後の支援では、単に歩行能力を改善するだけではなく、「歩けるようになって何をしたいのか」を把握することが重要です。トイレに自分で行く、庭に出る、家族と買い物に行くなど、本人にとって意味のある生活場面を目標にすることで、機能訓練と日常生活をつなげやすくなります。また、再転倒への不安によって活動が必要以上に制限されないよう、安全性と活動機会の両方に配慮します。
まとめ
大腿骨頸部骨折後の通所介護計画書では、骨折後の身体機能だけでなく、転倒への不安や退院後に難しくなった生活動作を把握することが大切です。安全な移動や日常生活動作の再獲得を支援しながら、本人が再び行いたい外出や趣味につながる長期目標・短期目標・サービス内容を設定することで、生活の再構築を支える計画書になります。


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