パーキンソン病のある利用者では、小字症や手指の動かしにくさから、郵便物の開封や書類記入を家族へ任せることがあります。
書ける文字の大きさだけで判断せず、宛名を読む、分類する、印を付ける、説明を聞いて意思を示す力を評価することが重要です。
ここでは、大きな表示の分類箱と付箋を使い、届いた書類を自分で確認して娘へ必要な手続きを頼みたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 眼鏡を使えば封筒の宛名と差出人を読める
- レターオープナーを机上で滑らせて開封できる
- 保管、要手続き、不要の三つの箱へ分類できる
- 記入欄へ長文を書くことは難しいが付箋へ丸印を付けられる
- 内容が分からない書類を長女へ質問できる
- 本人は確認せず処分されることを望んでいない
- 長女は本人の判断後に手続きを支援したい
読む力、開封方法、分類、署名・記入、理解、詐欺等への備え、家族の支援範囲を本人と確認してください。
※契約や金銭に関わる重要書類は本人の理解と意思を確認し、必要に応じて関係機関や専門職へ相談してください。
利用者像の例
- 80歳・女性・要介護2
- 一人暮らしで長女が週二回訪問
- 元信用金庫職員で、家計と書類を自分で管理してきた
- 眼鏡を使えば封筒の宛名と差出人を読める
- レターオープナーを机上で滑らせて開封できる
- 保管、要手続き、不要の三つの箱へ分類できる
- 記入欄へ長文を書くことは難しいが付箋へ丸印を付けられる
- 内容が分からない書類を長女へ質問できる
- 本人は確認せず処分されることを望んでいない
- 長女は本人の判断後に手続きを支援したい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
字は書きにくいが、誰から来たかを読んで分けることはできるので、自分で確認してから娘に頼みたい。
家族の意向
おすすめ文例
勝手に開けたり処分したりせず、本人が分類して質問した書類を一緒に確認したい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は一人暮らしを続け、元信用金庫職員として長年行ってきた書類管理を可能な範囲で自分で続けたいと希望している。
眼鏡を使用して差出人を読み、レターオープナーで開封し、三つの分類箱へ分けることができる。
長文記入は難しいが付箋へ丸印を付け、分からない内容を長女へ質問し、支援を依頼できる。
家族が先に判断・処分せず、本人の分類と意思確認後に必要な記入や連絡を補助する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が読む、開ける、分類する、質問する力を活かし、重要書類の確認へ主体的に参加できるよう支援する。
机上に照明、レターオープナー、三分類箱、太い筆記具を整え、週二回まとめて確認する。
契約・金銭に関わる書類は一度保留し、長女が内容を読み上げ、本人の理解と意思を確認してから手続きする。
第2表の文例
書類を一人で処理することではなく、本人が内容を確認して分類し、必要な支援を自分で選べることを目標にします。
課題① 届いた郵便物の差出人を読み、自分で開封したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
届いた郵便物の差出人を読み、自分で開封したい。
長期目標
本人が無理のない方法で郵便物を確認できる。
短期目標
眼鏡とレターオープナーを使い、一日三通程度を開封できる。
サービス内容
明るい机上に道具を準備し、急かさず本人が差出人を確認してから開封する。
課題② 書類を分類し、必要な手続きを自分で選びたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
書類を分類し、必要な手続きを自分で選びたい。
長期目標
本人の判断が書類管理へ反映される。
短期目標
保管、要手続き、不要の箱へ分け、分からない書類に付箋で印を付けられる。
サービス内容
三つの箱を大きな文字と色で表示し、家族は本人の分類後に内容を確認する。
課題③ 重要な内容を娘と確認し、納得して手続きを頼みたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
重要な内容を娘と確認し、納得して手続きを頼みたい。
長期目標
本人が説明を理解し、手続きへの意思を示せる。
短期目標
長女の説明後に、自分で行う、支援を頼む、保留するのいずれかを選べる。
サービス内容
長女は一度に一項目ずつ説明し、本人の返答を待ち、了承後に記入や連絡を補助する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 届いた郵便物の差出人を読み、自分で開封したい。 | 本人が無理のない方法で郵便物を確認できる。 | 眼鏡とレターオープナーを使い、一日三通程度を開封できる。 | 明るい机上に道具を準備し、急かさず本人が差出人を確認してから開封する。 |
| 書類を分類し、必要な手続きを自分で選びたい。 | 本人の判断が書類管理へ反映される。 | 保管、要手続き、不要の箱へ分け、分からない書類に付箋で印を付けられる。 | 三つの箱を大きな文字と色で表示し、家族は本人の分類後に内容を確認する。 |
| 重要な内容を娘と確認し、納得して手続きを頼みたい。 | 本人が説明を理解し、手続きへの意思を示せる。 | 長女の説明後に、自分で行う、支援を頼む、保留するのいずれかを選べる。 | 長女は一度に一項目ずつ説明し、本人の返答を待ち、了承後に記入や連絡を補助する。 |
パーキンソン病・書類整理のケアプランで意識したいポイント
書字以外の能力を評価する
読む、分類する、質問する、選ぶ力を確認し、書けないことを意思決定できないことと結びつけません。
家族が先に処分しない
本人が差出人と内容を確認する時間を確保し、支援は本人の判断後に行います。
重要書類は保留できる仕組みにする
その場で決めず、要手続き箱へ保管して長女と確認できるようにします。
文例を使うときのポイント
- 眼鏡と照明を確認する
- 開封しやすい道具を整える
- 分類を三種類程度に絞る
- 本人の質問と選択を待つ
- 契約書類は支援者と再確認する
まとめ
郵便物や書類の管理では、書字だけでなく、読む、分類する、質問する、選ぶ能力を評価します。
本人が確認してから長女へ必要な支援を頼む流れを作ることで、生活上の意思決定を守る計画になります。
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