階段や玄関段差は高さだけでなく、手すり位置、足元、荷物、扉操作、介助者の立ち位置を一連の動作として評価します。
本記事では、玄関の三段を昇降して通院する方の訪問リハビリのケアプランを紹介します。靴・扉・荷物の扱いと妻の介助を含む外出動線を、第1表・第2表へつなげます。
この記事が参考になるケース
- 70代男性。下肢筋力が低下し妻と二人暮らし。二階の寝室は使わないが、通院時に玄関の三段を昇降する必要がある。
- 本人は「玄関の段差を越え、自分の足で通院へ出かけたい。」と希望している。
- 家族は「通院のたびに抱えず、安全に付き添える方法を知りたい。」と考えている。
訪問リハビリテーションは主治医の指示に基づき、本人の状態と生活目標に合わせて事業所・関係職種と内容を確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
玄関の段差を越え、自分の足で通院へ出かけたい。
家族の意向
おすすめ文例
通院のたびに抱えず、安全に付き添える方法を知りたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
70代男性。下肢筋力が低下し妻と二人暮らし。二階の寝室は使わないが、通院時に玄関の三段を昇降する必要がある。
本人には「玄関の段差を越え、自分の足で通院へ出かけたい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
筋力、バランス、疼痛、段差高、手すりを評価し、実際の玄関で足順と杖操作を練習する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が玄関三段を自分の足で越えて通院へ出かけられるよう、訪問リハビリテーションが手すり・杖・足順・扉操作を一連で評価し、妻や福祉用具事業所と安全な介助位置と住宅環境を整えます。
別の表現|短めにまとめたい場合
手すりと杖を使い、玄関三段を安全に昇降して通院へ出られるよう支援します。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 玄関の段差を安全に昇り降りしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
玄関の段差を安全に昇り降りしたい。
長期目標
通院や外出時に玄関を安全に通過できる。
短期目標
手すりと杖を使い、決めた足順で三段を昇降できる。
サービス内容
筋力、バランス、疼痛、段差高、手すりを評価し、実際の玄関で足順と杖操作を練習する。
課題② 扉と靴の動作を含めて外出準備をしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
扉と靴の動作を含めて外出準備をしたい。
長期目標
玄関での一連の動作を安全に行い、外出を継続できる。
短期目標
椅子に座って靴を履き、扉を開けて段差へ移動できる。
サービス内容
玄関椅子、履物、扉、荷物、補助具の位置を調整し、外出準備から屋外まで通して確認する。
課題③ 妻が抱えずに付き添いたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
妻が抱えずに付き添いたい。
長期目標
家族の負担を抑え、通院を安定して続けられる。
短期目標
妻が安全な立ち位置と声かけを実践できる。
サービス内容
介助位置と緊急時の支え方を家族へ助言し、必要時は手すり・踏み台・送迎方法をケアマネジャーと検討する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 玄関の段差を安全に昇り降りしたい。 | 通院や外出時に玄関を安全に通過できる。 | 手すりと杖を使い、決めた足順で三段を昇降できる。 | 筋力、バランス、疼痛、段差高、手すりを評価し、実際の玄関で足順と杖操作を練習する。 |
| 扉と靴の動作を含めて外出準備をしたい。 | 玄関での一連の動作を安全に行い、外出を継続できる。 | 椅子に座って靴を履き、扉を開けて段差へ移動できる。 | 玄関椅子、履物、扉、荷物、補助具の位置を調整し、外出準備から屋外まで通して確認する。 |
| 妻が抱えずに付き添いたい。 | 家族の負担を抑え、通院を安定して続けられる。 | 妻が安全な立ち位置と声かけを実践できる。 | 介助位置と緊急時の支え方を家族へ助言し、必要時は手すり・踏み台・送迎方法をケアマネジャーと検討する。 |
訪問リハビリテーションのケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
訓練の実施自体を目標にせず、本人が自宅で続けたい動作や役割を確認します。
訓練と生活をつなぐ
手すりを握る・確認した足順で進む工程は本人が担い、妻は荷物や扉を担当します。扉を扱いながら段差を越えると支持が途切れないか、上りと下りで介助量が変わらないかを現場で確認します。妻が抱えなければ通れない場合は練習だけで解決せず、環境と送迎方法を再検討します。
変化と連絡方法を共有する
三段のどこで支えが必要か、足が引っかかった回数、上り下りの疲労、妻が抱えた場面を記録します。行きの練習だけで判断せず、通院後の疲れた状態でも帰宅できたかを尋ね、介助が増えた場合は手順や支援体制を見直します。
文例を使うときのポイント
- 階段だけを切り取らず、靴の着脱、扉、荷物、屋外路面、送迎車への乗降まで連続して評価します。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 病状・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
玄関では足順だけでなく、杖、手すり、扉操作を一連で確認します。妻の介助位置と本人の疲労を見ながら、通院動線を整えます。


コメント