ケアプラン文例【認知症・服薬管理】|飲み忘れ・重複服用がある場合の第1表・第2表の記入例

認知症のある利用者では、薬を飲んだことを忘れて再度服用しようとしたり、反対に飲み忘れたりすることがあります。服薬管理が難しくなっていても、本人が「薬くらい自分で管理できる」と考えている場合もあり、支援方法によっては自尊心を傷つけてしまうことがあります。

ここでは、認知症により服薬忘れや重複服用の心配がある利用者を例に、本人の自己管理への思いを尊重しながら、安全な服薬につなげる第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。

この記事が参考になるケース

  • 認知症があり服薬を忘れることがある
  • 薬を飲んだことを忘れて再度服用しようとすることがある
  • 本人は自分で服薬管理したいという思いが強い
  • 家族が薬の残数や飲み忘れを確認している
  • 独居または日中一人になる時間が長い
  • 複数の医療機関を受診している
  • 訪問介護・訪問看護・薬剤師等との連携を検討している

担当ケースに近い部分を選び、本人の認知機能、服薬内容、家族状況、支援体制に合わせて調整してください。

※文例はそのまま使用するのではなく、実際の服薬状況や本人の理解力、主治医・薬剤師等の指示、家族の支援状況に合わせて調整してください。

利用者像の例

  • 81歳・男性・要介護1
  • 妻と二人暮らし
  • アルツハイマー型認知症
  • 高血圧、糖尿病あり
  • 屋内外の移動、食事、更衣、排泄は概ね自立
  • 以前から自分で薬を管理してきた
  • 最近は薬を飲んだことを忘れ、「まだ飲んでいない」と話すことがある
  • 薬の残数が合わないことが時々みられる
  • 妻が服薬を確認しようとすると「自分でできる」と不機嫌になることがある
  • 通所介護週2回、訪問介護週2回利用
  • 本人はできる限り自分で身の回りのことを続けたいと希望している

本人・家族の意向の文例

本人の意向

おすすめ文例|自己管理への思いが強い場合

薬は今までずっと自分で飲んできたので、できることはこれからも自分で続けたい。何でも人に管理されるのは嫌だ。

別の表現①|飲み忘れへの不安も感じている場合

最近は薬を飲んだか分からなくなることがあるので少し心配だが、自分でできるところは続けながら手伝ってもらいたい。

別の表現②|家族への負担を気にしている場合

妻に毎回確認してもらうのは申し訳ない。自分でも分かりやすい方法で薬を飲めるようにしたい。

家族の意向

おすすめ文例|安全な服薬を希望する場合

本人が自分でやりたいという気持ちは尊重したいが、薬を二度飲んでしまわないか心配している。本人が嫌な気持ちにならず、安全に薬を飲める方法を考えてほしい。

別の表現|家族の確認負担が大きい場合

毎回薬を飲んだか確認することが負担になってきている。家族だけで管理するのではなく、介護や医療の支援も受けながら安心して服薬を続けてほしい。

第1表の文例

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果

おすすめ文例

本人は長年、自身で服薬を管理してきた経験があり、「自分のことは自分で行いたい」という思いが強い。現在も基本的な生活動作は概ね自立している一方、認知症による記憶力の低下から、服薬したことを忘れて再度服用しようとすることや、薬の残数が合わないことがみられている。妻が確認すると管理されているように感じ、不機嫌になることもある。本人の自己管理への思いを尊重しながら、本人自身が服薬状況を確認しやすい方法を取り入れ、家族や介護・医療関係者が必要な範囲で確認することで、安全な服薬を継続できる体制を整える必要がある。

別の表現|家族負担も重視する場合

本人は自分で服薬を続けたいという意向があるが、認知機能の低下により飲み忘れや重複服用の可能性がみられている。妻が日常的に服薬状況を確認しているものの、本人が確認を嫌がることもあり、夫婦間の負担につながっている。本人ができる部分は継続しつつ、分かりやすい服薬方法や確認体制を整え、家族だけに管理負担を集中させないよう、必要に応じて主治医・薬剤師・介護サービス等と連携して支援する必要がある。

総合的な援助の方針

おすすめ文例

本人の自己管理への思いや現在できていることを尊重しながら、安全に服薬を継続できるよう支援する。本人が薬を飲んだか確認しやすい方法を取り入れ、家族や訪問時の支援者が必要に応じて服薬状況を確認する。飲み忘れや重複服用が続く場合には、主治医や薬剤師等と情報を共有し、本人にとって無理のない服薬管理方法を検討する。家族だけに確認の負担が集中しないよう関係職種で役割を分担し、本人の健康と在宅生活の継続を支える。

別の表現|短めにまとめたい場合

本人が自分でできることを大切にしながら、飲み忘れや重複服用を防ぎ、安全に服薬を継続できるよう支援する。家族・介護サービス・医療関係者で服薬状況を共有し、本人に合った管理方法を検討する。

第2表の文例

服薬管理では、「薬を忘れず飲む」だけを目標にするのではなく、本人が体調を保ちながら安心して生活を続けることを生活目標として考えます。

課題① 自分でできることを続けながら安全に薬を飲みたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

自分でできることは続けながら、薬を飲み忘れたり二度飲んだりせず、安全に服薬したい。

ニーズの別表現|本人の自立意欲を強く出す場合

人にすべて管理されるのではなく、自分でも確認できる方法を使いながら薬をきちんと飲みたい。

長期目標

本人に合った方法で安全に服薬を継続し、体調を安定させて在宅生活を送ることができる。

短期目標

本人が分かりやすい服薬方法を利用し、必要な確認を受けながら飲み忘れや重複服用を減らすことができる。

サービス内容

本人が服薬状況を確認しやすい方法を取り入れ、訪問時に薬の残数や服薬状況を確認する。本人の自尊心に配慮し、できる部分は本人に任せながら必要な部分のみ支援する。

課題② 薬を適切に使用し体調を安定させたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

薬を安全に使用し、体調を崩さず元気に自宅で生活したい。

長期目標

服薬状況と体調が適切に確認され、健康状態を保ちながら生活を継続できる。

短期目標

服薬状況や体調の変化が家族・支援者に把握され、必要時に医療関係者へ相談できる。

サービス内容

訪問時や通所利用時に体調を確認し、服薬状況に気になる点や体調変化がみられた場合は、家族・ケアマネジャー・主治医・薬剤師等で情報を共有する。

課題③ 家族と穏やかな関係を保ちながら薬を管理したい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

薬のことで家族と言い合いにならず、お互いに安心して生活したい。

長期目標

服薬管理の負担を家族と関係職種で分担し、本人と家族が穏やかな関係を保ちながら在宅生活を継続できる。

短期目標

家族が毎回服薬を確認する負担が軽減し、本人への声かけ方法を関係者で共有できる。

サービス内容

本人が受け入れやすい服薬確認の方法や声かけを家族と支援者で共有する。家族だけに服薬管理を任せず、サービス利用時にも状況を確認し、必要に応じて支援方法を見直す。

課題④ できるだけ今までと同じ生活を続けたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

体調を整え、自分でできることを続けながら、これまでと同じように自宅で生活したい。

長期目標

体調を安定させ、自分で行える生活動作を維持しながら、安心して在宅生活を継続できる。

短期目標

服薬と生活リズムが整い、食事・外出・身の回りのことなど現在行えている活動を継続できる。

サービス内容

服薬状況と日常生活の様子を確認しながら、本人が自分で行えている生活動作や外出等を継続できるよう見守りと必要な支援を行う。

第2表の完成イメージ

上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。

※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標 サービス内容
自分でできることを続けながら、安全に薬を飲みたい。 本人に合った方法で服薬を継続し、体調を安定させて在宅生活を送ることができる。 必要な確認を受けながら、飲み忘れや重複服用を減らすことができる。 本人が確認しやすい方法を取り入れ、薬の残数や服薬状況を確認する。
薬を適切に使用し、体調を崩さず元気に生活したい。 服薬状況と体調が適切に確認され、健康状態を保って生活できる。 体調変化が把握され、必要時に医療関係者へ相談できる。 体調・服薬状況を確認し、必要時に主治医・薬剤師等と情報共有する。
薬のことで家族と言い合いにならず、安心して生活したい。 管理負担を分担し、本人と家族が穏やかな関係を保ちながら生活できる。 家族の確認負担が軽減し、支援方法を関係者で共有できる。 本人が受け入れやすい確認方法を家族・支援者で共有する。
体調を整え、自分でできることを続けながら、自宅で生活したい。 体調を安定させ、自分で行える生活動作を維持しながら在宅生活を継続できる。 服薬と生活リズムが整い、現在行えている活動を継続できる。 服薬状況と生活状態を確認しながら、本人の活動を支援する。

認知症・服薬管理のケアプランで意識したいポイント

「飲めているか」だけでなく管理の過程を見る

結果的に薬を飲めていても、本人が何度も薬を確認していたり、家族が毎回声をかけていたりする場合があります。誰が準備し、誰が確認し、本人がどこまで自分で行えているのかを整理することが重要です。

本人の「自分でやりたい」を大切にする

長年自分で服薬してきた利用者にとって、突然すべてを家族に管理されることは自尊心を損なう場合があります。安全性を確認しながら、本人が確認できる部分や行える手順を残し、必要なところだけ支援します。

飲み忘れと重複服用を分けて考える

「薬の管理ができない」とまとめるのではなく、飲み忘れが多いのか、飲んだことを忘れて再度服用しようとするのか、薬の準備そのものが難しいのかを整理します。困っている場面によって必要な支援方法は変わります。

介護と医療で情報を共有する

服薬内容や管理方法の変更が必要な場合には、ケアマネジャーや介護職だけで判断せず、主治医や薬剤師など医療関係者と状況を共有します。介護現場で確認できた飲み忘れや残薬、本人の反応などを具体的に伝えることが連携につながります。

家族だけに管理責任を集中させない

家族が朝・昼・夕すべての服薬を確認し続けることが負担になる場合があります。本人の生活状況に応じて、訪問サービスや医療職などとも役割を共有し、家族が無理なく関われる体制を検討します。

文例を使うときのポイント

  • 飲み忘れ・重複服用・準備困難など具体的な課題を整理する
  • 本人が現在どこまで自分で管理できているか確認する
  • 自己管理への思いや自尊心に配慮する
  • 家族がどの程度服薬管理を担っているか確認する
  • 服薬状況だけでなく体調変化も確認する
  • 必要に応じて主治医・薬剤師等と情報を共有する
  • 家族だけに服薬管理の負担を集中させない

まとめ

認知症のある利用者の服薬管理では、単に「薬を管理してもらう」という支援ではなく、本人がどこまで自分で行えているのか、どの場面で困難が生じているのかを整理することが大切です。

本人の自分で管理したいという思いを尊重しながら、飲み忘れや重複服用を防ぐ方法を整え、家族・介護サービス・医療関係者が必要な情報を共有することで、安全な服薬と本人らしい在宅生活の両立につながります。

関連するケアプラン文例

  • ケアプラン文例【認知症・夫婦二人暮らし】
  • ケアプラン文例【認知症・独居】
  • ケアプラン文例【認知症・老老介護】
  • ケアプラン文例【認知症・デイサービス拒否】
  • ケアプラン文例【認知症・入浴拒否】

認知症のケアプラン文例一覧へ戻る

コメント

タイトルとURLをコピーしました