個別機能訓練計画書の文例【大腿骨頸部骨折後】|長期目標・短期目標・訓練内容・評価の記入例

大腿骨頸部骨折後の利用者では、手術や入院を経て退院した後も、下肢筋力の低下や歩行能力の低下、転倒への不安などが残ることがあります。個別機能訓練計画書では、単に筋力を回復させることを目的にするのではなく、本人が再び行いたい生活動作や外出、趣味活動を明確にし、それにつながる目標と訓練内容を設定することが重要です。この記事では、大腿骨頸部骨折後の利用者を想定した個別機能訓練計画書の文例を紹介します。

大腿骨頸部骨折後以外の疾患や生活課題に応じた文例は、個別機能訓練計画書の文例一覧から探せます。

大腿骨頸部骨折後の個別機能訓練計画書を作成するポイント

大腿骨頸部骨折後は、骨折前と比べて歩行や立ち上がり、階段昇降などが難しくなり、本人が活動を控えるようになる場合があります。計画書では、現在の移動能力や立位バランス、下肢筋力、疲労の程度などを確認するとともに、本人が生活の中で何を再開したいのかを把握します。医師等から動作や運動に関する指示がある場合はその内容を踏まえ、安全に配慮しながら段階的に生活機能の維持・向上を目指します。

利用者像の例

  • ・要介護2
  • ・長女夫婦と同居
  • ・転倒による大腿骨頸部骨折後に手術を受け退院
  • ・屋内は歩行器を使用している
  • ・椅子からの立ち上がりに手すりを使用
  • ・方向転換や段差昇降に不安がある
  • ・骨折後は庭へ出る機会が減っている
  • ・本人は再び庭に出て花の世話をしたいと希望している

本人の希望・生活上の課題

転んでから歩くのが怖くなったが、また自分で庭まで歩いて花の世話をしたい。

骨折後の下肢筋力とバランス能力の低下により、歩行や方向転換に不安があり、屋外へ出る機会が減少している。

長期目標の文例

歩行器などを活用して安全に屋外へ移動し、本人が希望する庭での活動を再開できる。

下肢筋力やバランス能力を維持し、自宅内の移動を可能な範囲で自立して行うことができる。

転倒への不安を軽減し、外出や日常生活の活動範囲を広げることができる。

短期目標の文例

手すりを使用し、安定して椅子から立ち上がることができる。

歩行器を使用し、見守りのもとで安定して歩行できる。

方向転換や小さな段差を安全に行い、生活場面での移動に自信を持つことができる。

個別機能訓練の内容

椅子からの立ち上がり動作を反復し、移動に必要な下肢筋力と動作能力の維持・向上を図る。

支持物を使用した立位保持や重心移動練習を行い、立位バランス能力の維持を図る。

歩行器を使用した歩行や方向転換練習を行い、安全な移動動作の獲得につなげる。

本人の身体状況に合わせて段差昇降や屋外歩行を想定した動作練習を行い、生活範囲の拡大につなげる。

訓練実施時の留意点

疼痛や疲労、歩行時のふらつきを確認し、本人の身体状況や医師等の指示に配慮しながら安全に訓練を実施する。

再転倒への不安に配慮し、本人が安心して実施できる動作から開始して段階的に訓練内容を調整する。

評価・モニタリングの文例

歩行器を使用した歩行は安定しており、立ち上がり時の介助量も軽減している。引き続き歩行と立位バランス練習を継続し、屋外活動につなげていく。

方向転換時には一部ふらつきがみられるものの、本人の歩行への不安は以前より軽減している。安全性に配慮しながら屋外歩行を想定した訓練を継続する。

身体機能に大きな変化はみられないが、自宅内での移動は継続できている。再転倒と活動量低下を予防するため、現在の訓練内容を継続する。

大腿骨頸部骨折後の個別機能訓練で意識したいこと

大腿骨頸部骨折後の個別機能訓練では、骨折前の状態へ戻すことだけを目的にせず、現在の身体機能を活かしてどのような生活を再構築するかを考えることが重要です。本人が庭へ出たい、買い物へ行きたい、トイレまで自分で歩きたいなど、具体的な生活目標を確認し、それに必要な立ち上がり、歩行、方向転換、段差などの動作を訓練につなげます。また、再転倒への恐怖によって活動が必要以上に制限されないよう、成功体験を積み重ねながら活動範囲を広げていく視点も大切です。

まとめ

大腿骨頸部骨折後の利用者の個別機能訓練計画書では、下肢筋力や歩行能力だけでなく、転倒への不安や生活上の目標を把握することが重要です。本人が再び行いたい活動から必要な動作を整理し、立ち上がり、バランス、歩行、段差などの訓練につなげることで、実際の生活に活かせる個別機能訓練計画書になります。

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