ケアプラン文例【パーキンソン病・オンオフ】|服薬時間で動きにくさに波がある場合の第1表・第2表の記入例

パーキンソン病のある利用者では、一日の中でも動きやすい時間と動きにくい時間がみられることがあります。朝は体が動きにくい、次の服薬時間が近づくと歩幅が小さくなる、服薬後は比較的動きやすくなるなど、生活動作が時間帯によって大きく変化する場合があります。

こうしたケースでは、「できる・できない」だけで評価すると本人の実際の生活能力を捉えにくくなります。いつ、どのような動作が行いやすいのかを把握し、活動する時間や支援方法を調整する視点が重要です。

ここでは、パーキンソン病があり、服薬時間や時間帯によって動きやすさに波がみられる利用者を例に、第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。

この記事が参考になるケース

  • パーキンソン病があり一日の中で動きやすさが変わる
  • 朝や服薬前に動作が遅くなる
  • 服薬後は比較的動きやすい時間がある
  • 歩行や立ち上がりの状態に時間帯による差がある
  • 動きにくい時間に家族の介助量が増える
  • 服薬時間の管理に支援が必要になっている
  • 動きやすい時間を活用してADLや外出を続けたい

担当ケースに近い部分を選び、実際の服薬内容、本人が動きやすい時間帯、生活リズム、ADL、本人・家族の希望などに合わせて調整してください。

※服薬量・服薬時間・薬の種類等を介護職や家族の判断だけで変更しないことが重要です。動きやすさや症状の変化を記録し、気になる変化がある場合には主治医・薬剤師等へ相談してください。

利用者像の例

  • 75歳・女性・要介護2
  • 夫と二人暮らし
  • パーキンソン病
  • 食事・排泄は概ね自立
  • 更衣や入浴は時間帯により一部介助が必要
  • 朝は体が動きにくく、起床後の身支度に時間がかかる
  • 服薬後は比較的動きやすくなり、自分で家事を行える時間がある
  • 次の服薬時間が近づくと歩幅が小さくなり、立ち上がりにも時間がかかることがある
  • 本人は動ける時間には自分で洗濯物を畳んだり簡単な調理をしたりしている
  • 以前は夫と近所へ買い物に出かけていた
  • 夫は動きにくい時間を見ると心配になり、先回りして介助することが多い
  • 本人は「調子の良い時間なら自分でできる」と話している
  • 通所介護週2回利用

本人・家族の意向の文例

本人の意向

おすすめ文例|動ける時間を活かしたい場合

体が動きにくい時間もあるが、調子の良い時間には自分でできることがあるので、家事や身の回りのことをできるだけ続けたい。

別の表現①|外出を続けたい場合

動きやすい時間を選んで、夫と買い物に行ったり外へ出たりする生活を続けたい。

別の表現②|自分のペースを重視する場合

動き出すまで時間がかかることがあるので、急かされず自分のペースで動きたい。

家族の意向

おすすめ文例|状態の波への対応を知りたい場合

動けるときと動けないときの差があり、どこまで手伝えばよいか迷う。本人ができることは続けてもらいながら、安全に支えたい。

別の表現|夫婦生活を続けたい場合

薬や体調とうまく付き合いながら、二人で買い物や外出を続け、今の生活をできるだけ長く続けたい。

第1表の文例

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果

おすすめ文例

本人は夫と住み慣れた自宅で生活を続け、調子の良い時間には家事や身の回りのことを自分で行いたいと希望している。パーキンソン病により一日の中で動作状態に差があり、朝や次の服薬時間が近づいた頃には立ち上がりや歩行に時間を要する一方、比較的動きやすい時間には更衣や簡単な家事等を自ら行えている。夫は動きにくい状態を見ると転倒等を心配して先回りして介助することが増えているが、本人は「動けるときには自分で行いたい」と話している。本人の動作状態を一律に評価せず、服薬時間、活動内容、動きやすさ等の関係を把握し、本人が能力を発揮しやすい時間帯に身支度や家事、外出等を行えるよう生活を整える必要がある。また、症状の変化について関係者で共有し、必要に応じて医療職と連携しながら安全な在宅生活を支援する必要がある。

別の表現|ADLの変動を重視する場合

本人は時間帯により移動や更衣等に介助を要することがあるが、常に介助が必要な状態ではなく、動きやすい時間には多くの生活動作を自ら行えている。動きにくい時間だけを基準として過介助にならないよう、本人の一日の状態変化を把握し、本人が行える動作は自ら継続できるよう支援する必要がある。服薬状況と動作状態について継続的に確認し、状態変化がある場合には医療職との情報共有につなげる。

総合的な援助の方針

おすすめ文例

本人の服薬時間や一日の動作状態を把握し、比較的動きやすい時間帯を活用して本人自身による身支度、家事、外出等を継続できるよう支援する。動作が緩慢な時間には本人を急かさず、安全を確認しながら必要な部分のみ介助する。服薬状況、歩行、立ち上がり、日常生活動作等の変化を継続して確認し、本人・家族・関係職種で共有する。症状の変化や薬効に関する気になる状況がみられた場合には、本人・家族から主治医・薬剤師等へ相談できるよう支援する。

別の表現|短めにまとめたい場合

一日の動きやすさの変化を把握し、本人が能力を発揮しやすい時間帯を活用して生活動作や外出を継続できるよう支援する。動きにくい時間には必要な介助を行い、服薬状況と症状の変化を関係者で共有しながら安全な生活を支える。

第2表の文例

時間帯によって動作状態に差がある場合には、「いつでも同じように動けること」を目標にせず、本人が動きやすい時間を活用しながら必要な生活動作や活動を続けられることを目標として考えます。

課題① 動きやすい時間には自分でできることを続けたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

体が動きやすい時間には、自分でできる身支度や家事をこれからも続けたい。

ニーズの別表現|自立を重視する場合

調子が良いときまで介助してもらわず、自分の力を使って生活したい。

長期目標

動きやすい時間帯を活用し、本人が現在行えている生活動作や役割を継続できる。

短期目標

一日の中で本人が比較的動きやすい時間を把握し、その時間に身支度や家事等を行うことができる。

サービス内容

一日の動作状態を確認し、本人が動きやすい時間帯には自分で行える生活動作を見守る。本人の動作を急かさず、必要な部分のみ支援する。

課題② 決められた服薬を続けながら体調を整えたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

薬を決められた方法で続け、自分の体の状態を整えながら生活したい。

長期目標

処方された服薬を継続し、症状の変化を確認しながら安定した在宅生活を送ることができる。

短期目標

決められた服薬時間を確認し、本人・家族が服薬状況とその前後の動作状態を把握できる。

サービス内容

処方内容に沿って服薬状況を確認し、服薬時間の前後における歩行、立ち上がり、生活動作等の状態を観察する。気になる変化について本人・家族と共有し、必要時は医療職への相談につなげる。

課題③ 動きにくい時間も慌てず安全に過ごしたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

体が動きにくいときも急かされず、転ばないよう自分のペースで安全に過ごしたい。

長期目標

動作状態に波があっても、その時の状態に合った支援を受けながら安全に生活できる。

短期目標

動きにくい時間には無理に急いで動かず、必要な見守りや介助を受けながら安全に移動できる。

サービス内容

動作が緩慢な場合には十分な時間を確保し、本人を急かさず見守る。立ち上がりや移動が不安定な場合には、その時の状態に応じて必要な支援を行う。

課題④ 夫と買い物や外出を続けたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

体の調子に合わせながら、夫と買い物や外出を楽しむ生活を続けたい。

長期目標

本人の体調や動作状態に合わせて外出し、夫婦で楽しみや社会とのつながりを持ち続けることができる。

短期目標

本人が比較的動きやすい時間帯を選び、無理のない範囲で外出することができる。

サービス内容

本人の動作状態や疲労を確認し、比較的動きやすい時間帯を活用して外出や活動を行えるよう支援する。外出後の疲労等についても確認し、活動量を調整する。

第2表の完成イメージ

上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。

※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標 サービス内容
動きやすい時間には、自分でできる身支度や家事を続けたい。 動きやすい時間を活用し、現在行えている生活動作や役割を継続できる。 本人が比較的動きやすい時間を把握し、その時間に生活動作を行える。 動作状態を確認し、できる生活動作は本人自身で行えるよう見守る。
薬を決められた方法で続け、体の状態を整えながら生活したい。 処方された服薬を継続し、症状の変化を確認しながら生活できる。 服薬状況とその前後の動作状態を本人・家族が確認できる。 服薬状況と歩行・立ち上がり・ADL等の変化を確認し、必要時に医療職へ相談する。
体が動きにくいときも急かされず、安全に過ごしたい。 動作状態に波があっても、その時の状態に合った支援で安全に生活できる。 動きにくい時間には必要な見守り・介助を受け、安全に移動できる。 十分な時間を確保し、状態に応じた見守り・介助を行う。
体の調子に合わせながら、夫と買い物や外出を楽しみたい。 体調に合わせて外出し、夫婦で楽しみや社会とのつながりを維持できる。 比較的動きやすい時間を選び、無理のない範囲で外出できる。 動作状態と疲労を確認し、外出しやすい時間帯や活動量を調整する。

パーキンソン病・動きやすさに波がある場合のケアプランで意識したいポイント

一度の評価だけで「できない」と判断しない

朝には介助が必要でも、別の時間帯には自分で更衣や歩行ができる場合があります。モニタリングでは「何ができたか」だけでなく、「何時頃・どのような状態でできたか」も確認します。

服薬と生活動作を一緒に見る

服薬時間だけを記録するのではなく、その前後で歩行、立ち上がり、更衣、食事等がどのように変化するかを確認すると、本人が生活しやすい時間帯を把握しやすくなります。

介護側の都合だけで生活時間を決めない

支援者の時間に合わせて入浴や外出を行うのではなく、可能な範囲で本人が動きやすい時間を活用することで、本人自身で行える動作を増やせる場合があります。

動作が遅いことと「できないこと」を区別する

時間がかかっても本人自身で行える動作であれば、すぐに介助へ移らず待つことも重要です。十分な時間を確保すること自体が自立支援になる場合があります。

薬を介護側の判断で調整しない

動きにくさがみられても、服薬量や時間を支援者の判断だけで変更することは避けます。「何時頃から動きにくくなる」「服薬後どの程度で動きやすくなる」など具体的な情報を整理し、医療職へ伝えることが重要です。

本人の生活に合わせて活動時間を考える

本人にとって重要なのは「オンの時間を作ること」そのものではなく、その時間を使って何をしたいのかです。家事、入浴、買い物、散歩など本人が続けたい生活活動につなげて考えます。

家族にも状態の波を理解してもらう

動きにくい姿だけを見て「もう一人では何もできない」と考えると過介助につながります。本人が動ける時間と支援が必要な時間の両方を家族と共有することが重要です。

文例を使うときのポイント

  • 動きやすい時間と動きにくい時間を把握する
  • 服薬前後の歩行・立ち上がり・ADLを確認する
  • 本人が自分で行える時間帯を生活に活用する
  • 動作が遅くても必要以上に介助しない
  • 本人を急かさず十分な時間を確保する
  • 外出や入浴等の時間を本人の状態に合わせる
  • 服薬の調整は医療職へ相談する
  • 本人・家族・関係職種で状態変化を共有する

まとめ

パーキンソン病によって一日の中で動きやすさに波がある場合、ある一時点だけを見て本人の能力を判断しないことが重要です。

服薬時間や時間帯と、歩行・立ち上がり・更衣・家事等の生活動作との関係を確認することで、本人が能力を発揮しやすい時間を生活に活用できます。

動きにくい時間には安全を確保しながら必要な支援を行い、動きやすい時間には本人自身で行える活動を残すことで、パーキンソン病があっても本人らしい生活を続けられるケアプランにつながります。

関連するケアプラン文例

  • ケアプラン文例【パーキンソン病・すくみ足】
  • 個別機能訓練計画書【パーキンソン病】
  • 通所介護計画書【パーキンソン病】

パーキンソン病のケアプラン文例一覧へ戻る

コメント

タイトルとURLをコピーしました