通所介護計画書の短期目標 文例集|具体的で評価しやすい目標20例以上

通所介護計画書の短期目標は、長期目標へ近づくために、次の期間でどの動作や生活行為を目指すかを具体的に示します。「向上する」「改善する」だけでは評価が難しいため、本人の行動、生活場面、必要な介助や工夫が分かる表現が必要です。本記事では5分野20ケースと改善例を紹介します。

本記事は、短期目標の文例を場面別に探したい方に向けたページです。長期目標との組み合わせや両者の違いは、関連ページで確認できます。

まず使える短期目標文例

【歩行・移動】

手すりや歩行補助具を使用し、見守りのもとで施設内を安全に移動できる。

【入浴】

必要な見守りや一部介助を受けながら、できる洗身動作は自分で行い安全に入浴できる。

【活動】

無理のない範囲で体操や活動へ参加し、疲れたときは休憩を選びながら現在の活動量を維持できる。

通所介護計画書の短期目標とは

短期目標は、本人が望む生活を示した長期目標へ向かう途中の到達点です。デイサービスで行う訓練や介助内容をそのまま目標にするのではなく、本人がどの動作を行い、生活のどの場面へつなげるのかを示します。達成したかどうかを確認できる具体性を持たせつつ、状態や環境に応じて柔軟に見直せる表現にします。

評価しやすい短期目標を作るポイント

  • 具体的な動作を書く:歩行、立ち上がり、洗身、予定確認など、観察できる動作を示します。
  • 本人の行動を主語にする:職員が何をするかではなく、支援を受けながら本人が何を行うかを表します。
  • 生活場面を明確にする:施設内だけでなく、自宅の玄関、食卓、浴室、地域活動など実際の暮らしを想定します。
  • 達成状況を確認できる表現にする:介助量、休憩の選択、道具の使用、本人からの申し出など、変化を確認できる要素を入れます。

数値は評価の助けになりますが、距離や回数を入れること自体が目的ではありません。本人に必要な生活動作と負担を踏まえ、「向上する」「改善する」だけで終わらない目標にします。

通所介護計画書の短期目標 文例集

歩行・移動

脳梗塞後・杖歩行

【想定ケース】
右片麻痺があり屋内は杖歩行。近所の商店へ行くことが長期目標。

【長期目標】
杖を使用して近隣店舗まで移動し、自分で商品を選んで買い物を続けられる。

施設内の平坦な通路を杖で移動し、方向転換時に立ち止まって姿勢を整えられる。

パーキンソン病・すくみ足

【想定ケース】
玄関で足が出にくく外出準備に時間を要する。町内会への再参加を希望。

【長期目標】
すくみ足への対処法を用いて玄関から車まで移動し、地域の集まりへ参加できる。

床の目印と掛け声を使い、玄関を想定した狭い場所で歩き始めと方向転換を行える。

大腿骨骨折後・歩行器

【想定ケース】
退院後は歩行器を使用。家族との外食再開が長期目標。

【長期目標】
歩行器で店内を移動し、家族と月に一度の外食を楽しめる。

歩行器を身体に近づけて立ち上がり、食堂まで休憩場所を選びながら移動できる。

変形性膝関節症・段差

【想定ケース】
膝痛があり玄関段差を避けている。庭の水やりを再開したい。

【長期目標】
手すりで玄関段差を昇降し、庭の植物の世話を続けられる。

手すりを持って一段の昇降を行い、痛みが増した際は職員へ伝えて休憩できる。

入浴・排泄

独居・浴槽またぎ

【想定ケース】
独居で自宅入浴を続けたいが浴槽出入りに不安がある。

【長期目標】
入浴補助用具を使い、見守りを受けながら自宅での入浴を継続できる。

浴室を想定した手すり位置で足を上げ、支えを持ってまたぎ動作を落ち着いて行える。

片麻痺・洗身

【想定ケース】
左片麻痺があり背中と麻痺側上肢の洗身に介助が必要。

【長期目標】
できる洗身を自分で行い、必要な部分だけ家族の介助で入浴できる。

長柄スポンジを使って胸部と両上肢を洗い、洗い残しがある部位を職員へ伝えられる。

腰椎圧迫骨折・夜間排泄

【想定ケース】
腰痛と夜間頻尿があり、トイレまで急いでふらつくことがある。

【長期目標】
歩行器を使用し、夜間も安全にトイレへ移動できる。

起き上がり後に座位で痛みとふらつきを確認し、歩行器を正しい位置に置いて立ち上がれる。

認知症・排泄のタイミング

【想定ケース】
尿意を伝えにくく失禁が増えているが、便座への移乗は見守りで可能。

【長期目標】
本人の排泄リズムに合わせてトイレを利用し、できる動作を保てる。

食後の声かけでトイレへ移動し、ズボンを下ろす動作を自分で始められる。

食事・健康管理

嚥下機能低下・昼食

【想定ケース】
むせを心配して食事量が減っている。家族と同じ食卓で食べ続けたい。

【長期目標】
安全な姿勢と食形態で必要量を摂取し、家族との食事を楽しめる。

食事前に姿勢を整え、一口量を意識して食べ、むせた際は職員へ合図できる。

心不全・体調確認

【想定ケース】
体重増加と浮腫に気づきにくく、家事で無理をして息切れする。

【長期目標】
体調変化を早めに捉え、家事量を調整しながら在宅生活を続けられる。

運動前後の息切れと疲労を職員に伝え、その日の体調に合わせて休憩を選べる。

糖尿病・間食

【想定ケース】
甘い物の間食が多いが、孫との外出を続けるため体調を整えたい。

【長期目標】
食事と活動のバランスを整え、孫との外出を継続できる。

一日の食事と間食を振り返り、自分で続けられる変更点を一つ選んで実践できる。

低栄養・食欲低下

【想定ケース】
独居で簡単な食事が続き体重が減少。調理は電子レンジなら可能。

【長期目標】
体重と体力を保ち、自分で準備した食事を自宅で続けられる。

昼食の摂取量を確認し、食べやすかった献立を職員と一緒に一つ記録できる。

社会参加・交流

閉じこもり・囲碁

【想定ケース】
配偶者を亡くしてから外出が減った。以前の囲碁仲間に会いたい。

【長期目標】
地域の囲碁会へ参加し、顔なじみとの交流を再開できる。

少人数の囲碁活動へ自分から参加し、一局終えた後に疲労や楽しさを伝えられる。

難聴・会話

【想定ケース】
補聴器を使っているが大人数では会話を諦めることが多い。

【長期目標】
聞き取りやすい環境を選び、友人との会話を続けられる。

静かな席を自分で選び、聞き取れない時に相手へ繰り返しを依頼できる。

車いす・園芸

【想定ケース】
屋外は車いす。自宅のプランター栽培を再開したい。

【長期目標】
車いすで庭へ出て、季節の野菜を育てる役割を続けられる。

テーブル上の鉢で水やりと枯れ葉取りを行い、必要な道具を職員へ依頼できる。

家事役割・調理

【想定ケース】
肩痛があるが家族のみそ汁を作る役割を大切にしている。

【長期目標】
身体への負担を調整し、家族の食事作りに参加できる。

座位で野菜を切る方法を試し、肩の痛みが強くなる前に作業を中断できる。

認知症・生活リズム

軽度認知症・予定管理

【想定ケース】
通所日と受診日を混同する。自分で予定を確認したい意向がある。

【長期目標】
カレンダーを確認し、必要な準備を家族と進められる。

帰宅前に翌日の予定をカレンダーで確認し、準備する物を一つメモできる。

昼夜逆転・朝の支度

【想定ケース】
夜更かしで朝食を抜き、通所準備に間に合わないことがある。

【長期目標】
一定の生活リズムで起床し、朝食と身支度を整えて一日を始められる。

利用日は決めた時刻に起床し、家族の声かけで朝食後に着替えを始められる。

認知症・帰宅願望

【想定ケース】
午後になると家族を心配して帰宅を訴える。裁縫は集中して行える。

【長期目標】
安心できる日課を持ち、家族と穏やかに在宅生活を続けられる。

帰宅したい気持ちを職員へ伝え、説明を受けた後に馴染みの裁縫活動へ戻れる。

家族介護負担・拒否

【想定ケース】
新しいサービスを拒みやすく、娘が一人で介護を抱えている。

【長期目標】
馴染みの支援者と関係を築き、本人の生活と家族の休息を両立できる。

顔なじみの職員から活動を二つ提示された際、自分が行いたい方を選んで参加できる。

評価しにくい短期目標の改善例

評価しにくい例:歩行能力を改善する。
改善例:

施設内を杖で移動し、疲れた際に職員へ休憩を伝えられる。

評価しにくい例:入浴動作を向上する。
改善例:

シャワーチェアに座り、胸部と両上肢を自分で洗える。

評価しにくい例:食事摂取量を増やす。
改善例:

食べやすい料理を選び、昼食の主食と主菜を自分のペースで摂取できる。

評価しにくい例:交流を促進する。
改善例:

少人数の趣味活動で相手に一度声をかけ、終了後に感想を伝えられる。

評価しにくい例:生活リズムを改善する。
改善例:

利用日は朝食後に着替えを始め、送迎時刻までに玄関で準備できる。

短期目標をモニタリングするときのポイント

モニタリングでは、できた・できないだけで判断しません。どの程度の見守りや介助が必要だったか、本人に痛みや疲労がなかったか、福祉用具や周囲の環境が適切だったかを確認します。同じ動作でも、時間帯や体調、場所が変わると難しさは変化します。また、計画作成時の希望が現在も本人にとって大切かを聞き取り、目標が負担や押しつけになっていないかを見直します。

短期目標の次に確認するページ

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