脳梗塞後遺症のある利用者では、乗降や支払いへの不安から、通院を家族送迎だけに頼ることがあります。
単独利用の可否を急いで決めず、停留所までの移動、時刻確認、援助要請、乗降、院内での手続きを段階的に評価することが重要です。
ここでは、杖と交通系カードを使い、運転手へ待ってほしいと伝えながら、まずは妻とバス通院を練習したい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 発症前はバスで通勤・通院していた
- 左手でT字杖を使い停留所まで歩ける
- 大きな時刻表で午前便を確認できる
- 交通系カードを左手で読み取り機へ当てられる
- 運転手へゆっくりお願いしますと伝えられる
- 優先席まで手すりを使って移動できる
- 本人は段階的にバス通院を再開したい
- 妻は同行から始めて見守りを減らしたい
停留所までの経路、待ち時間、乗降、支払い、車内移動、援助要請、通院先での手続き、帰路を段階的に確認してください。
※公共交通の利用は本人の状態と地域の交通環境に合わせ、必要に応じてリハビリテーション等の専門職へ相談してください。
利用者像の例
- 63歳・男性・要介護1
- 妻と二人暮らし
- 脳梗塞後遺症による右片麻痺がある
- 発症前はバスで通勤・通院していた
- 左手でT字杖を使い停留所まで歩ける
- 大きな時刻表で午前便を確認できる
- 交通系カードを左手で読み取り機へ当てられる
- 運転手へゆっくりお願いしますと伝えられる
- 優先席まで手すりを使って移動できる
- 本人は段階的にバス通院を再開したい
- 妻は同行から始めて見守りを減らしたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
杖とカードは使えるので、まず妻とバスで通院し、できる手順を増やしたい。
家族の意向
おすすめ文例
最初は同行し、本人が時刻確認や運転手への声かけを行うのを待ち、段階的に見守りを減らしたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は妻と暮らし、発症前に利用していたバスでの通院を段階的に再開したいと希望している。
右片麻痺があるが、左手で杖を使って停留所まで歩き、時刻表を読み、交通系カードを操作できる。
運転手へ待ってほしいと伝え、手すりを使って優先席へ移動できる。
妻の同行で一連の手順を確認し、本人が行える工程を増やしながら支援範囲を見直す必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が時刻確認、カード操作、援助要請を行う力を活かし、バス通院を段階的に再開できるよう支援する。混雑の少ない午前便を選び、妻同行で停留所から病院までの手順と休憩場所を確認する。一工程ずつ本人が行い、安定した工程は見守りへ移行し、単独利用は本人・家族・専門職で検討する。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人が移動手順や時刻を確認し、安全にバスを利用できるよう準備を支援する。実際の経路で確認を重ね、不安や困難がある場面のみ家族・支援者が補う。
第2表の文例
すぐに一人で通院することではなく、本人ができる手順を確認し、同行支援を段階的に調整できることを目標にします。
課題① 時刻表を確認し、利用するバスを自分で選びたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
時刻表を確認し、利用するバスを自分で選びたい。
長期目標
本人が通院に適した便を確認できる。
短期目標
大きな時刻表で午前便を選び、妻へ出発時刻を伝えられる。
サービス内容
見やすい時刻表を玄関に置き、天候と体調も本人と確認する。
課題② 乗降時に必要な配慮を運転手へ伝えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
乗降時に必要な配慮を運転手へ伝えたい。
長期目標
援助要請を行い安全に乗降できる。
短期目標
乗車時にゆっくりお願いしますと伝え、左手でカードを操作できる。
サービス内容
混雑の少ない便で妻が後方から見守り、本人が運転手へ直接伝える時間を確保する。
課題③ 妻と練習し、できる通院手順を増やしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
妻と練習し、できる通院手順を増やしたい。
長期目標
本人の能力に応じて同行支援を段階的に調整できる。
短期目標
月一回の通院で、停留所から受付まで本人ができた工程を振り返れる。
サービス内容
外出後に本人・妻・支援者で困りごとを記録し、次回の支援範囲を相談する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 時刻表を確認し、利用するバスを自分で選びたい。 | 本人が通院に適した便を確認できる。 | 大きな時刻表で午前便を選び、妻へ出発時刻を伝えられる。 | 見やすい時刻表を玄関に置き、天候と体調も本人と確認する。 |
| 乗降時に必要な配慮を運転手へ伝えたい。 | 援助要請を行い安全に乗降できる。 | 乗車時にゆっくりお願いしますと伝え、左手でカードを操作できる。 | 混雑の少ない便で妻が後方から見守り、本人が運転手へ直接伝える時間を確保する。 |
| 妻と練習し、できる通院手順を増やしたい。 | 本人の能力に応じて同行支援を段階的に調整できる。 | 月一回の通院で、停留所から受付まで本人ができた工程を振り返れる。 | 外出後に本人・妻・支援者で困りごとを記録し、次回の支援範囲を相談する。 |
脳梗塞後遺症・バス利用のケアプランで意識したいポイント
単独利用を急がない
同行で一連の工程を確認し、安全な部分から本人主体へ移します。
援助要請も能力として評価する
運転手へ待ってほしいと伝える力を安全行動として計画にします。
通院全体で見る
バス乗降だけでなく、病院受付と帰路までを確認します。
文例を使うときのポイント
- 停留所までの経路を確認する
- 混雑の少ない便を選ぶ
- カードと杖の操作を確認する
- 運転手への伝え方を決める
- 外出後に工程を振り返る
まとめ
バス通院では、時刻確認、援助要請、乗降、院内手続き、帰路を段階的に評価します。
妻同行から始め、本人ができる工程を増やすことで、安全と移動の主体性を両立できます。
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