パーキンソン病のある利用者では、症状そのものだけでなく、これまでの生活習慣や役割、本人が行っている工夫を確認することが重要です。
ここでは、表情の変化が少ないため気持ちを誤解されることがあるが、言葉やうなずきで意思を示し、家族との役割を続けたい利用者を例に、第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。
この記事が参考になるケース
- 表情の変化が少なく反応がないように受け取られることがある
- 質問を理解し、短い言葉で好みや判断を伝えられる
- うなずきと首振りを使い分けられる
- 返答までに時間がかかることがある
- 妻は反応が乏しいと感じて先に決めることが増えている
- 本人は献立決めと買い物の品選びを続けたい
担当ケースに近い部分を選び、本人の状態、生活歴、できている方法、家族状況、利用中のサービスに合わせて調整してください。
※急な状態変化や生活上の支障が大きくなった場合には、本人の意向を確認したうえで主治医等へ相談し、必要な支援につなげてください。
利用者像の例
- 74歳・男性・要介護1
- 妻と二人暮らし
- 元料理人で、今も献立を考えることを楽しみにしている
- 表情の変化が少なく反応がないように受け取られることがある
- 質問を理解し、短い言葉で好みや判断を伝えられる
- うなずきと首振りを使い分けられる
- 返答までに時間がかかることがある
- 妻は反応が乏しいと感じて先に決めることが増えている
- 本人は献立決めと買い物の品選びを続けたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
顔に出にくいだけで考えていることはある。献立や買う物は、これからも妻と相談して決めたい。
家族の意向
おすすめ文例
返事がないと思って先に決めてしまうことがあるので、本人の言葉やうなずきを待って確認したい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は元料理人として食への関心が高く、現在も家庭の献立や食材選びに関わることを自分の役割と考えている。
表情の変化が少なく返答にも時間を要するため、周囲から意思がないように受け取られることがあるが、質問を理解し、短い言葉とうなずき・首振りで判断を示すことができる。
妻が先に決める場面が増えているため、表情だけで判断せず、本人へ具体的に問いかけて返答を待つ必要がある。
本人の意思表示方法を家族・関係者で共有し、家庭内の役割と意思決定への参加を継続できるよう支援する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
表情の大きさだけで本人の気持ちや理解を判断せず、短い言葉、うなずき、首振りを含めて意思を確認する。
一度に一つずつ具体的に問いかけ、返答までの時間を確保する。
本人が大切にしてきた献立決めと食材選びの役割を継続できるよう支援する。
第2表の文例
本人のできていることと生活上の目的を明確にし、必要な支援だけを組み合わせます。
課題① 表情だけで決めつけられず、自分の気持ちを確認してほしい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
表情だけで決めつけられず、自分の気持ちを確認してほしい。
長期目標
本人の言葉や合図が尊重され、希望が生活に反映される。
短期目標
具体的な質問に言葉、うなずき、首振りで返答できる。
サービス内容
一度に一つずつ問いかけ、返答を待ち、受け取った内容を本人に再確認する。
課題② 妻と相談しながら、家庭のことを決めたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
妻と相談しながら、家庭のことを決めたい。
長期目標
本人と妻が互いの意向を確認して生活上の選択ができる。
短期目標
毎日の献立について本人が希望を示せる。
サービス内容
献立候補を具体的に示し、本人の言葉や合図を確認してから決定する。
課題③ 料理人としての経験を活かし、食材選びに関わりたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
料理人としての経験を活かし、食材選びに関わりたい。
長期目標
これまでの経験を活かした家庭内の役割を継続できる。
短期目標
買い物前に必要な食材を妻へ伝えられる。
サービス内容
写真やメモも用いながら本人が食材を選ぶ時間を確保し、選択内容を家族と共有する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 表情だけで決めつけられず、自分の気持ちを確認してほしい。 | 本人の言葉や合図が尊重され、希望が生活に反映される。 | 具体的な質問に言葉、うなずき、首振りで返答できる。 | 一度に一つずつ問いかけ、返答を待ち、受け取った内容を本人に再確認する。 |
| 妻と相談しながら、家庭のことを決めたい。 | 本人と妻が互いの意向を確認して生活上の選択ができる。 | 毎日の献立について本人が希望を示せる。 | 献立候補を具体的に示し、本人の言葉や合図を確認してから決定する。 |
| 料理人としての経験を活かし、食材選びに関わりたい。 | これまでの経験を活かした家庭内の役割を継続できる。 | 買い物前に必要な食材を妻へ伝えられる。 | 写真やメモも用いながら本人が食材を選ぶ時間を確保し、選択内容を家族と共有する。 |
パーキンソン病・表情が乏しいのケアプランで意識したいポイント
無表情を無関心や理解不足と結びつけない
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
返答までの時間と本人固有の合図を把握する
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
本人が意思を示した後に家族の意向を確認する
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
生活歴から本人が続けたい役割を具体化する
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
文例を使うときのポイント
- 無表情を無関心や理解不足と結びつけない
- 返答までの時間と本人固有の合図を把握する
- 本人が意思を示した後に家族の意向を確認する
- 生活歴から本人が続けたい役割を具体化する
まとめ
パーキンソン病のケアプランでは、困難だけでなく、本人が理解していること、行えている動作、生活の中で工夫している方法を具体的に評価することが重要です。
本人の意思を最初に確認し、生活歴と本人らしい役割を活かしながら、必要な部分だけを支援する計画につなげます。
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