ケアプラン文例【ショートステイ・認知症】|環境変化に配慮した第1表・第2表

認知症のある方がショートステイを利用する場合、自宅とは異なる環境や職員、他利用者との関わりによって、不安や混乱が強くなることがあります。普段は自宅で落ち着いて生活できている方でも、場所が変わることで帰宅願望がみられたり、食事や入浴を拒否したり、普段とは異なる行動がみられる場合があります。

そのため、認知症のある方のショートステイ利用では、単に宿泊できる場所を確保するだけでなく、本人がこれまで続けてきた生活習慣や安心できる関わり方を事業所と共有し、環境の変化による負担をできるだけ少なくすることが重要です。ここでは、認知症がありながら在宅生活を続けている方を想定し、ショートステイを活用した居宅サービス計画書第1表・第2表の文例を紹介します。

この文例が参考になるケース

  • 認知症があり、家族と在宅生活を続けている
  • 住み慣れた自宅では比較的落ち着いて生活できている
  • 新しい場所や初対面の人に不安を感じやすい
  • 環境が変わると帰宅願望や落ち着かない様子がみられる
  • 生活リズムや日課が変わることで混乱することがある
  • 本人がショートステイ利用の必要性を十分理解することが難しい
  • 家族が本人の認知症の特性や生活習慣を把握している
  • 今後の在宅生活継続のためショートステイを利用したい
  • 本人が安心して利用できるショートステイ先を確保したい

※文例はそのまま使用するのではなく、本人の生活歴、認知症の症状、ADL・IADL、生活習慣、本人が安心できる関わり方、家族構成、利用しているサービス、本人・家族の意向などに合わせて調整してください。

想定する利用者像

認知症があり、家族と自宅で生活している。食事や排泄、屋内移動などは声かけや見守りがあれば行えることが多く、毎日の生活も決まった流れの中では比較的落ち着いている。一方、予定の変更や慣れない場所では不安が強くなり、「家に帰る」と繰り返したり、職員からの介助を拒否したりすることがある。

本人は住み慣れた自宅で家族と生活することを望んでいる。家族も在宅生活を続けたいと考えているが、今後の生活を見据えて定期的なショートステイ利用を希望している。本人が安心して利用できるよう、普段の生活リズムや好きなこと、苦手なこと、声かけの方法などを事業所と共有しながら利用を開始することを検討している。

利用者及び家族の生活に対する意向

本人の意向

おすすめ文例

これからも家族と一緒に今の家で暮らしたい。知らない場所では不安になることがあるので、安心できる人に声をかけてもらいながら落ち着いて過ごしたい。

別の表現

住み慣れた家でこれまでどおり生活したい。ショートステイを利用するときも、自分のペースで過ごし、分からないことがあるときには優しく教えてほしい。

家族の意向

おすすめ文例

本人にはこれからも自宅で安心して生活してほしい。環境が変わると不安になりやすいため、普段の生活習慣や本人が安心できる関わり方をショートステイの職員にも理解してもらい、無理なく利用できるようにしてほしい。

別の表現

今後も在宅生活を続けるためにショートステイを利用していきたい。本人は慣れない場所では混乱することがあるため、本人の性格やこれまでの生活を理解してもらい、安心して過ごせるよう支援してほしい。

居宅サービス計画書 第1表の文例

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果

おすすめ文例

以上の利用者及び家族の意向を踏まえ、本人は住み慣れた自宅で家族とともに生活を継続することを希望している。認知症により新しい出来事を理解・記憶することが難しく、慣れない場所や人との関わりでは不安や混乱が生じやすい一方、日頃から行っている生活動作や慣れた日課については、声かけや見守りにより継続できることも多い。ショートステイ利用時にも本人の生活歴や日課、好み、安心につながる関わり方を共有し、環境変化による負担を軽減する必要がある。本人が自宅以外にも安心して過ごせる場所を持ち、家族や関係者が本人の状態を共有しながら、認知症の進行や生活機能の変化に応じた支援を継続することで、安定した在宅生活につなげることが課題である。

別の表現

以上の利用者及び家族の意向を踏まえ、本人にはこれまでどおり自宅で家族と暮らしたいという希望がある。認知症による見当識や記憶力の低下があり、環境や関わる人が変わることで不安が強くなる場合があるが、馴染みのある生活習慣や本人のペースを尊重した関わりでは落ち着いて過ごすことができている。今後ショートステイを継続して利用するためには、本人が安心できる生活環境や関わり方について自宅と事業所間で情報共有し、できる限り本人の生活リズムを維持する必要がある。本人の残存能力を生かしながら生活機能を維持し、認知症の状態変化について家族や関係職種で継続的に確認することで、本人が安心して在宅生活を続けられる支援体制を整える必要がある。

総合的な援助の方針

おすすめ文例

本人が希望する住み慣れた自宅での生活を継続できるよう、認知症があっても本人が行えている生活動作や長年続けてきた習慣を大切にし、本人の残存能力を生かした支援を行う。ショートステイ利用時には、自宅での起床・就寝時間、食事、排泄、入浴等の生活リズムに加え、本人が好む過ごし方、これまでの生活歴、馴染みのある話題、安心しやすい声かけ、苦手な状況等を事業所と具体的に共有する。本人が混乱している場合には無理に訂正や説得を行うのではなく、本人の気持ちを受け止め、安心につながる説明や関わりを行う。日常生活動作についても、本人が行える部分まで介助することを避け、時間を確保して見守ることで現在の能力や役割を維持できるよう支援する。利用中に帰宅願望、介助拒否、睡眠状態の変化、食欲低下等がみられた場合には、その行動のみを問題として捉えず、環境や声かけ、体調、生活リズム等の背景を確認し、家族や関係職種と対応方法を共有する。ショートステイでの様子と在宅時の状態を継続的に比較し、認知機能やADL、健康状態の変化を把握するとともに、本人が安心してショートステイを利用しながら在宅生活を継続できるよう支援する。

別の表現

本人の認知症の症状だけを見るのではなく、これまでどのように生活してきたのか、何を大切にしているのか、どのような環境や関わりで安心できるのかを把握し、本人らしさを尊重した支援を行う。ショートステイ利用前には、生活リズム、コミュニケーション方法、服薬、食事、排泄、睡眠、本人の好みや苦手なこと等を事業所と共有し、可能な範囲で在宅時と同じ流れで生活できるよう配慮する。新しい環境への不安が強い場合には、本人が理解しやすい短い言葉で説明し、馴染みのある持ち物や習慣等も活用しながら安心感につなげる。本人が行える生活動作や活動は継続し、過度な介助による生活機能の低下を防ぐ。ショートステイ利用中の本人の言動や生活状況について家族、ケアマネジャー、関係サービスが情報共有し、不安や混乱が生じた要因と落ち着くために有効であった対応を次回利用や在宅支援に反映する。本人の認知機能や身体機能の変化に合わせて支援内容を見直しながら、本人と家族が安心して在宅生活を継続できる体制を整える。

居宅サービス計画書 第2表の文例

ニーズ1

ニーズ

慣れた生活や自分のペースを大切にしながら、これからも自宅で家族と暮らしたい。

長期目標

本人が安心感を持ちながら、住み慣れた自宅での生活を継続できる。

短期目標

ショートステイ利用時にも普段の生活リズムを大きく崩すことなく過ごすことができる。

サービス内容

自宅での生活リズム、日課、好み、本人が安心できる関わり方等を共有し、可能な範囲で普段と同じ流れで生活できるよう支援する。

ニーズ2

ニーズ

知らない場所でも不安になりすぎず、安心して過ごしたい。

長期目標

ショートステイを安心できる場所として認識し、落ち着いて利用することができる。

短期目標

本人が不安や混乱を示したときに、安心できる声かけや関わりによって落ち着いて過ごせる時間が増える。

サービス内容

本人の表情や言動から不安の程度を確認し、気持ちを否定せず受け止める。本人が理解しやすい説明や馴染みのある話題等を用いて安心につながるよう支援する。

ニーズ3

ニーズ

自分でできることはこれからも続け、今の生活能力をできるだけ保ちたい。

長期目標

現在行えている生活動作や本人の役割を継続し、生活機能を維持できる。

短期目標

声かけや見守りを受けながら、食事、整容、移動等の自分で行える動作を継続できる。

サービス内容

本人が理解しやすい声かけを行い、本人自身で行える動作は急がせず見守る。必要な部分のみ支援し、残存能力や活動性の維持につなげる。

ニーズ4

ニーズ

自分のことを分かってくれる人に支えてもらい、安心して生活したい。

長期目標

本人の認知症の特性や生活歴が関係者間で共有され、一貫した支援を受けることができる。

短期目標

本人が安心できた関わり方や不安が強くなった場面について、家族と支援者が情報共有できる。

サービス内容

ショートステイ利用中の本人の様子、不安や混乱が生じた状況、有効であった声かけや対応方法等を記録し、家族、ケアマネジャー、関係サービスと共有して今後の支援に反映する。

第2表の完成イメージ

ニーズ 長期目標 短期目標 サービス内容
慣れた生活や自分のペースを大切にしながら、これからも自宅で家族と暮らしたい。 本人が安心感を持ちながら、住み慣れた自宅での生活を継続できる。 ショートステイ利用時にも普段の生活リズムを大きく崩すことなく過ごすことができる。 自宅での生活リズム、日課、好み、本人が安心できる関わり方等を共有し、可能な範囲で普段と同じ流れで生活できるよう支援する。
知らない場所でも不安になりすぎず、安心して過ごしたい。 ショートステイを安心できる場所として認識し、落ち着いて利用することができる。 不安や混乱を示したときに、安心できる関わりによって落ち着いて過ごせる時間が増える。 本人の気持ちを否定せず受け止め、理解しやすい説明や馴染みのある話題等を用いて安心につながるよう支援する。
自分でできることはこれからも続け、今の生活能力をできるだけ保ちたい。 現在行えている生活動作や本人の役割を継続し、生活機能を維持できる。 声かけや見守りを受けながら、自分で行える生活動作を継続できる。 本人が理解しやすい声かけを行い、自分で行える動作は見守り、必要な部分のみ支援する。
自分のことを分かってくれる人に支えてもらい、安心して生活したい。 本人の認知症の特性や生活歴が関係者間で共有され、一貫した支援を受けることができる。 安心できた関わり方や不安が強くなった場面について、家族と支援者が情報共有できる。 利用中の本人の様子や有効であった対応方法等を記録し、家族や関係サービスと共有して今後の支援に反映する。

ケアプラン作成時のポイント

認知症のある方のショートステイ利用では、「認知症があるため見守りが必要」といった記載だけでは、本人に適した支援内容が分かりません。どのような場面で不安や混乱が生じるのか、どのような声かけや環境で落ち着くのか、本人が現在も自分で行えていることは何かを具体的に整理することが重要です。

特に環境の変化に弱い方では、在宅時とショートステイ利用時の生活リズムをできるだけ近づけることや、本人に馴染みのある情報を職員間で共有することが安心につながります。本人の言動だけを問題として捉えず、その背景にある不安や体調、周囲の環境を確認する視点が必要です。

文例を使うときのポイント

認知症の症状や生活への影響は一人ひとり異なります。帰宅願望、介助拒否、同じ質問の繰り返しなどがあったとしても、それだけを文例に当てはめるのではなく、本人の生活歴や性格、家族との関係、普段の生活習慣などを踏まえて内容を調整します。

また、本人がショートステイで落ち着いて過ごせた場面や有効だった声かけも重要な情報です。利用のたびに本人の反応を確認し、安心につながった対応を家族や関係者で共有することで、本人に合った支援方法を蓄積していくことができます。

まとめ

認知症のある方のショートステイ利用では、新しい環境に本人を合わせるのではなく、本人が安心できる生活習慣や関わり方を可能な限りショートステイ先でも継続するという視点が重要です。

本人の生活歴や残存能力を尊重し、不安や混乱の背景を丁寧に確認しながら支援方法を関係者で共有することで、本人が安心してショートステイを利用し、住み慣れた自宅での生活を継続できるケアプランにつなげます。

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