脳梗塞後遺症で下肢装具を使用する利用者では、装具と靴の着脱に時間がかかり、家族が全て装着することがあります。
装具を一人で完成できるかだけでなく、向きの確認、足を入れる、ベルトを留める、異常を伝える工程を評価することが重要です。
ここでは、色の目印で装具の向きを確認し、右手で二本のベルトを留めて散歩の準備をしたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 朝に妻と近所を散歩することを楽しみにしている
- 背もたれ椅子で足元へ手を伸ばせる
- 装具の内側に赤い目印があると左右と向きを確認できる
- 右手で左足を装具へ入れられる
- 下側二本の面ファスナーは自分で留められる
- 上側ベルトと靴ひもの最終確認は妻の支援を要する
- 足の赤みや痛みを言葉で伝えられる
- 本人は装着へ参加したい
- 妻は最終確認だけ行いたい
装具の適合、向き、足の入れ方、ベルト、靴、皮膚状態、本人ができる工程を専門職の指示に沿って確認してください。
※装具の調整や使用方法は医療・リハビリテーション・義肢装具等の専門職の指示に従い、痛みや皮膚損傷時は使用を中止して相談してください。
利用者像の例
- 76歳・男性・要介護2
- 妻と二人暮らし
- 脳梗塞後遺症による左片麻痺があり短下肢装具を使用
- 朝に妻と近所を散歩することを楽しみにしている
- 背もたれ椅子で足元へ手を伸ばせる
- 装具の内側に赤い目印があると左右と向きを確認できる
- 右手で左足を装具へ入れられる
- 下側二本の面ファスナーは自分で留められる
- 上側ベルトと靴ひもの最終確認は妻の支援を要する
- 足の赤みや痛みを言葉で伝えられる
- 本人は装着へ参加したい
- 妻は最終確認だけ行いたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
赤い印を見れば向きが分かり、下のベルトは留められるので、散歩の準備に自分で参加したい。
家族の意向
おすすめ文例
最初から装着せず、本人が足を入れてベルトを留めるのを待ち、上側と皮膚だけ確認したい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は妻と暮らし、下肢装具を使って朝の散歩を続けるため、装着できる工程へ自分で参加したいと希望している。
背もたれ椅子で足元へ手を伸ばし、赤い目印で装具の向きを確認し、右手で左足を入れられる。
下側二本の面ファスナーは留められるが、上側ベルトと靴ひもの最終確認には妻の支援を要する。
専門職から示された装着方法を守り、本人の工程を待ち、妻は最終確認と皮膚観察のみ支援する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が装具の向きを確認し、足を入れ、ベルトを留める力を活かして外出準備へ参加できるよう支援する。背もたれ椅子と足台を整え、赤い目印を確認して専門職から示された順序で装着する。妻は本人の動作後に上側ベルト、靴、皮膚状態を確認し、痛みや赤みがある場合は使用を中止して専門職へ相談する。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人が装具と靴を正しい手順で着け、外出準備を進められるよう支援する。座位や道具の配置を整え、安全を確認しながら難しい部分だけを補う。
第2表の文例
装具を一人で完全装着することではなく、本人ができる工程を行い、必要な最終確認を受けて散歩へ出られることを目標にします。
課題① 装具の向きを確認し、自分で左足を入れたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
装具の向きを確認し、自分で左足を入れたい。
長期目標
本人が装着準備へ主体的に参加できる。
短期目標
赤い目印を内側に向け、右手で左足を装具へ入れられる。
サービス内容
装具と椅子を定位置へ置き、本人が向きと踵位置を確認する時間を待つ。
課題② できるベルトは右手で自分で留めたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
できるベルトは右手で自分で留めたい。
長期目標
装着工程の一部を継続できる。
短期目標
下側二本の面ファスナーを決めた順で留められる。
サービス内容
ベルト端へ大きなつまみを付け、妻は上側のみ本人の依頼後に補助する。
課題③ 装着後の皮膚を確認し、妻と散歩へ行きたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
装着後の皮膚を確認し、妻と散歩へ行きたい。
長期目標
装具を安全に使用して外出を継続できる。
短期目標
赤みや痛みを妻へ伝え、問題がない日に近所を散歩できる。
サービス内容
装着前後に皮膚を本人・妻で確認し、異常時は使用を中止して専門職へ連絡する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 装具の向きを確認し、自分で左足を入れたい。 | 本人が装着準備へ主体的に参加できる。 | 赤い目印を内側に向け、右手で左足を装具へ入れられる。 | 装具と椅子を定位置へ置き、本人が向きと踵位置を確認する時間を待つ。 |
| できるベルトは右手で自分で留めたい。 | 装着工程の一部を継続できる。 | 下側二本の面ファスナーを決めた順で留められる。 | ベルト端へ大きなつまみを付け、妻は上側のみ本人の依頼後に補助する。 |
| 装着後の皮膚を確認し、妻と散歩へ行きたい。 | 装具を安全に使用して外出を継続できる。 | 赤みや痛みを妻へ伝え、問題がない日に近所を散歩できる。 | 装着前後に皮膚を本人・妻で確認し、異常時は使用を中止して専門職へ連絡する。 |
脳梗塞後遺症・下肢装具のケアプランで意識したいポイント
装着工程を分ける
向き、足入れ、ベルト、靴、皮膚確認ごとに本人ができる動作を評価します。
専門職の方法を統一する
家族や事業所が独自の装着方法へ変えず、共有された手順を用います。
皮膚状態を本人と確認する
痛みや赤みの感じ方を聞き、見える範囲は本人も確認できるようにします。
文例を使うときのポイント
- 装具の最新適合を確認する
- 安定した椅子と足台を使う
- 向きの目印を本人と決める
- ベルト操作を工程ごとに見る
- 皮膚異常時の相談方法を共有する
まとめ
下肢装具の着脱では、向き、足入れ、ベルト、靴、皮膚確認を工程ごとに評価します。
本人ができる工程を行い、妻が最終確認することで、朝の散歩へ主体的に準備できます。
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