慢性疼痛では、痛みをゼロにすることだけを目標にせず、症状の波を理解して必要な生活動作を続けます。過活動と過度な安静の両方を避けます。
本記事では、慢性腰痛で家事をまとめて行い、翌日に寝込む方のケアプランを紹介します。掃除・買い物の分割と休息、普段と異なる痛みの相談を第1表・第2表で示します。
この記事が参考になるケース
- 70代女性。変形性腰椎症による慢性腰痛があり一人暮らし。調子の良い日に家事をまとめて行い、翌日に寝込むことを繰り返している。
- 本人は「痛みを悪化させず、掃除と買い物を自分のペースで続けたい。」と希望している。
- 家族は「無理をする日と動かない日の差を減らし、安定して暮らしてほしい。」と考えている。
訪問リハビリテーションは主治医の指示に基づき、本人の状態と生活目標に合わせて事業所・関係職種と内容を確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
痛みを悪化させず、掃除と買い物を自分のペースで続けたい。
家族の意向
おすすめ文例
無理をする日と動かない日の差を減らし、安定して暮らしてほしい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
70代女性。変形性腰椎症による慢性腰痛があり一人暮らし。調子の良い日に家事をまとめて行い、翌日に寝込むことを繰り返している。
本人には「痛みを悪化させず、掃除と買い物を自分のペースで続けたい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
疼痛、姿勢、動作、作業時間を評価し、長柄道具、座位、分割作業など負担の少ない方法を練習する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が腰痛の波を把握して掃除と買い物を自分のペースで続けられるよう、訪問リハビリテーションが姿勢・活動量・休息を評価し、主治医や家族と悪化時の相談目安と無理のない作業配分を共有します。
別の表現|短めにまとめたい場合
痛みの波に合わせて作業と休息を配分し、掃除と買い物を無理なく続けます。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 痛みを悪化させず家事を続けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
痛みを悪化させず家事を続けたい。
長期目標
疼痛を管理しながら必要な家事を継続できる。
短期目標
掃除を小分けにし、休憩と道具を使って行える。
サービス内容
疼痛、姿勢、動作、作業時間を評価し、長柄道具、座位、分割作業など負担の少ない方法を練習する。
課題② 動く日と休む日の差を減らしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
動く日と休む日の差を減らしたい。
長期目標
活動量が安定し、翌日に寝込むことを減らせる。
短期目標
活動と痛みを記録し、一日の上限を相談できる。
サービス内容
活動記録を用いて過活動と過度な安静を確認し、本人が継続できるペース配分を一緒に決める。
課題③ 痛みが変化した時に相談したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
痛みが変化した時に相談したい。
長期目標
新たな症状を早期に把握し、必要な医療へつながれる。
短期目標
普段と異なる痛みやしびれを主治医・支援者へ伝えられる。
サービス内容
主治医の指示と禁忌を確認し、急な増悪、神経症状、転倒等があれば訓練を中止して医療職へ連絡する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 痛みを悪化させず家事を続けたい。 | 疼痛を管理しながら必要な家事を継続できる。 | 掃除を小分けにし、休憩と道具を使って行える。 | 疼痛、姿勢、動作、作業時間を評価し、長柄道具、座位、分割作業など負担の少ない方法を練習する。 |
| 動く日と休む日の差を減らしたい。 | 活動量が安定し、翌日に寝込むことを減らせる。 | 活動と痛みを記録し、一日の上限を相談できる。 | 活動記録を用いて過活動と過度な安静を確認し、本人が継続できるペース配分を一緒に決める。 |
| 痛みが変化した時に相談したい。 | 新たな症状を早期に把握し、必要な医療へつながれる。 | 普段と異なる痛みやしびれを主治医・支援者へ伝えられる。 | 主治医の指示と禁忌を確認し、急な増悪、神経症状、転倒等があれば訓練を中止して医療職へ連絡する。 |
訪問リハビリテーションのケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
訓練の実施自体を目標にせず、本人が自宅で続けたい動作や役割を確認します。
訓練と生活をつなぐ
調子が良い日の最大作業量を基準にせず、翌日も必要な生活が続けられた量を手がかりに配分します。掃除は部屋や工程で分け、本人が続けたい軽い作業は残します。重い買い物の運搬など負担の大きい部分は、家族や利用可能な支援への分担も検討し、痛みを我慢して予定を達成させません。
変化と連絡方法を共有する
掃除の範囲・時間、買い物と運搬の量、休息、当日と翌日の痛み・臥床時間をまとめて比較します。痛みの点数が同じでも翌日に寝込む日が減り、必要な家事を続けられたかを評価します。普段と違う痛みやしびれは活動記録だけで様子を見ず、決めた連絡手順で主治医へ相談します。
文例を使うときのポイント
- 痛みの数値だけでなく生活への影響と活動後の反応を確認し、我慢を前提とした運動を避けます。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 病状・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
痛みの強さだけでなく、活動後の増悪と回復時間を確認します。掃除を小分けにし、買い物頻度と休息の取り方を調整します。


コメント