ケアプラン文例【認知症・デイサービス拒否】|介護拒否がある場合の第1表・第2表の記入例

認知症のある利用者では、デイサービスへ行くことを嫌がったり、送迎時になると「今日は行かない」と拒否したりすることがあります。このような場合、「拒否があるため利用継続が困難」とだけ捉えるのではなく、本人がなぜ行きたくないと感じているのか、その背景を考えることが大切です。

ここでは、認知症があり、家族はデイサービスの利用を希望しているものの、本人が利用を拒むことが増えているケースを例に、本人・家族の意向から第1表、第2表までつながるケアプラン文例を紹介します。

この記事が参考になるケース

  • 認知症があり、デイサービス利用を嫌がることがある
  • 利用前になると「行きたくない」「今日は休む」と話す
  • 実際に利用すると比較的穏やかに過ごせることもある
  • 本人は「家で過ごしたい」という思いが強い
  • 家族は日中の見守りや入浴、交流のため利用継続を希望している
  • 家族の介護負担が増えている
  • 本人の気持ちを尊重しながらサービス利用方法を検討したい

担当ケースに近い部分を選び、拒否の背景や本人の言葉に合わせて調整してください。

※文例はそのまま使用するのではなく、本人が拒否する理由、生活歴、心身状態、家族状況、サービス利用時の様子などに合わせて調整してください。

利用者像の例

  • 84歳・男性・要介護2
  • 妻と二人暮らし
  • アルツハイマー型認知症
  • 屋内歩行、食事、排泄は概ね自立
  • 更衣や入浴には声かけが必要
  • 以前は自営業をしており、人から指示されることを好まない性格
  • 自宅で新聞を読んだり庭を眺めたりして過ごすことを好む
  • デイサービス利用日の朝に「今日は行かない」と話すことが増えている
  • 利用後には「悪くなかった」と話すこともある
  • 妻は日中も本人から目を離せず疲労を感じている
  • 通所介護週2回を利用中

本人・家族の意向の文例

本人の意向

おすすめ文例|自宅で過ごしたい気持ちが強い場合

家にいるのが一番落ち着く。知らないところへ無理に行くのは嫌だ。自分のことはできるだけ自分で決めたい。

別の表現①|サービスへの抵抗感がある場合

世話をしてもらうために出かけるのは好きではない。まだ自分でできることも多いので、必要以上に人の手を借りたくない。

別の表現②|活動内容が本人に合っていない場合

みんなで同じことをするのはあまり好きではない。自分のペースで静かに過ごしたり、興味のあることならやってみたい。

家族の意向

おすすめ文例|本人の気持ちを尊重しながら利用したい場合

本人が嫌がるのを無理に連れて行きたいとは思っていないが、家にいるだけでは外へ出る機会が少なく、入浴も難しくなっている。本人が安心して通える方法を一緒に考えてほしい。

別の表現|家族の負担が大きい場合

本人の希望はできるだけ尊重したいが、一日中自宅で見守る生活が続き、家族も疲れてきている。本人が無理なく利用でき、家族も休息できる時間を確保したい。

第1表の文例

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果

おすすめ文例

本人は自宅で自分のペースを保ちながら生活することを好み、人から行動を決められることへの抵抗感が強い。デイサービス利用日の朝には「行きたくない」と訴えることが増えているが、利用後は穏やかに過ごし、「悪くなかった」と話すこともある。認知症により利用予定を十分に理解できていないことに加え、長年自分で仕事や生活を決めてきた本人にとって、決められた時間に迎えが来て集団の中で過ごすこと自体が負担となっている可能性がある。一方、自宅では外出や他者交流の機会が減り、入浴にも支援が必要となっており、妻の介護負担も増加している。本人の拒否を単に問題として扱うのではなく、その背景にある不安や自尊心、生活歴を理解し、本人が受け入れやすい関わり方や過ごし方を関係者で共有することで、本人の意思を尊重しながら必要な支援につなげる必要がある。

別の表現|家族負担も強く意識する場合

本人は自宅で過ごすことを好み、デイサービスへの外出を拒むことがある。一方、利用中は大きな拒否なく過ごせる日もあり、職員との会話や一人で新聞を読む時間など本人なりの過ごし方がみられている。本人にとって集団活動への参加や突然の予定変更が負担となっている可能性があり、本人の好みや生活歴に合わせた環境調整が必要である。また、妻は日中も本人の見守りを続けており、休息時間が十分に確保できていない。本人の気持ちを尊重した利用方法を検討するとともに、家族だけに介護負担が集中しない支援体制を整える必要がある。

総合的な援助の方針

おすすめ文例

本人の「自分のことは自分で決めたい」という思いや生活歴を尊重し、サービス利用を一方的に求めるのではなく、本人が安心して受け入れられる関わり方を検討する。通所介護では集団活動への参加を無理に求めず、本人が興味を持てる活動や静かに過ごせる時間を取り入れ、安心できる職員との関係づくりを進める。利用前後の本人の反応や拒否が強くなる状況を家族と事業所で共有し、本人にとって負担の少ない利用方法を検討する。併せて妻の介護負担にも配慮し、本人がサービスを利用している時間に休息や自身の生活時間を確保できるよう支援する。

別の表現|短めにまとめたい場合

本人の拒否の背景にある不安や生活歴を把握し、本人の意思を尊重した関わりを行う。本人が安心して過ごせる環境や活動を取り入れ、家族・通所介護・ケアマネジャーで利用時の状況を共有しながら、無理のないサービス利用につなげるとともに家族の介護負担軽減を図る。

第2表の文例

デイサービス拒否がある場合は、「デイサービスへ行くこと」自体を目標にするのではなく、本人がどのような生活を送りたいのかをニーズとして捉え、その実現手段の一つとしてサービスを位置付けます。

課題① 自分の気持ちを大切にしながら安心して過ごしたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

自分の気持ちやペースを大切にしてもらいながら、安心して毎日を過ごしたい。

ニーズの別表現|自己決定を強く出す場合

自分で選べることは自分で決め、嫌なことを無理に勧められずに穏やかに生活したい。

長期目標

本人の意思や生活リズムが尊重され、安心できる関係や環境の中で穏やかに生活できる。

短期目標

本人が不安や不快感を言葉や表情で示した際に気持ちを受け止めてもらい、安心して過ごすことができる。

サービス内容

本人の言葉や表情を確認し、一方的に行動を促さず、選択できる場面を設ける。拒否がみられた場合は無理に働きかけず、時間や声かけ方法、環境を変えるなど本人が受け入れやすい方法を検討する。

課題② 自分に合った過ごし方で外出や人との関わりを続けたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

自分に合った過ごし方をしながら、無理なく外へ出たり人と関わったりする機会を持ちたい。

ニーズの別表現|集団活動を好まない場合

みんなと同じことをするのではなく、自分の好きなことをしながら人とのつながりを持って過ごしたい。

長期目標

本人が安心できる場所や人との関係を持ち、自分らしい過ごし方で外出や交流を継続できる。

短期目標

通所介護で本人の好みに合った活動や過ごし方を選び、落ち着いて一定時間を過ごすことができる。

サービス内容

集団活動への参加を一律に求めず、新聞、庭を見る、職員との会話など本人が好む過ごし方を取り入れる。馴染みの職員が関わるなど安心できる環境を整え、本人が自分のペースで利用できるよう支援する。

課題③ 安全に入浴し、清潔で気持ちよく生活したい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

自分の気持ちを尊重してもらいながら、安全に入浴し、さっぱりと気持ちよく過ごしたい。

長期目標

本人が安心できる方法で定期的に入浴し、清潔で快適な生活を継続できる。

短期目標

本人のタイミングや気持ちに配慮した声かけを受け、自分で行える動作を続けながら入浴できる。

サービス内容

入浴を一方的に促すのではなく、本人の表情や気分を確認しながら声かけを行う。本人が拒否した場合は時間を変更するなど柔軟に対応し、自分で行える洗身・更衣動作は見守りを基本とする。

課題④ 家族も無理をしすぎず、穏やかな関係を保ちながら介護を続けたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

本人の気持ちを大切にしながら、家族も無理をしすぎず、穏やかな気持ちで介護を続けたい。

長期目標

サービスを活用しながら家族の心身の負担を軽減し、本人との関係を保ちながら在宅生活を継続できる。

短期目標

本人が通所介護を利用している時間に、家族が介護から離れて休息や自分の時間を持つことができる。

サービス内容

本人が利用できた際の過ごし方や拒否がみられた場面を家族と共有し、本人が受け入れやすい対応方法を一緒に検討する。家族の疲労や介護負担についても定期的に確認し、必要に応じてサービス内容を見直す。

第2表の完成イメージ

上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。

※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標 サービス内容
自分の気持ちやペースを大切にしてもらいながら、安心して毎日を過ごしたい。 本人の意思や生活リズムが尊重され、安心できる環境の中で穏やかに生活できる。 不安や不快感を示した際に気持ちを受け止めてもらい、安心して過ごすことができる。 本人の意思を確認し、無理な働きかけを避け、本人が受け入れやすい関わり方を検討する。
自分に合った過ごし方をしながら、無理なく外へ出たり人と関わったりしたい。 安心できる場所や人との関係を持ち、自分らしい過ごし方で外出や交流を継続できる。 通所介護で本人の好みに合った活動や過ごし方を選び、落ち着いて過ごすことができる。 集団活動を強制せず、本人の生活歴や好みに合った活動・環境を提供する。
自分の気持ちを尊重してもらいながら、安全に入浴し、気持ちよく過ごしたい。 本人が安心できる方法で定期的に入浴し、清潔な生活を継続できる。 本人のタイミングに配慮した声かけを受けながら入浴できる。 拒否時は無理に促さず、時間や声かけを変更するなど柔軟に対応する。
本人の気持ちを大切にしながら、家族も無理をしすぎず介護を続けたい。 家族の負担を軽減し、本人との関係を保ちながら在宅生活を継続できる。 サービス利用中に家族が休息や自分の時間を持つことができる。 本人の利用状況と家族の負担を共有し、必要に応じて支援内容を見直す。

認知症・デイサービス拒否のケアプランで意識したいポイント

「拒否」という言葉だけで終わらせない

「デイサービス拒否」と記録するだけでは、本人がなぜ嫌がっているのかが分かりません。知らない場所への不安、集団活動が苦手、自宅を離れたくない、自分で決めたい、介護を受けることへの抵抗など、本人なりの理由がないかを考えます。

利用できた日の様子にも注目する

自宅を出るまでは拒否していても、到着後は穏やかに過ごせる利用者もいます。逆に、利用中にも強い不安や苦痛が続いている場合もあります。「行けた・行けなかった」だけではなく、送迎前、移動中、利用中、帰宅後の様子を確認することで、本人にとって何が負担なのかを整理しやすくなります。

デイサービス利用そのものを目標にしない

本人にとっての目標は「週2回デイサービスへ行くこと」ではなく、安心して生活すること、人とのつながりを持つこと、清潔を保つこと、家族との関係を穏やかに保つことなどです。サービスは、その生活目標を実現するための手段として位置付けます。

本人に合った過ごし方を作る

すべての利用者が集団体操やレクリエーションを好むわけではありません。新聞を読む、職員と話す、静かな場所で過ごす、以前の仕事や趣味に関連した活動を行うなど、本人が「ここなら過ごしてもよい」と思える時間を作ることも重要です。

家族に「何とか連れて行ってもらう」だけの役割を背負わせない

利用日のたびに家族が説得し続けると、本人との関係が悪化したり、家族自身が疲弊したりすることがあります。家族だけに対応を任せず、送迎職員、通所介護職員、ケアマネジャーなどで本人が受け入れやすい声かけや時間帯を共有し、チームとして対応を検討します。

文例を使うときのポイント

  • 「拒否あり」だけでなく本人が嫌がる理由を考える
  • 本人の生活歴や性格、これまで大切にしてきたことを確認する
  • 利用前・利用中・利用後の様子を分けて確認する
  • 本人が安心できる人、場所、活動を把握する
  • デイサービス利用そのものを生活目標にしない
  • 本人の意思と家族の介護負担の両方をケアプランに反映する
  • 家族だけに説得や対応を任せず、関係職種で方法を共有する

まとめ

認知症のある利用者がデイサービスを拒否する場合、拒否そのものをなくすことを目的にするのではなく、本人がなぜ行きたくないのかを理解することが支援の出発点になります。

本人の生活歴、自尊心、好み、不安などを丁寧に捉え、本人が安心できる関わり方や過ごし方を整えることで、必要な支援につながる可能性があります。同時に、家族だけに介護や説得の負担を集中させず、関係職種で本人への関わり方を共有することが、本人と家族双方の在宅生活を支えるケアプランにつながります。

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