個別機能訓練計画書の文例【転倒予防・バランス能力低下】|長期目標・短期目標・訓練内容・評価の記入例

転倒リスクが高く、バランス能力の低下がみられる利用者では、歩行や方向転換、段差昇降などの日常生活動作に不安が生じ、活動量や外出機会が減少することがあります。個別機能訓練計画書では、単に「転倒しない」ことを目標にするのではなく、本人が安全に行いたい生活動作や外出を具体的に確認し、それにつながる訓練内容を設定することが大切です。この記事では、転倒予防・バランス能力低下がみられる利用者を想定した長期目標・短期目標・訓練内容・評価の文例を紹介します。

転倒予防以外の歩行・立ち上がり・生活動作に応じた文例は、個別機能訓練計画書の文例一覧から確認できます。

転倒予防・バランス能力低下の個別機能訓練計画書を作成するポイント

転倒リスクを評価するときは、立位バランスだけでなく、立ち上がり、方向転換、歩行速度、段差、疲労、歩行補助具の使用状況などを確認します。また、過去の転倒経験によって本人が動くことを怖がり、活動量が低下している場合もあります。安全性を確保しながら、本人が生活の中で必要とする動作を段階的に練習し、転倒への不安軽減と活動範囲の維持につなげます。

利用者像の例

  • ・要介護1
  • ・夫婦二人暮らし
  • ・過去半年以内に自宅で転倒歴がある
  • ・屋内は杖を使用して歩行している
  • ・立位では左右へのふらつきがみられる
  • ・方向転換時に足が交差しやすい
  • ・転倒への不安から外出する機会が減っている
  • ・本人は再び近所を安心して散歩したいと希望している

本人の希望・生活上の課題

また転ぶのではないかと不安はあるが、杖を使って安心して近所を散歩できるようになりたい。

立位バランスと方向転換時の安定性が低下しており、転倒への不安から外出機会が減少している。

長期目標の文例

杖を使用して安全に屋外を歩行し、本人が希望する散歩を継続できる。

立位や歩行時のバランスを維持し、自宅内外を安全に移動できる。

転倒への不安を軽減し、日常生活や外出の活動範囲を維持できる。

短期目標の文例

支持物を使用しながら安定した立位姿勢を保つことができる。

足の踏み替えを意識し、安全に方向転換を行うことができる。

杖を使用し、ふらつきに注意しながら安定して歩行できる。

個別機能訓練の内容

支持物を使用した立位保持と重心移動練習を行い、立位バランス能力の維持・向上を図る。

前後左右への足の踏み出しやステップ練習を行い、姿勢を立て直す能力の維持を図る。

方向転換や障害物を避ける動作を取り入れ、安全な歩行動作の獲得につなげる。

本人が使用している杖を活用して歩行練習を行い、生活場面を想定した安全な移動方法を確認する。

訓練実施時の留意点

立位や歩行時のふらつき、足の引っかかり、疲労の状態を確認し、転倒防止に十分配慮して実施する。

転倒への恐怖心に配慮し、本人が安心して取り組める難易度から開始して段階的に訓練内容を調整する。

評価・モニタリングの文例

立位時のふらつきが減少し、支持物があれば安定した姿勢を保てている。引き続き重心移動やステップ練習を継続し、歩行時の安定につなげる。

方向転換時に足の踏み替えがスムーズになり、以前より安定した動作がみられている。屋外歩行につなげるため、杖歩行と方向転換練習を継続する。

バランス能力に大きな変化はないが、訓練場面では転倒なく歩行を継続できている。現在の能力を維持し、活動量低下を防ぐため訓練を継続する。

転倒予防・バランス能力低下の個別機能訓練で意識したいこと

転倒予防では、「転ばないように動かさない」という支援ではなく、安全に活動を続けるために必要な能力や環境を整えることが重要です。筋力やバランス能力だけでなく、歩行補助具、履物、生活環境、疲労、本人の転倒への不安なども確認します。また、訓練場面で安定していても実際の生活では段差や狭い場所など条件が異なるため、本人の生活環境を想定した動作を訓練に取り入れることが大切です。

まとめ

転倒予防・バランス能力低下に対する個別機能訓練計画書では、立位バランスだけでなく、歩行、方向転換、足の踏み替え、生活環境などを含めて考えることが重要です。本人が再び行いたい散歩や外出などの生活目標を明確にし、それに必要な機能と動作を訓練内容につなげることで、実生活に活かせる個別機能訓練計画書になります。

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