脳梗塞後遺症による片麻痺がある利用者では、掃除機の操作や立位が難しくなり、家事の役割を全て家族へ譲ることがあります。
掃除を準備、床拭き、片付け、ごみ処理に分け、座位と非麻痺側でできる工程を確認することが重要です。
ここでは、右手で柄の短いワイパーを使い、座って食卓周りを拭く役割を続けたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 来客前に食卓を整えることを大切にしてきた
- 背もたれ椅子で二十分座位を保てる
- 右手で柄の短いワイパーを操作できる
- 机上のパンくずを手前へ集められる
- 床の掃除機と重い物の移動は夫が行う
- ごみ袋の口を右手で持って夫へ渡せる
- 本人は食卓周りを自分で整えたい
- 夫は床掃除と片付けを担当したい
掃除を工程に分け、座位、道具の重さ、片手操作、動線、疲労、本人が整えたい場所を確認してください。
※麻痺側の痛みやふらつきが増える場合は作業を中止し、必要に応じて専門職へ相談してください。
利用者像の例
- 69歳・女性・要介護2
- 夫と二人暮らし
- 脳梗塞後遺症による左片麻痺がある
- 来客前に食卓を整えることを大切にしてきた
- 背もたれ椅子で二十分座位を保てる
- 右手で柄の短いワイパーを操作できる
- 机上のパンくずを手前へ集められる
- 床の掃除機と重い物の移動は夫が行う
- ごみ袋の口を右手で持って夫へ渡せる
- 本人は食卓周りを自分で整えたい
- 夫は床掃除と片付けを担当したい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
右手で食卓は拭けるので、来客前の準備を全部夫に任せず、自分の役割を続けたい。
家族の意向
おすすめ文例
床と重い物は私が担当し、本人が食卓を整える時間を急かさず待ちたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は夫と暮らし、来客前に食卓を整える役割を今後も続けたいと希望している。
左片麻痺があるが、背もたれ椅子で座位を保ち、右手で短柄ワイパーを操作して食卓のごみを手前へ集められる。
床の掃除機と重い物の移動は難しいが、ごみ袋を右手で持って夫へ渡せる。
本人は食卓清掃、夫は床と重量物を担当し、二十分以内で疲労を確認する分担が必要である。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が右手と座位を使って食卓を整える力を活かし、来客準備の役割を継続できるよう支援する。椅子と短柄ワイパーを準備し、机上の物を減らして右手で届く範囲から作業する。夫は床掃除と重い物を担い、本人の作業後に一緒に仕上がりを確認する。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人が片手で行える掃除を続け、家庭での役割を保てるよう道具と方法を工夫する。疲労や転倒に注意し、負担の大きい作業のみ支援する。
第2表の文例
家全体を掃除することではなく、本人が安全に食卓を整え、来客を迎える役割を続けられることを目標にします。
課題① 右手で食卓を拭き、自分で整えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
右手で食卓を拭き、自分で整えたい。
長期目標
座位と片手で食卓清掃を継続できる。
短期目標
短柄ワイパーで食卓のごみを手前へ集められる。
サービス内容
背もたれ椅子と道具を右側へ置き、本人の手順で十五分程度作業する。
課題② 夫と工程を分け、安全に掃除したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
夫と工程を分け、安全に掃除したい。
長期目標
夫婦が互いの役割を理解して家事を続けられる。
短期目標
本人は食卓、夫は床と重量物を担当できる。
サービス内容
来客前日に役割を確認し、夫は本人の作業を先取りせず、終了後に床掃除を行う。
課題③ 食卓を整え、友人を自宅へ迎えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
食卓を整え、友人を自宅へ迎えたい。
長期目標
家庭内役割と友人交流を継続できる。
短期目標
月二回、本人が整えた食卓で友人とお茶を楽しめる。
サービス内容
作業日と来客日を分け、当日の疲労を減らし、本人が茶器を選べるようにする。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 右手で食卓を拭き、自分で整えたい。 | 座位と片手で食卓清掃を継続できる。 | 短柄ワイパーで食卓のごみを手前へ集められる。 | 背もたれ椅子と道具を右側へ置き、本人の手順で十五分程度作業する。 |
| 夫と工程を分け、安全に掃除したい。 | 夫婦が互いの役割を理解して家事を続けられる。 | 本人は食卓、夫は床と重量物を担当できる。 | 来客前日に役割を確認し、夫は本人の作業を先取りせず、終了後に床掃除を行う。 |
| 食卓を整え、友人を自宅へ迎えたい。 | 家庭内役割と友人交流を継続できる。 | 月二回、本人が整えた食卓で友人とお茶を楽しめる。 | 作業日と来客日を分け、当日の疲労を減らし、本人が茶器を選べるようにする。 |
脳梗塞後遺症・片麻痺の掃除ケアプランで意識したいポイント
掃除場所を絞る
家全体ではなく、本人が大切にする食卓など具体的な場所を目標にします。
座位と短い道具を活用する
立位や重い掃除機を避けても、机上清掃で役割を保てます。
家族の役割と順番を決める
家族が先に終わらせず、本人の工程後に残りを行います。
文例を使うときのポイント
- 掃除を工程と場所で分ける
- 安定した座位を使う
- 非麻痺側で扱える道具を選ぶ
- 家族の工程を明確にする
- 来客という目的につなげる
まとめ
片麻痺の掃除では、場所と工程を絞り、座位と非麻痺側でできる家事を残します。
夫との分担により、本人が食卓を整え、友人を迎える役割を続けられます。
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