介護現場の申し送りでは、「何を伝えればよいのか分からない」「話が長くなる」「大事な情報が抜ける」「人によって内容が違う」といった悩みが起こりやすくなります。
申し送りで大切なのは、起きたことをすべて説明することではありません。
次の職員が、安全に同じ支援を続けるために必要な情報を伝えることです。
この記事では、介護の申し送りで伝えるべき内容、短くまとめる方法、よくあるNG例、体調・食事・排泄・転倒・家族連絡などの場面別文例を、実務で使いやすい形で解説します。
介護の申し送りの目的は「次の職員が動けること」
申し送りは、前の勤務者が知っている情報をすべて説明する時間ではありません。
大切なのは、申し送りを受けた職員が「何が起きたのか」「現在どうなっているのか」「次に何を確認すればよいのか」を理解できることです。
申し送りは「事実→対応→現在→次の確認」で整理する
1.何があったか
確認できた事実を簡潔に書きます。
2.どう対応したか
職員が行った対応、看護職や管理者への報告などを書きます。
3.現在どうなっているか
対応後の状態を書きます。
4.次に何を確認するか
次勤務者が行う確認や継続対応を明確にします。
申し送りに書く情報・書かなくてもよい情報
- 体調の変化
- 転倒や事故
- 食事・水分摂取の大きな変化
- 排泄状況の変化
- 服薬に関する注意
- 移動方法や介助方法の変更
- 認知面・精神面の変化
- 家族からの重要な連絡
- 医療職やケアマネ等との連絡事項
- 次勤務者が確認する必要があること
通常どおり実施され、次の勤務に影響しない内容まで詳細に申し送ると、本当に重要な情報が埋もれてしまいます。
介護の申し送り文例
体調変化
食事量の低下
排泄
歩行・転倒リスク
認知・精神面
家族からの連絡
長い申し送りを短くするコツ
申し送りが長くなる原因の一つは、経過を最初から全部説明することです。
「いつもの状態と違う部分」から先に伝え、事実・対応・現在・次の確認に整理すると短くできます。
申し送りで避けたいNG表現
「なんとなく元気がない」
主観だけでは次の職員が状態を判断できません。「会話量が少ない」「昼食摂取量が低下した」など、確認できた事実に置き換えます。
「認知症が進んでいる」
原因を推測せず、「同じ質問を繰り返す場面が増えた」「利用日を確認する場面が増えた」など、実際に確認した行動を書きます。
「注意してください」
「立ち上がり時にふらつきがみられるため、トイレ移動時は付き添いをお願いします」のように、具体的な行動まで伝えます。
「事実」と「職員の解釈」を分ける
「機嫌が悪かった」ではなく、「入浴の声かけに対し『今日は入りたくない』との発言があり、2回の案内後も希望されなかったため本日は中止しています」のように、確認した内容を書くことで、次の職員も状況を判断できます。
口頭の申し送りと記録は役割が違う
急な状態変化など、その場ですぐ共有する必要がある情報は、記録を待たずに口頭で伝える必要があります。
一方で、重要事項は事業所のルールに従って記録にも残し、必要な職員が後から確認できる状態にしておくことが大切です。
良い申し送りはチームの支援をそろえる
申し送りを整える目的は、単に時間を短くすることではありません。
「何があったか」だけでなく、「現在どう対応しているか」「次に何を確認するか」まで共有することで、勤務者が変わっても支援を継続しやすくなります。
申し送りを標準化することは、情報共有だけでなく、職員教育やケアの質の安定にもつながります。
申し送りに時間をかけすぎないために
毎回文章を一から考える必要はありません。
体調・食事・排泄・移動・認知面・服薬・家族連絡・次勤務者への確認事項などから必要な項目だけを選ぶと整理しやすくなります。
介護申し送り整理ツールでは、必要な項目を選択しながら、重要事項・継続確認・次勤務者への申し送りを整理できます。
個人が特定できる情報は入力せず、完成した文章は実際の状況と照らし合わせて確認してください。
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まとめ|申し送りは「短いこと」より「次に動けること」が大切
申し送りは短ければよいわけではありません。
事実→対応→現在の状態→次の確認の順で整理し、次の職員が必要な行動を判断できる状態にすることが大切です。
伝える情報を整理する習慣がつけば、申し送り時間の短縮だけでなく、職員間の情報共有や支援方法の統一にもつながります。
申し送りと連携の振り返り:ケアマネ・家族への報告や計画書との整合は、生活相談員 最終確認ナビで確認できます。


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