認知症の訪問リハビリでは、記憶課題だけでなく、本人が慣れた環境で行えている生活動作を評価します。手順や物品配置を分かりやすく整えます。
本記事では、認知症の方が慣れた洗面・更衣を続けるための訪問リハビリのケアプランを紹介します。物品配置と一つずつの声かけを使い、本人に任せる工程を第1表・第2表で示します。
この記事が参考になるケース
- 80代女性。認知症があり夫と二人暮らし。衣服の順序に迷うが、洗面所の決まった場所に道具があれば歯磨きは自分で行える。
- 本人は「自分でできる身支度を続け、朝を気持ちよく始めたい。」と希望している。
- 家族は「失敗を責めず、本人ができる方法を覚えたい。」と考えている。
訪問リハビリテーションは主治医の指示に基づき、本人の状態と生活目標に合わせて事業所・関係職種と内容を確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
自分でできる身支度を続け、朝を気持ちよく始めたい。
家族の意向
おすすめ文例
失敗を責めず、本人ができる方法を覚えたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
80代女性。認知症があり夫と二人暮らし。衣服の順序に迷うが、洗面所の決まった場所に道具があれば歯磨きは自分で行える。
本人には「自分でできる身支度を続け、朝を気持ちよく始めたい。」という希望があり、歯磨きの慣れた動作と、更衣の順番を選ぶ難しさを分け、本人ができる工程を奪わず必要な手がかりだけを補う必要がある。
認知機能、理解、視覚、上肢動作、生活習慣を評価し、実際の洗面所で手順と物品配置を調整する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が慣れた洗面所と残っている手続き記憶を生かして朝の身支度を続けられるよう、訪問リハビリテーションが物品配置と手順を整え、夫と短い声かけ・待ち方・できた工程の認め方を共有します。
別の表現|短めにまとめたい場合
慣れた洗面所と残っている手順を生かし、朝の身支度を続けられるよう支援します。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 自分で朝の身支度をしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
自分で朝の身支度をしたい。
長期目標
慣れた環境で洗面・歯磨き・更衣を続けられる。
短期目標
決めた場所の道具を使い、歯磨きを自分で行える。
サービス内容
認知機能、理解、視覚、上肢動作、生活習慣を評価し、実際の洗面所で手順と物品配置を調整する。
課題② 着替えの順序を分かりやすくしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
着替えの順序を分かりやすくしたい。
長期目標
混乱を減らし、できる更衣動作へ参加できる。
短期目標
順番に並べた衣服から一枚ずつ着られる。
サービス内容
衣類の選択肢、配置、表示、声かけを簡潔にし、本人が行える工程を家族と確認する。
課題③ 家族に急かされず見守ってほしい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
家族に急かされず見守ってほしい。
長期目標
本人の尊厳が保たれ、家族も穏やかに支援できる。
短期目標
夫が一度に一つの声かけを行い、反応を待てる。
サービス内容
失敗を修正し続けず、成功しやすい環境と声かけを夫へ助言し、負担が強い時は他サービスと調整する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 自分で朝の身支度をしたい。 | 慣れた環境で洗面・歯磨き・更衣を続けられる。 | 決めた場所の道具を使い、歯磨きを自分で行える。 | 認知機能、理解、視覚、上肢動作、生活習慣を評価し、実際の洗面所で手順と物品配置を調整する。 |
| 着替えの順序を分かりやすくしたい。 | 混乱を減らし、できる更衣動作へ参加できる。 | 順番に並べた衣服から一枚ずつ着られる。 | 衣類の選択肢、配置、表示、声かけを簡潔にし、本人が行える工程を家族と確認する。 |
| 家族に急かされず見守ってほしい。 | 本人の尊厳が保たれ、家族も穏やかに支援できる。 | 夫が一度に一つの声かけを行い、反応を待てる。 | 失敗を修正し続けず、成功しやすい環境と声かけを夫へ助言し、負担が強い時は他サービスと調整する。 |
訪問リハビリテーションのケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
訓練の実施自体を目標にせず、本人が自宅で続けたい動作や役割を確認します。
訓練と生活をつなぐ
歯ブラシを取る・磨くなど自発的にできる工程は本人に任せます。手が止まったら、夫は一つの具体的な声かけや物の提示を行って反応を待ち、それでも難しい部分を手伝います。毎回全工程を説明せず、衣服の並べ方や道具の位置をそろえ、本人が選べる余地も残します。
変化と連絡方法を共有する
自発的にできた工程、声かけで再開できた工程、身体介助が必要だった工程を分けて記録します。所要時間だけで成功と判断せず、混乱や不快な表情、夫の声かけ回数・負担も確認します。普段より急にできなくなった場合は認知症の進行と決めつけず、体調や環境の変化を関係職種と確認します。
文例を使うときのポイント
- 認知機能の低下だけでなく、慣れた場所、手続き記憶、視覚的な手がかり、本人の生活歴を生かします。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 病状・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
歯磨きなど本人が続けられる工程を見極め、物品配置と声かけを整えます。先回りせず待ち、できた工程の変化を確認します。


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