パーキンソン病のある利用者では、症状そのものだけでなく、これまでの生活習慣や役割、本人が行っている工夫を確認することが重要です。
ここでは、電話では小声が伝わりにくいが、定型文や短縮登録を使い、離れて暮らす妹や関係機関へ自分で連絡したい利用者を例に、第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。
この記事が参考になるケース
- 対面では静かな場所なら会話が伝わる
- 電話では小声と発音の不明瞭さから聞き返されることが多い
- 通話相手と用件を理解し、自分の希望をまとめられる
- 短い用件を紙に書いてから話すと伝えやすい
- スマートフォンの短縮登録から妹へ発信できる
- 本人は日常の連絡をすべて妹任せにしたくない
- 妹は緊急時の連絡方法を一緒に整えたい
担当ケースに近い部分を選び、本人の状態、生活歴、できている方法、家族状況、利用中のサービスに合わせて調整してください。
※急な状態変化や生活上の支障が大きくなった場合には、本人の意向を確認したうえで主治医等へ相談し、必要な支援につなげてください。
利用者像の例
- 77歳・女性・要介護2
- 一人暮らし
- 妹が市内に住んでいる
- 対面では静かな場所なら会話が伝わる
- 電話では小声と発音の不明瞭さから聞き返されることが多い
- 通話相手と用件を理解し、自分の希望をまとめられる
- 短い用件を紙に書いてから話すと伝えやすい
- スマートフォンの短縮登録から妹へ発信できる
- 本人は日常の連絡をすべて妹任せにしたくない
- 妹は緊急時の連絡方法を一緒に整えたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
電話は聞き返されるが、用件を準備すれば自分で話せる。妹にも事業所にも、できる連絡は自分でしたい。
家族の意向
おすすめ文例
本人が自分で連絡できる方法を残し、伝わらないときや緊急時に補えるようにしたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は一人暮らしを続け、日常の連絡も可能な範囲で自分で行いたいと希望している。
電話では小声と発音の不明瞭さにより聞き返されることが多いが、相手と用件を理解し、短い文章を準備して話すことができる。
短縮登録を用いて妹へ発信でき、対面や文字による伝達も可能である。
電話のみを唯一の連絡手段とせず、本人が選べる複数の方法を準備し、通常時と緊急時の連絡方法を本人と確認する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が用件を整理して自分で連絡できるよう、短い定型文や連絡先の短縮登録を活用する。
電話で伝わりにくい場合に、文字、対面、家族の補足など本人が選べる代替手段を準備する。
緊急時の連絡先と伝える内容を本人・家族・関係者で確認する。
第2表の文例
本人のできていることと生活上の目的を明確にし、必要な支援だけを組み合わせます。
課題① 日常の用件は、できるだけ自分で電話して伝えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
日常の用件は、できるだけ自分で電話して伝えたい。
長期目標
準備した内容を用いて必要な連絡を自分で行える。
短期目標
通話前に用件を短い文で整理し、相手に一つずつ伝えられる。
サービス内容
本人と定型文や用件メモを作り、静かな環境で通話できるよう準備する。
課題② 電話で伝わらないときも、別の方法で希望を届けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
電話で伝わらないときも、別の方法で希望を届けたい。
長期目標
本人が状況に応じた伝達方法を選び、連絡を完了できる。
短期目標
電話が難しい場合に、文字や家族の補足など希望する方法を選べる。
サービス内容
本人が利用可能な連絡方法を確認し、切り替える条件と支援を頼む相手を本人と決める。
課題③ 緊急時にも慌てず、必要な相手へ連絡したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
緊急時にも慌てず、必要な相手へ連絡したい。
長期目標
緊急時の連絡方法が明確になり、一人暮らしを安心して続けられる。
短期目標
見やすい連絡先表から必要な相手を選んで発信できる。
サービス内容
連絡先を大きく表示して短縮登録し、本人が伝えやすい住所・症状・希望の定型文を一緒に確認する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 日常の用件は、できるだけ自分で電話して伝えたい。 | 準備した内容を用いて必要な連絡を自分で行える。 | 通話前に用件を短い文で整理し、相手に一つずつ伝えられる。 | 本人と定型文や用件メモを作り、静かな環境で通話できるよう準備する。 |
| 電話で伝わらないときも、別の方法で希望を届けたい。 | 本人が状況に応じた伝達方法を選び、連絡を完了できる。 | 電話が難しい場合に、文字や家族の補足など希望する方法を選べる。 | 本人が利用可能な連絡方法を確認し、切り替える条件と支援を頼む相手を本人と決める。 |
| 緊急時にも慌てず、必要な相手へ連絡したい。 | 緊急時の連絡方法が明確になり、一人暮らしを安心して続けられる。 | 見やすい連絡先表から必要な相手を選んで発信できる。 | 連絡先を大きく表示して短縮登録し、本人が伝えやすい住所・症状・希望の定型文を一緒に確認する。 |
パーキンソン病・電話での会話のケアプランで意識したいポイント
電話の聞き取りにくさと意思形成能力を分けて捉える
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
用件メモなど本人がすでに行う工夫を活かす
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
電話に限定せず本人が選べる代替手段を準備する
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
緊急時の連絡は実際の生活場面に沿って具体化する
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
文例を使うときのポイント
- 電話の聞き取りにくさと意思形成能力を分けて捉える
- 用件メモなど本人がすでに行う工夫を活かす
- 電話に限定せず本人が選べる代替手段を準備する
- 緊急時の連絡は実際の生活場面に沿って具体化する
まとめ
パーキンソン病のケアプランでは、困難だけでなく、本人が理解していること、行えている動作、生活の中で工夫している方法を具体的に評価することが重要です。
本人の意思を最初に確認し、生活歴と本人らしい役割を活かしながら、必要な部分だけを支援する計画につなげます。
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