ケアプラン文例【パーキンソン病・独居】|一人暮らしを続ける第1表・第2表の記入例

パーキンソン病があっても、住み慣れた自宅で一人暮らしを続けたいと希望する利用者はいます。

独居の場合には、歩行や転倒だけでなく、服薬、食事、買い物、家事、体調変化への対応など、生活全体を確認する必要があります。

一方で、「一人暮らしだから危険」と考えて本人ができていることまで支援に置き換えてしまうと、自立した生活を狭めてしまうことがあります。

ここでは、パーキンソン病がありながら、できることを続けて住み慣れた自宅で一人暮らしを継続したい利用者を例に、第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。

この記事が参考になるケース

  • パーキンソン病があり一人暮らしをしている
  • 身の回りのことは概ね自分で行えている
  • 歩行や立ち上がりに時間がかかる
  • 服薬時間の管理に少し不安がある
  • 食事や買い物が簡単なものに偏ってきている
  • 離れて暮らす家族が一人暮らしを心配している
  • 本人はできる限り今の家で生活したいと希望している

担当ケースに近い部分を選び、本人の身体機能、服薬状況、家事能力、家族との距離、緊急時の連絡方法、本人の希望などに合わせて調整してください。

※転倒の増加、急な動作状態の悪化、服薬管理の困難、食事・水分摂取量の低下などがみられる場合には、本人の希望を確認しながら支援体制を見直し、必要に応じて医療職等と連携してください。

利用者像の例

  • 77歳・男性・要介護2
  • 妻と死別し一人暮らし
  • 長女は車で約30分の場所に居住
  • パーキンソン病
  • 食事・排泄・更衣は概ね自立
  • 屋内は杖や家具等を利用しながら移動している
  • 歩き始めや方向転換時に動きにくいことがある
  • 簡単な調理、洗濯、電子レンジの使用は自分で行っている
  • 買い物は以前より負担となり、娘の支援を受けることが増えている
  • 服薬は自分で管理しているが、ときどき服用時間を忘れそうになることがある
  • 外出機会が減り、自宅で過ごす時間が増えている
  • 本人は「できるうちはこの家で暮らしたい」と希望している
  • 長女は転倒や急な体調変化を心配している

本人・家族の意向の文例

本人の意向

おすすめ文例|一人暮らしを続けたい場合

多少時間がかかっても自分でできることはまだ多いので、できる限りこの家で一人暮らしを続けたい。

別の表現①|自分の生活を守りたい場合

何でも人にしてもらう生活にはしたくない。自分でできる家事や身の回りのことは続けたい。

別の表現②|家族に頼りすぎたくない場合

娘には心配をかけたくないので、必要なところだけ助けてもらいながら自分の生活を続けたい。

家族の意向

おすすめ文例|本人の希望を尊重したい場合

一人暮らしは心配だが、父が自宅で暮らしたいという気持ちは尊重したい。困ったときに支援につながる体制があると安心できる。

別の表現|転倒や体調変化を心配している場合

毎日そばにいることはできないので、転倒や体調変化があったときに一人で抱え込まず連絡できるようにしてほしい。

第1表の文例

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果

おすすめ文例

本人は妻と暮らしてきた住み慣れた自宅で、できる限り一人暮らしを続けたいと希望している。現在、食事、排泄、更衣等は概ね自立しており、簡単な調理や洗濯等も自ら行うことができている。一方、パーキンソン病による動作緩慢や歩行の不安定さがあり、歩き始めや方向転換時に時間を要することがある。また買い物の負担が増え、服薬時間についてもときどき確認が必要な状況がみられる。長女は離れて生活しており、転倒や急な体調変化を心配している。本人が現在行えている生活動作や家事を活かしながら、困難になっている買い物や健康管理等を補い、緊急時に一人で抱え込まない連絡体制を整えることで、本人の希望する在宅生活を継続できるよう支援する必要がある。

別の表現|自立生活を重視する場合

本人はパーキンソン病による動作のしにくさがあるものの、現在も多くの生活動作や家事を自ら行うことができており、一人暮らしを続けたいという明確な希望がある。独居であることだけを理由に支援を増やすのではなく、本人が自立して行えている部分を維持し、買い物、服薬確認、外出、緊急時対応等の困難となり始めた部分を補うことが必要である。本人・家族・関係者が状態変化を共有し、本人の自己決定を尊重しながら安全な在宅生活を支援する必要がある。

総合的な援助の方針

おすすめ文例

本人が現在行えている食事、排泄、更衣、家事等をできる限り継続し、住み慣れた自宅で主体的に生活できるよう支援する。移動や生活動作の状態を確認し、自分で行える部分は本人に任せながら、安全面への配慮が必要な場面を整理する。服薬、食事・水分、買い物、体調等を継続して確認し、本人だけでは難しい部分を必要に応じて支援する。体調変化や転倒等があった際に家族や関係者へ連絡できる体制を整え、本人の自立と安心を両立した一人暮らしを支援する。

別の表現|短めにまとめたい場合

本人が現在行えている生活動作や家事を活かし、必要な部分のみ支援することで住み慣れた自宅での一人暮らしを支える。服薬、食事、移動、体調等を確認し、緊急時に家族・関係者へつながる体制を整える。

第2表の文例

独居のケースでは、「一人だから危険」という考えから始めるのではなく、本人が何を自分で行えており、どの部分に支援が必要なのかを具体的に整理します。

課題① できることを続けながら自宅で一人暮らしを続けたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

自分でできる生活動作や家事を続けながら、住み慣れた自宅で一人暮らしを続けたい。

ニーズの別表現|自立を重視する場合

必要以上に人に頼らず、自分の力を使って今までの生活を続けたい。

長期目標

本人が現在の生活能力を活かし、住み慣れた自宅で主体的な生活を継続できる。

短期目標

食事、排泄、更衣、簡単な家事等の自分で行える生活動作を継続できる。

サービス内容

本人の日常生活動作や家事能力を確認し、自分で行えている部分は継続できるよう見守る。困難となった動作のみ必要な支援方法を検討する。

課題② 薬と体調を自分でも確認しながら生活したい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

決められた薬を続け、自分の体調を確認しながら安心して生活したい。

長期目標

処方された服薬を継続し、体調の変化に気づいたときに必要な相談ができる。

短期目標

本人に合った方法で服薬時間を確認し、飲み忘れや重複を防ぎながら服薬を継続できる。

サービス内容

本人の服薬管理方法を確認し、必要に応じて分かりやすい方法を一緒に検討する。服薬状況と体調の変化を確認し、気になる状態がある場合には医療職等への相談につなげる。

課題③ 食事や買い物を続けて体調を保ちたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

自分でできる食事の準備を続けながら、必要な食事や水分を取り元気に過ごしたい。

長期目標

本人に合った方法で食事や買い物を継続し、安定した栄養・水分摂取を保つことができる。

短期目標

自分で行える簡単な調理を継続し、不足する買い物等について必要な支援を受けることができる。

サービス内容

本人が行っている調理、買い物、食事内容等を確認し、自分で行える部分は継続する。買い物等の負担が大きい部分については本人の希望を確認しながら支援方法を検討する。

課題④ 困ったときに一人で抱え込まず安心して暮らしたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

転倒や体調不良など困ったことがあったときに、一人で抱え込まず助けを求められるようにしたい。

長期目標

体調変化や緊急時にも必要な人へ相談・連絡でき、安心して一人暮らしを継続できる。

短期目標

本人が困ったときの連絡先や相談方法を理解し、必要時に家族や関係者へ連絡できる。

サービス内容

転倒、体調不良、生活上の困りごとが生じた場合の連絡方法を本人・家族・関係者で確認する。本人が無理をして一人で対応し続けないよう、相談しやすい体制を整える。

第2表の完成イメージ

上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。

※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標 サービス内容
自分でできる生活動作や家事を続けながら、自宅で一人暮らしを続けたい。 現在の生活能力を活かし、住み慣れた自宅で主体的な生活を継続できる。 自分で行える食事・排泄・更衣・家事等を継続できる。 生活動作を確認し、自分で行える部分は見守り、困難な部分のみ支援する。
薬と体調を自分でも確認しながら安心して生活したい。 服薬を継続し、体調変化時に必要な相談ができる。 本人に合った方法で服薬時間を確認し、服薬を継続できる。 服薬管理方法と体調を確認し、必要時に医療職等へ相談する。
自分でできる食事の準備を続け、必要な食事・水分を取りたい。 食事や買い物を継続し、安定した栄養・水分摂取を保てる。 簡単な調理を継続し、買い物等について必要な支援を受けられる。 食事・調理・買い物状況を確認し、本人が難しい部分を補う。
困ったことがあったときに一人で抱え込まず助けを求めたい。 緊急時にも必要な人へ相談・連絡でき、安心して生活できる。 困ったときの連絡先や相談方法を理解し、必要時に連絡できる。 緊急時・体調変化時の連絡方法を本人・家族・関係者で共有する。

パーキンソン病・独居のケアプランで意識したいポイント

「独居=生活できない」と考えない

一人暮らしでも、食事、更衣、排泄、家事、服薬など多くの生活動作を本人自身で行えている場合があります。まずは現在できていることを具体的に把握します。

できない部分だけを支援する

買い物が難しくなったからといって調理や家事まですべて代行する必要はありません。本人が継続できる部分と支援が必要な部分を分けます。

服薬管理は具体的に確認する

「自己管理できている」という確認だけではなく、薬の準備、服用時間の確認、飲み忘れや重複の有無など、実際の方法を確認します。

食生活の変化を見逃さない

調理ができていても、動作の負担から簡単な食事ばかりになったり、買い物回数が減って食材が不足したりすることがあります。食事内容や体重等も確認します。

緊急時の連絡方法を具体的にする

「何かあれば娘へ連絡する」というだけではなく、本人が電話を使えるか、連絡先をすぐ確認できるか、誰へ連絡するのかなどを具体的に整理します。

家族の心配だけで生活を制限しない

離れて暮らす家族が心配することは自然ですが、安全を理由に本人の生活すべてを代行すると自立が失われる場合があります。本人の希望と実際の生活能力を基準に支援を考えます。

状態変化を早く共有できる関係を作る

歩行状態、服薬、食事、体重、外出、家事等の変化を確認し、本人が困り始めた段階で支援方法を見直せるようにします。

文例を使うときのポイント

  • 本人が現在一人で行えていることを確認する
  • 支援が必要な部分だけを具体的に整理する
  • 服薬方法を実際の生活場面で確認する
  • 食事内容や買い物状況を見る
  • 転倒歴や屋内移動状況を確認する
  • 家族との距離や支援可能な頻度を把握する
  • 緊急時の連絡方法を具体化する
  • 本人の一人暮らしを続けたいという希望を尊重する

まとめ

パーキンソン病のある利用者が一人暮らしをしている場合には、独居であることだけを理由に「危険」と判断するのではなく、本人が現在どのような生活を送れているのかを具体的に確認することが重要です。

本人が自分で行えている生活動作や家事を残しながら、服薬、買い物、食事、移動、緊急時対応など困難になってきた部分を補います。

本人の自己決定を尊重し、必要な支援だけを組み合わせることで、パーキンソン病があっても住み慣れた自宅で自分らしい一人暮らしを続けるためのケアプランにつながります。

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