個別機能訓練計画書の文例【パーキンソン病】|長期目標・短期目標・訓練内容・評価の記入例

パーキンソン病のある利用者では、動作緩慢、すくみ足、姿勢反射障害、筋固縮などにより、立ち上がりや歩行、方向転換、外出などの日常生活動作が難しくなることがあります。個別機能訓練計画書では、症状そのものだけでなく、本人が生活の中でどのような動作に困っているのかを具体的に把握し、本人が続けたい生活や役割につながる目標を設定することが重要です。この記事では、パーキンソン病のある利用者を想定した長期目標・短期目標・訓練内容・評価の文例を紹介します。

パーキンソン病以外の疾患や生活状況に応じた文例は、個別機能訓練計画書の文例一覧から探せます。

パーキンソン病の個別機能訓練計画書を作成するポイント

パーキンソン病では、時間帯や服薬状況によって動きやすさが変化することがあります。計画書では、立ち上がり、歩行開始、方向転換、狭い場所での移動、姿勢など、本人が困りやすい場面を確認します。また、訓練場面だけでなく、自宅内の移動やトイレ、外出など実際の生活場面を意識し、本人が安全に動作を継続できるよう支援内容を設定します。

利用者像の例

  • ・要介護2
  • ・妻と二人暮らし
  • ・パーキンソン病で定期通院している
  • ・屋内では杖を使用している
  • ・歩き始めや方向転換時にすくみ足がみられる
  • ・前かがみ姿勢となりやすい
  • ・立ち上がり動作に時間がかかる
  • ・本人は妻と近所への散歩を続けたいと希望している

本人の希望・生活上の課題

歩き始めに足が出にくいことはあるが、できるだけ自分で歩き、妻との散歩を続けたい。

すくみ足や方向転換時の不安定さにより、屋内外の移動に不安があり、外出機会が減少している。

長期目標の文例

杖を使用して安全に屋外を歩行し、妻との散歩を継続できる。

立ち上がりや歩行能力を維持し、自宅内を安全に移動できる。

自分に合った動作方法を活用し、日常生活の活動範囲を維持できる。

短期目標の文例

姿勢と足の位置を整え、安定して椅子から立ち上がることができる。

歩行開始時に声かけや目印などを活用し、落ち着いて一歩を踏み出すことができる。

方向転換時に小さく急いで回らず、足を踏み替えながら安全に方向を変えることができる。

個別機能訓練の内容

椅子からの立ち上がり動作を反復し、体幹の前方移動や下肢への荷重を意識した動作練習を行う。

立位での重心移動や足の踏み出し練習を行い、歩行開始や方向転換に必要な動作能力の維持を図る。

床の目印や一定のリズムなど本人が使いやすい方法を活用し、歩行開始やすくみ足への対応を練習する。

本人の状態に合わせて歩行練習や姿勢を整える運動を行い、日常生活に必要な移動能力の維持を図る。

訓練実施時の留意点

服薬状況や時間帯による動きやすさの変化、疲労、ふらつきなどを確認し、その日の状態に合わせて訓練内容を調整する。

すくみ足や方向転換時の転倒に注意し、本人が焦らず動作できる環境と十分なスペースを確保する。

評価・モニタリングの文例

歩行開始時に声かけを行うことで一歩目が出やすくなり、訓練場面では安定した歩行がみられている。本人が自宅でも活用できる方法を継続して確認する。

方向転換時の足の踏み替えが以前より円滑となっているが、疲労時には小刻み歩行がみられる。休憩を取り入れながら歩行と方向転換練習を継続する。

身体機能に大きな変化はみられないが、杖を使用した屋内歩行は維持できている。現在の移動能力を維持し、活動量低下を予防するため訓練を継続する。

パーキンソン病の個別機能訓練で意識したいこと

パーキンソン病の個別機能訓練では、症状の程度だけでなく、動作が難しくなる場面や時間帯を把握することが重要です。歩行開始や方向転換などで動きにくさがある場合には、本人が使いやすい声かけ、目印、リズムなどを取り入れます。また、訓練室でできることを目標にするだけでなく、自宅内の移動、トイレ、散歩など、本人の実際の生活場面で活用できる動作につなげることが大切です。

まとめ

パーキンソン病のある利用者の個別機能訓練計画書では、すくみ足や動作緩慢などの症状だけでなく、それによって難しくなっている生活動作を具体的に把握することが重要です。本人が続けたい散歩や在宅生活から目標を設定し、立ち上がり、重心移動、歩行開始、方向転換など必要な訓練につなげることで、生活に即した個別機能訓練計画書になります。

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