ケアプラン文例【パーキンソン病・体重減少】|食欲低下・低栄養が心配な場合の第1表・第2表の記入例

パーキンソン病のある利用者では、食事動作に時間がかかる、疲れて途中で食事をやめる、買い物や調理が負担になるなど、さまざまな理由から食事量が減少することがあります。

体重が減少している場合には、「もっと食べてもらう」という対応だけではなく、なぜ食事量が減っているのかを生活全体から確認することが重要です。

ここでは、パーキンソン病があり体重減少がみられるものの、自分で食べることや今までの食生活をできる限り続けたい利用者を例に、第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。

この記事が参考になるケース

  • 最近体重が減少している
  • 以前より食事量が少なくなっている
  • 食事に時間がかかり途中で疲れてしまう
  • 買い物や調理が負担になっている
  • 簡単な食事に偏ることが増えている
  • 家族が低栄養を心配している
  • 本人は自分で食事を続けたい

担当ケースに近い部分を選び、体重変化、食事量、食事動作、嚥下状態、買い物・調理能力、本人の好み、家族状況などに合わせて調整してください。

※意図しない体重減少が続く、食事・水分摂取量が著しく低下している、むせや発熱がみられる、脱水が疑われるなどの場合には、早めに主治医や管理栄養士等へ相談し、原因の確認と必要な支援につなげてください。

利用者像の例

  • 80歳・女性・要介護2
  • 長男夫婦と同居
  • パーキンソン病
  • 食事は基本的に自力摂取している
  • 以前より食事に時間がかかるようになっている
  • 食事後半になると疲れて箸が止まることがある
  • 朝食はパンと飲み物だけで済ませることが増えている
  • 昼食も量が少なくなっている
  • 最近数か月で体重が減少している
  • 本人は「そんなに食べられなくなった」と話している
  • 長男の妻は食事量と体重減少を心配している
  • 本人は好きな煮物や果物は比較的食べることができる
  • できるだけ自分で食事をしたいという希望がある

本人・家族の意向の文例

本人の意向

おすすめ文例|無理なく食べたい場合

たくさんは食べられなくなったが、好きなものを自分で食べて元気に過ごしたい。

別の表現①|自力摂取を続けたい場合

時間がかかっても、自分で食べられるうちは自分で食事を続けたい。

別の表現②|食べることを楽しみたい場合

食べなさいと言われるより、自分が食べたいものを楽しみながら食べたい。

家族の意向

おすすめ文例|体重減少を心配している場合

以前より痩せてきているので心配している。無理なく食べられる方法を考え、体力を保ってほしい。

別の表現|本人の好みを尊重したい場合

量だけを増やすのではなく、本人が食べたいものや食べやすいものを取り入れていきたい。

第1表の文例

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果

おすすめ文例

本人は長男夫婦と自宅で生活し、食事についてもできる限り自分で食べながら現在の生活を続けたいと希望している。

現在も自力摂取は可能であるが、パーキンソン病による動作のしにくさや疲労から食事に時間を要し、食事後半には摂取量が減少することがある。

朝食や昼食を簡単に済ませることも増えており、数か月前と比較して体重減少がみられている。

一方、本人の好物については比較的摂取できており、自分で食べたいという意欲も保たれている。

食事量だけでなく、食事動作、疲労、嚥下状態、食事内容、体重変化等を継続して確認し、本人の好みや自力摂取能力を活かしながら必要な栄養と水分を確保できるよう支援する必要がある。

別の表現|生活全体から低栄養リスクを捉える場合

本人は食事を自分で摂取できているものの、動作に時間がかかることや疲労等により食事量が減少し、体重低下がみられている。

単に食事量を増やすことを求めるのではなく、食事内容、食べやすさ、本人の好み、食事時間、体調等を確認し、無理なく食事を継続できる環境を整える必要がある。

総合的な援助の方針

おすすめ文例

本人が自分で食べたいという希望と食事の楽しみを尊重しながら、安定した栄養・水分摂取を継続できるよう支援する。

食事量、体重、食事時間、疲労、食事動作等を継続して確認し、食事量が減少している原因を具体的に把握する。

本人の好物や食べやすい食品を取り入れ、自力摂取できる環境と十分な食事時間を確保する。

体重減少や摂取量低下が続く場合には医療職や管理栄養士等と情報を共有し、本人の状態に応じて支援内容を見直す。

別の表現|短めにまとめたい場合

本人の好みと自力摂取能力を活かし、無理なく食事を継続して必要な栄養・水分を確保できるよう支援する。

食事量と体重変化を継続して確認し、必要に応じて医療・栄養の専門職と連携する。

第2表の文例

体重減少がみられる場合には、「体重を増やすこと」だけを目標にせず、本人が無理なく食事を続け、体力や生活機能を維持できることを目標として考えます。

課題① 自分で食べることを続けながら体力を保ちたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

自分で食べられる力を使いながら、必要な食事を取り元気に生活したい。

ニーズの別表現|自立を重視する場合

時間がかかっても自分で食事を続け、今の体力をできるだけ保ちたい。

長期目標

本人の自力摂取能力を活かし、安定した食事摂取と体力を維持できる。

短期目標

自分のペースで食事を行い、無理のない範囲で必要な食事量を摂取できる。

サービス内容

食事動作、食事時間、摂取量、疲労等を確認し、本人が自力で食べられる環境と十分な時間を確保する。

課題② 食べやすく好きなものを取り入れて食事を楽しみたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

好きなものや食べやすいものを取り入れ、食事を楽しみながら必要な栄養を取りたい。

長期目標

本人の好みに合った食事を楽しみながら、安定した栄養摂取を継続できる。

短期目標

本人の好物や食べやすい食品を取り入れ、食べられる量を確保できる。

サービス内容

本人の好み、食べやすい食品、食事量等を確認し、本人が無理なく食べられる食事内容を検討する。

課題③ 体重や体調の変化を確認しながら生活したい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

体重や食事量の変化を確認しながら、体調を崩さず生活したい。

長期目標

食事量や体重の変化を早期に把握し、必要な支援を受けながら安定した体調を維持できる。

短期目標

定期的に体重と食事状況を確認し、変化があった場合に家族や関係者へ相談できる。

サービス内容

体重、食事量、水分摂取量、食事時間等を継続して確認し、変化を本人・家族・関係者で共有する。

体重減少や摂取量低下が続く場合には、必要に応じて医療職や管理栄養士等への相談につなげる。

課題④ 家族も食べさせることだけに負担を感じず支えたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

家族も無理に食べさせようとせず、本人が食べやすい方法を一緒に考えながら支えたい。

長期目標

本人が自分のペースで食事を続け、家族も過度な不安や負担を感じず食生活を支援できる。

短期目標

本人が食べやすいものや食事量について家族・関係者で共有し、無理のない支援方法を確認できる。

サービス内容

本人の好みや摂取状況を家族と共有し、食事量だけを求めず、本人が食べやすく楽しめる方法を一緒に検討する。

第2表の完成イメージ

上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。

※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標 サービス内容
自分で食べる力を使いながら、必要な食事を取り元気に生活したい。 自力摂取能力を活かし、安定した食事摂取と体力を維持できる。 自分のペースで無理なく必要な食事量を摂取できる。 食事動作・食事時間・摂取量・疲労を確認し、自力摂取しやすい環境を整える。
好きなものや食べやすいものを取り入れ、食事を楽しみたい。 本人の好みに合った食事を楽しみながら、安定した栄養摂取を継続できる。 好物や食べやすい食品を取り入れ、食べられる量を確保できる。 本人の好み・食べやすさ・摂取量を確認し、食事内容を検討する。
体重や食事量の変化を確認しながら、体調を崩さず生活したい。 変化を早期に把握し、必要な支援を受けながら体調を維持できる。 定期的に体重・食事状況を確認し、変化時に相談できる。 体重・食事・水分等を確認し、必要時に医療・栄養職へつなげる。
家族も無理に食べさせず、本人に合った方法で食生活を支えたい。 本人が自分のペースで食べ、家族も無理なく支援できる。 本人が食べやすい方法を家族・関係者で共有できる。 本人の好みと摂取状況を共有し、無理のない支援方法を検討する。

パーキンソン病・体重減少のケアプランで意識したいポイント

「食べていない理由」を確認する

食欲だけでなく、食事動作、疲労、嚥下、便秘、買い物や調理の負担など、食事量が減っている背景を確認します。

体重の変化を継続して見る

一回の体重だけではなく、以前と比べてどのように変化しているのかを確認します。衣服が緩くなった、食事量が減ったなどの日常の変化も重要です。

一日三食すべて同じ量を求めない

食事量には時間帯による差がある場合があります。本人が比較的食べやすい時間や食品を確認し、一日の食生活全体で考えます。

本人の好みを活かす

食べられる量が減っている場合には、本人が好んで食べるものを把握することも重要です。本人の楽しみを残しながら食事を考えます。

食事動作による疲労を見る

食欲があっても、食具操作や姿勢保持に時間がかかり、食事の途中で疲れてしまうことがあります。食事後半の様子まで確認します。

水分摂取も一緒に確認する

食事量が低下している場合には、水分摂取状況も合わせて確認します。飲む回数や本人が好む飲み物など、実際の生活場面を把握します。

家族に「食べさせる責任」を背負わせすぎない

家族が体重減少を心配するほど、「もっと食べさせなければ」と負担を感じることがあります。本人の状態を関係者で共有し、家族だけに対応を任せないことも重要です。

文例を使うときのポイント

  • 以前からの体重変化を確認する
  • 食事量が減った時期を確認する
  • 食欲だけでなく食事動作や疲労を見る
  • むせや飲み込みの変化を確認する
  • 買い物・調理状況も確認する
  • 本人の好物や食べやすい食品を把握する
  • 水分摂取状況も確認する
  • 家族だけに食事管理を任せすぎない

まとめ

パーキンソン病のある利用者に体重減少がみられる場合には、「食事量が少ない」という結果だけではなく、その背景を確認することが重要です。

食事動作、疲労、食べやすさ、本人の好み、買い物や調理、嚥下状態などを生活全体から確認し、本人が無理なく食事を続けられる方法を考えます。

本人が自分で食べる力と食事の楽しみを活かしながら、体重や食事量の変化を継続して確認し、必要なときには専門職につなげることが、安定した在宅生活を支えるケアプランにつながります。

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