入院後は、病気そのものが改善していても、安静期間や活動量の低下によって筋力・体力が落ち、歩行や立ち上がり、入浴、家事などが以前より難しくなることがあります。通所介護計画書では、退院前の状態だけを見るのではなく、現在の生活能力を確認し、無理なく活動量を取り戻しながら在宅生活を安定させることが大切です。この記事では、退院直後で廃用症候群がみられる利用者を想定した文例を紹介します。
退院直後・廃用症候群の通所介護計画書を作成するポイント
退院直後は、本人が「以前ならできたこと」と現在の能力との差に戸惑うことがあります。早く元の生活に戻ろうとして無理をすると、疲労や転倒につながる場合もあります。そのため、現在できる動作を確認し、休息を取り入れながら段階的に活動量を増やしていく視点が重要です。また、本人が退院後に再び行いたい生活動作や外出、家事などを具体的に確認し、目標につなげます。
利用者像の例
・要介護2
・妻と二人暮らし
・肺炎による約1か月の入院後に退院
・入院前は屋内歩行自立
・退院後は杖を使用し、長距離では見守りが必要
・立ち上がりや階段昇降で疲労がみられる
・入浴や家事の一部に家族の支援が必要
・本人は以前の生活に少しずつ戻りたいと希望している
本人・家族の意向
本人の意向
入院する前のように、自分で家の中を動いたり、近所へ出かけたりできるようになりたい。
家族の意向
焦らずに体力を戻し、転倒や再入院をせず、自宅で安心して生活を続けてほしい。
長期目標の文例
体力と日常生活動作を回復・維持し、安定した在宅生活を継続できる。
安全に自宅内を移動し、入院前に行っていた生活動作を可能な範囲で再開できる。
体調を管理しながら外出や社会参加の機会を取り戻し、生活範囲を広げることができる。
短期目標の文例
杖を使用し、休憩を取りながら安全に歩行できる。
手すりを活用して安定した立ち上がりや移乗を行うことができる。
疲労状態に合わせて運動や活動に参加し、日中の活動時間を徐々に増やすことができる。
サービス内容の文例
利用時に体調や疲労の程度を確認し、本人の状態に合わせて活動量を調整する。
立ち上がり・歩行・方向転換などの日常生活に必要な動作練習を行い、移動能力の回復・維持を図る。
無理のない範囲で下肢筋力や持久力の維持・向上を目的とした運動を行う。
本人が自分で行える入浴・更衣・整容などの動作を継続し、必要な部分のみ見守りや介助を行う。
退院直後・廃用症候群の計画書で意識したいこと
退院直後は「入院前と同じ状態に戻すこと」だけを目標にするのではなく、現在の心身状態から無理なく生活を再構築することが重要です。体力や動作能力の回復状況を確認しながら、本人にとって必要性の高い生活動作から段階的に取り組みます。また、疲労や体調変化に注意し、本人・家族が安心して在宅生活を続けられる支援につなげます。
まとめ
退院直後・廃用症候群がみられる利用者の通所介護計画書では、入院前の状態だけを基準にせず、現在の身体機能・体力・生活能力を把握することが大切です。無理なく活動量を増やしながら、本人が再び行いたい生活動作や外出につながる長期目標・短期目標・サービス内容を設定することで、安定した在宅生活への移行を支援できます。


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