高齢者向けの無料脳トレ・認知課題プリント31〜35です。
今回の5課題は、計算や漢字を解くだけではなく、実際の生活場面を見て、必要な情報を探し、整理し、考えて判断することを重視して作成しています。
座席配置、住環境、予定管理、買い物、服薬管理など、高齢者の日常生活に近い場面を題材にしています。
注意機能、視空間認知、ワーキングメモリ、遂行機能、問題解決、計画性、認知的柔軟性などを使う構成としており、デイサービスや介護施設での脳トレだけでなく、通所リハビリでの認知機能トレーニングや、作業療法士・言語聴覚士・理学療法士などが行う高次脳機能リハビリの自主課題・机上課題・生活場面を想定した練習素材としても活用できます。
介護文例ナビの認知課題について
子ども向けに見えない、大人が取り組みやすい認知課題を目指しています。単に正解を当てるだけではなく、「どの情報を見るか」「なぜそう考えたか」「条件が変わったらどうするか」まで考えられる課題を取り入れています。
高齢者向け脳トレ・認知課題プリント31〜35
今回のプリントでは、次の5つの生活場面を扱います。
- 31|みんなが使いやすい席を考えよう
- 32|居間を安全で使いやすく整えよう
- 33|今日・昨日・明日の予定を整理しよう
- 34|買い物の計画を立てよう
- 35|薬の飲み忘れを防ごう
それぞれ異なる場面を使いながら、情報探索、複数条件の整理、時間管理、計画、比較、判断、予定変更への対応などを取り入れています。
31|みんなが使いやすい席を考えよう

複数の人の希望や身体状況を確認しながら、みんなが使いやすい座席配置を考える課題です。
「窓側がよい」「まぶしさを避けたい」「移動しやすい場所がよい」など、それぞれ異なる条件を整理しながら、全体の配置を考えます。
この課題で主に使う認知機能
- 視空間認知
- ワーキングメモリ
- 複数条件の整理
- 遂行機能
- 問題解決
- 認知的柔軟性
単純に空いている席を選ぶのではなく、複数の条件を保持しながら、全体として成立する配置を考えることがポイントです。
答えが出たあとに「なぜその席にしましたか」と理由を尋ねることで、自分の判断を言葉にする課題としても活用できます。
難易度を上げたい場合は、「この席は使用できません」「もう一人通路側を希望する人が増えました」など、新しい条件を追加して配置を考え直してもらいます。
問題+解答例・支援者向け解説を2ページPDFでダウンロードできます。
32|居間を安全で使いやすく整えよう

実際の居間に近い場面を見ながら、歩きにくい場所や、より安全で使いやすくする方法を考える課題です。
電気コード、じゅうたん、家具の配置、床に置かれた物などを確認し、単なる「危険探し」で終わらず、どのように環境を整えるとよいかまで考えます。
この課題で主に使う認知機能
- 視空間認知
- 視覚的情報探索
- 選択性注意
- 遂行機能
- 問題解決
- 計画性
「この部屋を使う人は歩行器を使用している」という条件を加えることで、一度考えた環境を別の視点から見直す必要があります。
そのため、環境の把握 → 問題点の抽出 → 改善方法の検討 → 条件変更後の再検討という思考過程を作りやすい課題です。
通所リハビリや高次脳機能リハビリでは、視空間認知や遂行機能を使う生活場面型の課題としても活用できます。
問題+解答例・支援者向け解説を2ページPDFでダウンロードできます。
33|今日・昨日・明日の予定を整理しよう

カレンダー、予定表、メモなど複数の情報を確認しながら、昨日・今日・明日の予定を整理する課題です。
単に曜日や日付を答えるのではなく、病院受診、家族からの電話、外出準備などの情報を照らし合わせながら考えます。
この課題で主に使う認知機能
- 時間的順序づけ
- 見当識
- 選択性注意
- ワーキングメモリ
- 遂行機能
- 認知的柔軟性
予定時刻が変更された場合には、出発する時間や他の予定との重なりを確認し、予定を組み直します。
予定を探して終わるのではなく、複数の予定を整理し、変更に合わせて再計画するところまで扱うのが特徴です。
遂行機能障害へのリハビリや、高次脳機能障害の方に対する予定管理・時間管理の練習素材として使用する場合は、本人の状態に合わせて情報量やヒントを調整してください。
問題+解答例・支援者向け解説を2ページPDFでダウンロードできます。
34|買い物の計画を立てよう

献立、買い物メモ、スーパーのチラシ、レシートなどを見ながら、必要な物を選び、買い物の計画を立てる課題です。
単純に商品の値段を読むだけではなく、複数の情報を照らし合わせながら、「何を買う必要があるか」「予算内に収まるか」「買い忘れはないか」を考えます。
この課題で主に使う認知機能
- 視覚的情報探索
- 選択性注意
- ワーキングメモリ
- 計算
- 比較・判断
- 遂行機能
- 問題解決
献立、チラシ、買い物メモという複数の情報から、必要なものだけを選択します。
さらに商品の合計金額を計算したり、以前のレシートと比較したりすることで、情報選択・計画・計算を組み合わせた認知課題になります。
天候などの理由で予定どおり買い物に行けない場合を想定し、「いつ行くか」「誰に頼むか」「何を優先するか」を考えることで、問題解決や認知的柔軟性の負荷も加えられます。
問題+解答例・支援者向け解説を2ページPDFでダウンロードできます。
35|薬の飲み忘れを防ごう

服薬予定表、薬ケース、予定表など複数の情報を見比べながら、確認が必要なところを探し、薬の飲み忘れを防ぐための方法を考える課題です。
この課題で重視しているのは、「薬を飲む」という知識そのものではありません。
複数の情報を照合し、食い違いに気づき、まず何を確認すればよいかを考えることが中心です。
この課題で主に使う認知機能
- 持続性注意
- 選択性注意
- 視覚的情報探索
- 情報照合
- ワーキングメモリ
- 遂行機能
- 問題解決
- 認知的柔軟性
たとえば、服薬予定表では服薬予定になっているものの、薬ケースの状態と一致しない場合には、いきなり結論を出すのではなく、本人や記録などから事実を確認する必要があります。
また、デイサービスの予定が病院受診へ変更になった場合など、外出予定の変化に合わせて準備を見直すことで、予定変更への対応も扱います。
服薬課題を使用するときの注意
このプリントは、薬の追加服用、中止、服用時刻の変更などを自己判断するための教材ではありません。実際の服薬について判断が必要な場合は、医師・薬剤師などの医療専門職へ確認してください。
問題+解答例・支援者向け解説を2ページPDFでダウンロードできます。
認知機能トレーニング・高次脳機能リハビリにも活用できます
今回の31〜35では、単純な暗記や計算だけではなく、複数の情報を見比べる、必要な情報を選ぶ、条件を保持する、順序を考える、予定を組み直す、理由を説明するといった課題を取り入れています。
主に扱うのは、注意機能、視空間認知、ワーキングメモリ、遂行機能、計画性、問題解決、認知的柔軟性、情報の比較・判断などです。
そのため、デイサービスや介護施設での認知機能トレーニングに加えて、作業療法士・言語聴覚士・理学療法士などが行う高次脳機能リハビリの自主課題、机上課題、生活場面を想定した練習としても活用できます。
特に遂行機能を意識して使用する場合は、正解を求めるだけでなく、
- 最初に何を確認したか
- どの情報を選んだか
- どの順番で考えたか
- 条件が変わったときに何を見直したか
- 他の方法を考えられたか
といった思考過程にも注目すると、課題の使い方を広げられます。
難易度は利用者に合わせて調整できます
同じプリントでも、ヒントの出し方や条件数を変えることで難易度を調整できます。
難しい場合は、見る場所を指で示したり、必要な情報を一緒に探したり、一度に提示する条件を減らしたりして進めます。
比較的簡単に取り組める場合には、新しい条件を追加する、優先順位を考える、理由を説明する、別の方法を考えるなどの質問を加えると、より高い認知負荷を設定できます。
正解だけでなく「考える過程」を大切に
今回の認知課題には、答えが一つに決まらない問題も含まれています。
そのため、正答数だけではなく、必要な情報を見つけられたか、複数の条件を整理できたか、理由を説明できたか、条件変更後に考え直せたかといった課題に取り組む過程も大切です。
高次脳機能リハビリで使用する場合にも、どの段階で支援が必要だったか、どのようなヒントで考えやすくなったかを見ることで、次の課題設定につなげやすくなります。
ご利用にあたって
本サイトのプリントは、認知症や高次脳機能障害を診断したり、重症度を判定したりするための神経心理学的検査ではありません。利用者の状態や目的に応じて、無理のない範囲でご活用ください。
高齢者向け脳トレ無料プリントを今後も追加します
介護文例ナビでは、高齢者向けの無料脳トレ・認知課題プリントを順次追加しています。
計算、言葉、記憶だけではなく、予定管理、買い物、外出、住環境、服薬など、日常生活に近い場面を使った大人向けの認知課題を充実させていきます。
デイサービス、通所リハビリ、介護施設での活動や、高次脳機能リハビリの練習素材として、利用者の状態に合わせてご活用ください。


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