終末期の訪問看護では、本人がどこで誰とどのように過ごしたいかを中心に、症状緩和と家族支援を組み立てます。意思は変化し得るものとして繰り返し確認します。
本記事では、自宅で妻と過ごすことを希望する本人と、夜間の急変や判断に不安がある妻を想定します。症状緩和、変わり得る意向の確認、夜間の連絡体制を訪問看護の第1表・第2表の文例に整理します。
この記事が参考になるケース
- 80代男性。進行性疾患で妻と二人暮らし。本人は可能な限り自宅を希望し、妻も支えたい気持ちはあるが夜間の急変を不安に感じている。
- 本人は「できる限り自宅で、妻といつものように過ごしたい。」と希望している。
- 家族は「本人の希望をかなえたいが、苦痛や急変時に一人で判断するのは不安である。」と考えている。
医療的支援は主治医の指示に基づき、状態に応じて訪問看護事業所・関係職種と確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
できる限り自宅で、妻といつものように過ごしたい。
家族の意向
おすすめ文例
本人の希望をかなえたいが、苦痛や急変時に一人で判断するのは不安である。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
80代男性。進行性疾患で妻と二人暮らし。本人は可能な限り自宅を希望し、妻も支えたい気持ちはあるが夜間の急変を不安に感じている。
本人には「できる限り自宅で、妻といつものように過ごしたい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
訪問看護師が主治医の指示に基づき痛み、呼吸苦、倦怠感、意識、食事・水分等を確認し、症状緩和を支援する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が望む場所と過ごし方をその都度確認しながら自宅での時間を大切にできるよう、訪問看護が症状緩和と意思決定を支え、主治医・家族・介護職で24時間の連絡体制と看取りの方針を共有します。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人の苦痛と希望を確かめ、症状緩和と意思決定を支えます。家族・関係職種で夜間の連絡体制と看取りの方針を共有します。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 苦痛を和らげ、望む場所で過ごしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
苦痛を和らげ、望む場所で過ごしたい。
長期目標
本人の価値観に沿って穏やかな療養生活を送れる。
短期目標
苦痛や希望を言葉・表情・しぐさで伝えられる。
サービス内容
訪問看護師が主治医の指示に基づき痛み、呼吸苦、倦怠感、意識、食事・水分等を確認し、症状緩和を支援する。
課題② これからの過ごし方を自分で選びたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
これからの過ごし方を自分で選びたい。
長期目標
本人の意思が尊重され、状態変化に応じて方針を見直せる。
短期目標
本人と家族が希望や迷いを関係職種へ伝えられる。
サービス内容
本人の理解と意思を繰り返し確認し、主治医・ケアマネジャー・家族で療養場所、救急搬送、看取り等の方針を共有する。
課題③ 家族が一人で判断を抱えず本人を支えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
家族が一人で判断を抱えず本人を支えたい。
長期目標
家族が相談と休息を確保し、納得して本人に寄り添える。
短期目標
夜間・急変時の連絡先と対応手順を家族が確認できる。
サービス内容
24時間の連絡方法、予測される変化、ケア方法を説明し、家族の疲労と不安を確認して介護職等と支援を調整する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 苦痛を和らげ、望む場所で過ごしたい。 | 本人の価値観に沿って穏やかな療養生活を送れる。 | 苦痛や希望を言葉・表情・しぐさで伝えられる。 | 訪問看護師が主治医の指示に基づき痛み、呼吸苦、倦怠感、意識、食事・水分等を確認し、症状緩和を支援する。 |
| これからの過ごし方を自分で選びたい。 | 本人の意思が尊重され、状態変化に応じて方針を見直せる。 | 本人と家族が希望や迷いを関係職種へ伝えられる。 | 本人の理解と意思を繰り返し確認し、主治医・ケアマネジャー・家族で療養場所、救急搬送、看取り等の方針を共有する。 |
| 家族が一人で判断を抱えず本人を支えたい。 | 家族が相談と休息を確保し、納得して本人に寄り添える。 | 夜間・急変時の連絡先と対応手順を家族が確認できる。 | 24時間の連絡方法、予測される変化、ケア方法を説明し、家族の疲労と不安を確認して介護職等と支援を調整する。 |
訪問看護のケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
看護の実施自体を目標にせず、本人が自宅で続けたい暮らしや役割を確認します。
医療と生活をつなぐ
本人が自宅で過ごしたい理由と、妻が夜間に不安を感じる場面を別々に確認します。本人が選べる日課や過ごし方は尊重し、症状への対応や医療上の判断はチームで支えます。自宅で過ごせたことだけで評価せず、本人の苦痛、妻の休息、意向の変化を共有できたかを確認します。
変化と連絡方法を共有する
苦痛症状、意識、食事・水分、本人の希望、意思決定、家族の不安・疲労、緊急連絡、主治医・多職種との共有を確認します。
文例を使うときのポイント
- 看取りの場所や救急搬送等の方針を固定せず、本人の意思能力と状態に配慮して繰り返し確認します。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 病状・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
自宅で過ごす希望を固定せず、本人の苦痛と意向の変化を繰り返し確認します。妻が夜間の判断を抱えないよう、連絡先と対応方針を共有します。


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