腰痛や体幹機能の低下がある利用者では、立ち上がり、歩行、家事、入浴などの日常生活動作に負担が生じることがあります。個別機能訓練計画書では、腰痛そのものの改善だけを目的にするのではなく、本人が生活の中でどのような動作に困っているのか、今後も何を続けたいのかを具体的に把握することが重要です。この記事では、腰痛・体幹機能低下がみられる利用者を想定した長期目標・短期目標・訓練内容・評価の文例を紹介します。
腰痛・体幹機能低下の個別機能訓練計画書を作成するポイント
腰痛がある場合は、痛みの強さだけでなく、どのような姿勢や動作で症状が生じやすいのかを確認します。また、体幹機能の低下によって立位姿勢や歩行、立ち上がりが不安定になっていないかを把握することも大切です。本人の生活目標を確認し、疼痛や疲労に配慮しながら、姿勢保持、立ち上がり、歩行など実際の生活動作につながる訓練を設定します。
利用者像の例
- ・要介護1
- ・娘と二人暮らし
- ・慢性的な腰痛がある
- ・屋内は独歩、屋外では杖を使用している
- ・長時間の立位で腰部の疲労を訴える
- ・椅子からの立ち上がりに時間がかかる
- ・掃除や調理など立位で行う家事が減っている
- ・本人は簡単な料理をこれからも自分で続けたいと希望している
本人の希望・生活上の課題
腰が痛む日はあるが、家族に全部任せず、自分で台所に立って簡単な料理を続けたい。
腰痛と体幹機能の低下により長時間の立位や歩行が負担となり、家事や外出の機会が減少している。
長期目標の文例
腰部への負担に配慮しながら立位や移動能力を維持し、簡単な調理を継続できる。
安定した姿勢で日常生活動作を行い、自宅での生活を継続できる。
体調に合わせて活動と休息を調整しながら、家事や外出など本人が希望する活動を続けることができる。
短期目標の文例
身体の使い方を意識しながら、安定して椅子から立ち上がることができる。
安定した座位・立位姿勢を保ちながら、無理なく日常活動に参加できる。
休憩を取りながら立位や歩行を継続し、家事に必要な活動量を維持できる。
個別機能訓練の内容
座位や立位で体幹を安定させる運動を行い、姿勢保持能力の維持・向上を図る。
椅子からの立ち上がり動作を反復し、下肢と体幹を協調して使用する動作能力の維持を図る。
支持物を活用した立位での重心移動や物品操作を行い、家事動作に必要な立位バランスの維持を図る。
本人の体調に合わせて歩行や立位活動を行い、家事や外出に必要な持久力の維持を図る。
訓練実施時の留意点
腰痛の程度や痛みが生じる動作、疲労状態を確認し、症状を増悪させない範囲で訓練を実施する。
無理な体幹運動や過度な負荷を避け、本人の状態に応じて姿勢、回数、休憩時間を調整する。
評価・モニタリングの文例
立ち上がり動作は以前より円滑となり、立位姿勢も安定している。腰痛の状態を確認しながら、家事動作につながる立位訓練を継続する。
立位活動後に軽度の疲労はみられるが、休憩を取りながら活動を継続できている。体調に合わせて活動時間を調整し、持久力の維持を図る。
腰痛に大きな変化はないが、現在の歩行能力と家事動作は維持できている。活動量低下を予防するため、体幹・立位・歩行訓練を継続する。
腰痛・体幹機能低下の個別機能訓練で意識したいこと
腰痛がある利用者の個別機能訓練では、「腰痛をなくすこと」だけを目標にせず、痛みがあっても本人がどのような生活を続けたいのかを考えることが重要です。姿勢や体幹機能、立ち上がり、立位、歩行などを確認し、調理や掃除、外出など具体的な生活動作につなげます。また、疼痛が強くなる場合や症状に変化がみられる場合には、無理に訓練を継続せず、必要に応じて医療職や関係職種と情報を共有することも大切です。
まとめ
腰痛・体幹機能低下がみられる利用者の個別機能訓練計画書では、疼痛だけでなく、姿勢、立ち上がり、立位、歩行など生活上の動作を具体的に把握することが重要です。本人が続けたい家事や外出から目標を設定し、体幹機能や動作能力、持久力に必要な訓練を組み合わせることで、実生活に活かせる個別機能訓練計画書になります。


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