ケアマネジャーが主治医や訪問看護師などの医療職へ相談するとき、「何を伝えればよいのか」「どこまで整理してから連絡すればよいのか」と迷うことがあります。
体調に変化があることは分かっていても、医療職へ「最近少し調子が悪くて……」と伝えるだけでは、生活上どのような変化が起きているのか、何を確認したいのかが十分に伝わらない場合があります。
そこで作成したのが、「医療連携 情報整理シート」です。
主治医への照会、受診前の情報整理、訪問看護との連携などで必要な情報を、A4用紙1枚にまとめられるようにしています。
A4・1ページ/印刷して手書きで使用/無料PDF
医療連携 情報整理シートを無料ダウンロード
利用者の状態変化、生活への影響、服薬・受診状況、医療職へ確認したい内容を1枚で整理できます。
PDF直接URL:
https://kaigobunrei.com/wp-content/uploads/2026/09/medical-coordination-info-sheet.pdf
医療連携では「何を確認したいのか」を先に整理する
医療職へ情報提供するときは、利用者の状態を詳しく伝えることも大切ですが、それ以上に「今回、何について確認・相談したいのか」を明確にしておくことが重要です。
たとえば、同じ「食事量が減っている」という状態でも、確認したい内容によって伝える情報は変わります。
- 受診が必要な状態なのか確認したい
- 最近変更になった薬との関連を確認したい
- 通所介護利用時の注意点を確認したい
- 食事形態や水分量について助言を受けたい
- 訪問看護で継続して観察してほしい内容を相談したい
このシートでは、最初に「今回確認・相談したいこと」を記入する欄を設けています。
連絡する目的を先に整理してから状態変化を書くことで、医療職へ伝えるべき情報も絞りやすくなります。

こんな場面で活用できます
- 主治医へ状態変化を相談するとき
- 受診前に家族へ伝えてほしい内容を整理するとき
- 訪問看護へ利用者の変化を共有するとき
- 退院後の医療情報を確認するとき
- 服薬変更後の生活状態を整理するとき
- サービス事業所から体調変化の報告を受けたとき
- サービス担当者会議前に医療情報を確認するとき
- 支援経過記録を書く前の情報整理
医療連携 情報整理シートの使い方
1.今回確認・相談したいこと
まず、今回の連携で何について確認したいのかを書きます。
「状態を報告する」だけで終わらせず、ケアマネジャーとして判断に迷っていることや、今後の支援を考えるために確認したいことを整理します。
たとえば、次のように簡潔に記入します。
- 食事量低下が続いているため、受診の必要性を確認したい
- 服薬変更後からふらつきが増えており、薬との関連を確認したい
- 入浴時の血圧変動について通所介護での注意点を確認したい
- 夜間の呼吸苦があり、訪問看護で観察してほしい項目を相談したい
2.最近の状態変化
次に、本人の最近の状態を確認します。
このシートでは、次の8項目について「変化なし」「変化あり」を確認できるようにしています。
- 食事・水分
- 排泄
- 睡眠
- 痛み
- 呼吸
- 浮腫
- 服薬
- 認知・行動
すべての項目を詳しく書く必要はありません。今回相談する内容と関係する変化を中心に整理します。
「食欲低下あり」だけではなく、可能であればいつ頃から、どの程度変化したのかまで確認すると、経過が伝わりやすくなります。
たとえば、「1週間前から食事摂取量が普段の半分程度」「3日前から両下肢の浮腫が目立つ」「服薬変更後から日中の眠気が増加」といった形です。
3.生活への影響・介護上困っていること
ケアマネジャーから医療職へ伝える情報として重要なのが、症状によって実際の生活にどのような影響が出ているかという情報です。
医療機関では分かりにくい、自宅やサービス利用中の様子を整理します。
- ふらつきが増え、一人でトイレへ行くことが難しくなった
- 息切れがあり、これまで歩けていた距離でも休憩が必要になった
- 食事量低下により、家族が毎食の摂取量を心配している
- 夜間覚醒が増え、家族の介護負担が大きくなっている
- 眠気が強く、デイサービスで活動へ参加できない日が増えている
病名や症状だけではなく、ADL・IADL、サービス利用、家族介護への影響まで伝えることで、医療情報をその後の生活支援につなげやすくなります。
4.服薬・受診・医療処置の確認
現在の服薬状況、最近の薬の変更、受診状況、医療処置などについて、今回の相談に関係する内容を整理します。
特に状態変化の前後で薬が変更されている場合や、本人が正しく服薬できていない可能性がある場合には、確認しておきたい情報です。
ケアマネジャーが薬の作用や症状との因果関係を判断するのではなく、確認できた事実を整理して医療職へ伝えることを基本とします。
5.医療職へ確認したこと/回答
主治医、看護師、薬剤師などへ確認した内容と、その回答を記録します。
「医師へ相談済み」とだけ残すのではなく、何を確認し、どのような回答があったのかを簡潔に残しておくと、その後の情報共有がしやすくなります。
たとえば、
- 水分摂取を意識しながら経過観察する
- 症状が続く場合は受診する
- 血圧が一定の数値以下の場合は入浴を見合わせる
- 訪問看護利用時に浮腫と体重変化を確認する
など、実際の支援につながる内容を残します。
6.ケアマネとして次に行うこと
医療職から回答を受けたあとは、それを誰に共有し、今後どのような対応を行うか整理します。
- 本人・家族へ説明する
- 通所介護へ注意事項を共有する
- 訪問介護へ観察してほしい内容を伝える
- 訪問看護と状態変化を共有する
- 次回訪問時に状態を再確認する
- サービス担当者会議を開催する
- 必要に応じてケアプランを見直す
医療職へ相談したことで支援が完結するのではなく、得られた情報を在宅生活や各サービスへどのように反映するかまで考えることが重要です。
医療職へ伝えるときは「目的→変化→生活への影響」の順で整理する
医療機関へ電話するときに、利用者のこれまでの経過を最初からすべて説明しようとすると、何を相談したいのか分かりにくくなることがあります。
まず「何について相談したいのか」を伝え、そのあとに最近の状態変化と生活への影響を説明すると、要点を共有しやすくなります。
たとえば、
「服薬変更後のふらつきについて相談です。3日前から立ち上がり時のふらつきが増え、昨日は自宅で転倒しかけています。以前は一人でトイレまで歩けていましたが、現在は家族が付き添っています。薬との関連や受診の必要性について確認したいです。」
というように、目的と生活上の変化をセットで整理すると、相談内容が伝わりやすくなります。
「変化なし」の確認にも意味があります
状態変化を確認するときは、変化があった項目だけでなく、変わっていない情報も判断材料になります。
たとえば「食事量は低下しているが、排泄・睡眠・呼吸状態には変化がない」という情報も、経過を整理するうえでは重要です。
本シートでは「変化なし」「変化あり」をチェックできるため、短時間でも状態を一通り確認できるようにしています。
緊急時の連絡には使用しません
このシートは、通常の医療連携や状態確認のために情報を整理する補助資料です。
急激な意識状態の変化、強い呼吸困難、激しい胸痛など、緊急性が疑われる状態では、本シートへの記入を優先せず、所属事業所の緊急時対応手順や医療機関・救急への連絡手順に従ってください。
正式な記録へつなげて使用してください
本シートは医療職との連携内容を整理するための内部資料です。
実際に行った連絡、医療職から得た回答、その後に行った対応については、必要に応じて介護支援経過などの正式な記録へ反映してください。
また、医療職から得た情報によって本人の生活課題や支援内容が変化する場合には、ケアプランの見直しやサービス担当者会議の必要性についても検討します。
関連する実務資料
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主治医や訪問看護などへ相談する前の情報整理、医療職から受けた回答のメモとしてご活用ください。
本資料は医療連携時の情報整理を補助するための実務資料です。診療、医学的判断、緊急時対応を代替するものではありません。所属事業所の運用や医療機関との連携方法に合わせて使用してください。


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