脳梗塞後遺症のある就労世代では、身体機能だけでなく、疲労、注意、処理速度、通勤、職場への説明が復職へ影響します。
元の働き方へ直ちに戻すのではなく、本人が得意な業務、必要な休憩、伝えたい配慮、段階的な目標を整理することが重要です。
ここでは、午前中の入力作業とチェック表を使い、週二回・二時間の事務補助から復職を目指したい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 発症前は物流会社で配車表を管理していた
- 左手中心でキーボード入力ができる
- 一項目ずつの入力は正確に行える
- 複数画面を同時に見ると見落としが増える
- 三十分作業し十分休むと再開できる
- 会社は短時間の事務補助を検討している
- 本人は家族と職場に役割を持ちたい
- 妻は焦らず段階的に進めたい
業務能力、注意、疲労、通勤、職場の配慮、本人の希望を確認し、医療・リハビリ・就労支援等と連携してください。
※復職の可否や勤務条件は本人、勤務先、主治医、産業保健・就労支援等の関係者で検討し、ケアマネジャーが単独で判断しないでください。
利用者像の例
- 58歳・男性・要介護1
- 妻と高校生の子どもと同居
- 脳梗塞後遺症による右手の巧緻動作低下と易疲労がある
- 発症前は物流会社で配車表を管理していた
- 左手中心でキーボード入力ができる
- 一項目ずつの入力は正確に行える
- 複数画面を同時に見ると見落としが増える
- 三十分作業し十分休むと再開できる
- 会社は短時間の事務補助を検討している
- 本人は家族と職場に役割を持ちたい
- 妻は焦らず段階的に進めたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
以前と同じ量は難しくても、入力は正確にできるので、短い時間から会社の仕事へ戻りたい。
家族の意向
おすすめ文例
早く元通りになることを求めず、疲れを見ながら週二回から進めてほしい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は妻と子どもと暮らし、物流会社で培った経験を活かし、家族と職場の中で役割を取り戻したいと希望している。
右手の巧緻動作低下があるが、左手中心で一項目ずつの入力は正確に行える。
複数画面では見落としが増える一方、三十分作業し十分休むと再開できる。
本人、勤務先、主治医、就労支援等で業務内容、勤務時間、通勤、休憩を共有し、段階的に検討する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人の正確な入力能力と職業経験を活かし、短時間の事務補助から段階的な復職を目指す。一画面・一項目の業務とチェック表を用い、三十分作業・十分休憩を基本に疲労を記録する。勤務条件と通勤は本人・勤務先・医療・就労支援等で共有し、本人の同意のもと段階的に見直す。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人の集中力や疲労に配慮し、無理のない時間と業務から復職を目指せるよう支援する。本人・職場・関係職種で状態と配慮事項を共有し、段階的に活動を広げる。
第2表の文例
元の勤務量へ戻すことではなく、本人の強みと疲労に合う業務・時間・環境を整え、納得して復職を進められることを目標にします。
課題① 左手とチェック表を使い、正確な入力作業を続けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
左手とチェック表を使い、正確な入力作業を続けたい。
長期目標
本人の強みを活かした事務作業を行える。
短期目標
一画面のデータを三十分、チェック表で確認しながら入力できる。
サービス内容
入力項目を一つずつ表示し、完了欄を設け、複数画面の同時操作を避ける。
課題② 疲労を伝え、決めた時間に休みたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
疲労を伝え、決めた時間に休みたい。
長期目標
過度な疲労を避けて作業を継続できる。
短期目標
三十分ごとに疲労を確認し、十分休憩できる。
サービス内容
本人が感じる頭の重さ等を共有し、職場で休憩を申し出る方法と場所を決める。
課題③ 週二回・二時間から復職を目指したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
週二回・二時間から復職を目指したい。
長期目標
関係者と勤務条件を調整しながら社会参加を再開できる。
短期目標
模擬作業と通勤練習を行い、翌日の疲労を記録できる。
サービス内容
本人・勤務先・主治医・就労支援等で記録を共有し、開始時期と条件を検討する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 左手とチェック表を使い、正確な入力作業を続けたい。 | 本人の強みを活かした事務作業を行える。 | 一画面のデータを三十分、チェック表で確認しながら入力できる。 | 入力項目を一つずつ表示し、完了欄を設け、複数画面の同時操作を避ける。 |
| 疲労を伝え、決めた時間に休みたい。 | 過度な疲労を避けて作業を継続できる。 | 三十分ごとに疲労を確認し、十分休憩できる。 | 本人が感じる頭の重さ等を共有し、職場で休憩を申し出る方法と場所を決める。 |
| 週二回・二時間から復職を目指したい。 | 関係者と勤務条件を調整しながら社会参加を再開できる。 | 模擬作業と通勤練習を行い、翌日の疲労を記録できる。 | 本人・勤務先・主治医・就労支援等で記録を共有し、開始時期と条件を検討する。 |
脳梗塞後遺症・復職のケアプランで意識したいポイント
できる業務を具体化する
職種名だけでなく、一画面の入力など正確に行える作業単位を確認します。
翌日の疲労まで評価する
作業中だけでなく、帰宅後と翌日の回復状況を勤務時間へ反映します。
関係者で条件を決める
ケアマネジャー単独ではなく、本人、職場、医療、就労支援等で検討します。
文例を使うときのポイント
- 得意な業務単位を確認する
- 注意と処理速度を評価する
- 休憩時間と場所を決める
- 通勤の負担を確認する
- 職場・医療・就労支援と連携する
まとめ
脳梗塞後の復職では、業務能力、疲労、注意、通勤、職場配慮を具体的に整理します。
本人の正確な入力能力を活かし、週二回・二時間等の段階的な条件を関係者で検討することが大切です。
関連するケアプラン文例
- ケアプラン文例【脳出血後遺症・易疲労】
- ケアプラン文例【脳梗塞後遺症・記憶障害・予定管理】
- ケアプラン文例【脳梗塞後遺症・公共交通・バス利用】


コメント