退院直後は、病院でできていた動作が自宅環境では難しく、食事・排泄・清潔・家事が急に不安定になることがあります。訪問介護を一時的に厚く位置づけ、本人の回復に応じて支援量を見直します。
本記事では、骨折後に退院し、歩行器で移動できるものの調理・掃除・入浴準備が難しい独居の方を想定します。退院直後の生活を整え、実行できた動作に応じて支援を見直す第1表・第2表の文例を紹介します。
この記事が参考になるケース
- 70代男性。骨折後に退院し一人暮らしを再開した。歩行器で移動できるが、調理・掃除・入浴準備が難しく、入院前と同じ生活には戻れていない。
- 本人は「自宅で少しずつ自分の生活を取り戻し、また一人でできることを増やしたい。」と希望している。
- 家族は「退院直後の生活を整え、無理なく自立へつなげてほしい。」と考えている。
サービスの利用可否・提供範囲・医療的支援は、保険者、事業所、主治医等へ確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
自宅で少しずつ自分の生活を取り戻し、また一人でできることを増やしたい。
家族の意向
おすすめ文例
退院直後の生活を整え、無理なく自立へつなげてほしい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
70代男性。骨折後に退院し一人暮らしを再開した。歩行器で移動できるが、調理・掃除・入浴準備が難しく、入院前と同じ生活には戻れていない。
本人には「自宅で少しずつ自分の生活を取り戻し、また一人でできることを増やしたい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
退院時情報を確認し、本人が行える移動・身支度を見守る。食事準備、清潔、家事の難しい工程を計画に沿って支援する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が歩行器で行える移動と簡単な身支度を生かし、退院直後は訪問介護員が食事・清潔・家事の難しい部分を補い、医療・リハビリ職と動作や体調を共有して回復に合わせて支援量を調整し、自分の生活を取り戻せるよう支援します。
別の表現|短めにまとめたい場合
歩行器での移動と身支度を生かし、訪問介護で難しい家事を補います。医療・リハビリ職と回復を共有し、支援量を見直します。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 退院後の自宅で、食事・清潔・排泄を整えて暮らしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
退院後の自宅で、食事・清潔・排泄を整えて暮らしたい。
長期目標
必要な生活支援を受け、体調を安定させて自宅生活を継続できる。
短期目標
訪問介護員と一日の流れを確認し、歩行器で居室・トイレ間を移動できる。
サービス内容
退院時情報を確認し、本人が行える移動・身支度を見守る。食事準備、清潔、家事の難しい工程を計画に沿って支援する。
課題② できる動作を増やし、支援を自分で選びたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
できる動作を増やし、支援を自分で選びたい。
長期目標
回復に応じて本人が行う工程が増え、必要な部分だけ支援を受けられる。
短期目標
本人ができたことと難しかったことを介護員へ伝えられる。
サービス内容
訪問ごとに本人の動作、痛み、疲労を確認し、過介助を避ける。リハビリ職の方法を共有し、支援内容をケアマネジャーへ報告する。
課題③ 体調変化を早めに相談し、再入院を防ぎたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
体調変化を早めに相談し、再入院を防ぎたい。
長期目標
異変時に早期対応を受け、安定した在宅生活を続けられる。
短期目標
痛み、発熱、食欲、転倒等の変化を連絡できる。
サービス内容
生活場面での変化を観察し、本人・家族・訪問看護・主治医等へ決めた手順で連絡する。医療的判断を介護員だけで行わない。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 退院後の自宅で、食事・清潔・排泄を整えて暮らしたい。 | 必要な生活支援を受け、体調を安定させて自宅生活を継続できる。 | 訪問介護員と一日の流れを確認し、歩行器で居室・トイレ間を移動できる。 | 退院時情報を確認し、本人が行える移動・身支度を見守る。食事準備、清潔、家事の難しい工程を計画に沿って支援する。 |
| できる動作を増やし、支援を自分で選びたい。 | 回復に応じて本人が行う工程が増え、必要な部分だけ支援を受けられる。 | 本人ができたことと難しかったことを介護員へ伝えられる。 | 訪問ごとに本人の動作、痛み、疲労を確認し、過介助を避ける。リハビリ職の方法を共有し、支援内容をケアマネジャーへ報告する。 |
| 体調変化を早めに相談し、再入院を防ぎたい。 | 異変時に早期対応を受け、安定した在宅生活を続けられる。 | 痛み、発熱、食欲、転倒等の変化を連絡できる。 | 生活場面での変化を観察し、本人・家族・訪問看護・主治医等へ決めた手順で連絡する。医療的判断を介護員だけで行わない。 |
訪問介護のケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
サービス利用自体を目標にせず、本人が続けたい暮らし、役割、参加を確認します。
本人ができることを生かす
歩行器で移動できても、物を運びながらの家事ができるとは限りません。本人が行う工程と運搬等を補う工程を分け、訪問のない時間にも食事やトイレ移動が成り立っているかを確認します。一度できたことだけで支援を減らさず、継続状況と疲労を見て調整します。
訪問のない時間にも生活できているか確認する
退院時との変化、食事・排泄・清潔、移動、痛み・疲労、本人ができた工程、支援量、再受診を確認します。
文例を使うときのポイント
- 退院直後の支援を固定せず、本人の回復と自宅での実行状況に応じて訪問回数・内容・目標を見直します。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 体調・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
退院後に自宅で実行できる動作を確かめ、食事・清潔・家事の難しい部分を補います。回復に応じて、本人へ戻せる工程と支援量を見直します。


コメント