パーキンソン病のある利用者では、症状そのものだけでなく、これまでの生活習慣や役割、本人が行っている工夫を確認することが重要です。
ここでは、財布からお金やカードを出す動作に時間がかかるが、商品を選び、近所の店で自分の買い物を続けたい利用者を例に、第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。
この記事が参考になるケース
- 歩行は杖を使用し、夫の同行があれば店舗内を移動できる
- 商品と価格を確認し必要な物を選べる
- 財布から小銭やカードを出す動作に時間がかかる
- 後ろに人が並ぶと焦って手が動きにくくなる
- 支払い用のカードを取り出しやすい場所に準備できる
- 本人は店員とのやり取りを含めて自分で買い物したい
- 夫は急かさず必要時だけ手伝いたいと考えている
担当ケースに近い部分を選び、本人の状態、生活歴、できている方法、家族状況、利用中のサービスに合わせて調整してください。
※急な状態変化や生活上の支障が大きくなった場合には、本人の意向を確認したうえで主治医等へ相談し、必要な支援につなげてください。
利用者像の例
- 75歳・女性・要介護1
- 夫と二人暮らし
- 近所の商店で季節の食材を選ぶことを楽しみにしてきた
- 歩行は杖を使用し、夫の同行があれば店舗内を移動できる
- 商品と価格を確認し必要な物を選べる
- 財布から小銭やカードを出す動作に時間がかかる
- 後ろに人が並ぶと焦って手が動きにくくなる
- 支払い用のカードを取り出しやすい場所に準備できる
- 本人は店員とのやり取りを含めて自分で買い物したい
- 夫は急かさず必要時だけ手伝いたいと考えている
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
時間はかかっても、自分で食材を選び、店の人とやり取りして買い物を続けたい。
家族の意向
おすすめ文例
混雑しない時間を選び、本人が支払うのを待って、頼まれたときだけ手伝いたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は季節の食材を選ぶことを楽しみにし、近所の商店での買い物を生活の一部として大切にしている。
商品と価格を理解して選択できるが、財布から小銭やカードを取り出す動作に時間を要し、後方に人が並ぶと焦りが強くなる。
カードを取り出しやすい場所へ準備する工夫ができ、夫の同行があれば店舗内を移動できる。
本人の選択と支払い能力を活かし、混雑状況や移動時の安全を確認しながら、本人が買い物の一連の役割を継続できる支援が必要である。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が商品を選び支払う過程を尊重し、動作を急かさない環境と時間帯を選ぶ。
本人が使いやすい支払い方法と財布内の配置を一緒に確認する。
夫は本人から依頼があった場面を中心に支援し、買い物の役割を奪わないようにする。
第2表の文例
本人のできていることと生活上の目的を明確にし、必要な支援だけを組み合わせます。
課題① 自分で品物を選び、買い物を楽しみたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
自分で品物を選び、買い物を楽しみたい。
長期目標
必要な商品を自分で選び、近所の店での買い物を継続できる。
短期目標
買い物メモを確認しながら必要な商品を選べる。
サービス内容
本人と買い物内容を整理し、店内では選択を急かさず、移動時のみ必要な見守りを行う。
課題② 焦らず自分で支払いをしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
焦らず自分で支払いをしたい。
長期目標
本人に合った方法で会計を行い、店員とのやり取りを続けられる。
短期目標
取り出しやすいカード等を準備し、自分のペースで支払える。
サービス内容
混雑の少ない時間帯を選び、財布内を整え、本人の動作を待って必要時だけ支援する。
課題③ 夫に任せきりにせず、できることを続けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
夫に任せきりにせず、できることを続けたい。
長期目標
本人と夫が役割を確認し、無理なく買い物を続けられる。
短期目標
手伝ってほしい場面を本人から夫へ伝えられる。
サービス内容
本人が選ぶ・支払う役割を基本とし、移動や荷物など支援が必要な部分を本人・夫と確認する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 自分で品物を選び、買い物を楽しみたい。 | 必要な商品を自分で選び、近所の店での買い物を継続できる。 | 買い物メモを確認しながら必要な商品を選べる。 | 本人と買い物内容を整理し、店内では選択を急かさず、移動時のみ必要な見守りを行う。 |
| 焦らず自分で支払いをしたい。 | 本人に合った方法で会計を行い、店員とのやり取りを続けられる。 | 取り出しやすいカード等を準備し、自分のペースで支払える。 | 混雑の少ない時間帯を選び、財布内を整え、本人の動作を待って必要時だけ支援する。 |
| 夫に任せきりにせず、できることを続けたい。 | 本人と夫が役割を確認し、無理なく買い物を続けられる。 | 手伝ってほしい場面を本人から夫へ伝えられる。 | 本人が選ぶ・支払う役割を基本とし、移動や荷物など支援が必要な部分を本人・夫と確認する。 |
パーキンソン病・買い物・支払いのケアプランで意識したいポイント
レジ動作の遅さと金銭判断能力を分けて評価する
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
混雑時間や店員との関係など環境要因を見る
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
本人が行っているカード準備の工夫を活かす
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
安全確保だけを理由に買い物の役割を家族へ移さない
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
文例を使うときのポイント
- レジ動作の遅さと金銭判断能力を分けて評価する
- 混雑時間や店員との関係など環境要因を見る
- 本人が行っているカード準備の工夫を活かす
- 安全確保だけを理由に買い物の役割を家族へ移さない
まとめ
パーキンソン病のケアプランでは、困難だけでなく、本人が理解していること、行えている動作、生活の中で工夫している方法を具体的に評価することが重要です。
本人の意思を最初に確認し、生活歴と本人らしい役割を活かしながら、必要な部分だけを支援する計画につなげます。
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