パーキンソン病のある利用者では、症状そのものだけでなく、これまでの生活習慣や役割、本人が行っている工夫を確認することが重要です。
ここでは、しゃがみ込みと方向転換に不安があるが、長年育ててきた家庭菜園で野菜の手入れを続けたい利用者を例に、第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。
この記事が参考になるケース
- 野菜の育ちを判断し水やりの量を調整できる
- 屋外は杖を使用して歩ける
- 畝の間での方向転換と深いしゃがみ込みに不安がある
- 高い位置のプランターでは座って作業できる
- 朝の涼しい時間に15分程度なら疲れず活動できる
- 本人は収穫した野菜を孫へ渡すことを楽しみにしている
- 妻は転倒を心配しつつ役割を残したい
担当ケースに近い部分を選び、本人の状態、生活歴、できている方法、家族状況、利用中のサービスに合わせて調整してください。
※急な状態変化や生活上の支障が大きくなった場合には、本人の意向を確認したうえで主治医等へ相談し、必要な支援につなげてください。
利用者像の例
- 73歳・男性・要介護1
- 妻と二人暮らし
- 退職後20年以上家庭菜園を続けている
- 野菜の育ちを判断し水やりの量を調整できる
- 屋外は杖を使用して歩ける
- 畝の間での方向転換と深いしゃがみ込みに不安がある
- 高い位置のプランターでは座って作業できる
- 朝の涼しい時間に15分程度なら疲れず活動できる
- 本人は収穫した野菜を孫へ渡すことを楽しみにしている
- 妻は転倒を心配しつつ役割を残したい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
畑仕事は自分の楽しみで、孫に野菜を渡したい。座ってできる形にして少しずつ続けたい。
家族の意向
おすすめ文例
危ない場所は一緒に確認し、高いプランターなどを使って、本人が無理なく続けられるようにしたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は20年以上家庭菜園を続け、野菜を育てて孫へ渡すことを楽しみと役割にしている。
野菜の状態を見て水やりを調整でき、朝の短時間であれば活動できるが、畝の間の方向転換と深いしゃがみ込みに不安がある。
高い位置のプランターでは座位で作業でき、屋外も杖を使用して移動できる。
転倒予防だけを理由に園芸を中止せず、作業場所、姿勢、時間、動線を本人と確認し、経験と判断力を活かして継続できる支援が必要である。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人の園芸経験と野菜を育てる判断力を活かし、座位で行える作業を継続する。
屋外動線と方向転換する場所を確認し、杖や手すり等を本人が使いやすい位置に整える。
朝の短時間を基本に体調と疲労を確認し、本人が終了時期を判断できるよう支援する。
第2表の文例
本人のできていることと生活上の目的を明確にし、必要な支援だけを組み合わせます。
課題① 家庭菜園を続け、孫に野菜を届けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
家庭菜園を続け、孫に野菜を届けたい。
長期目標
安全な方法で野菜を育て、家族とのつながりを継続できる。
短期目標
高いプランターで水やりや収穫を週数回行える。
サービス内容
本人が管理する野菜を決め、座って届く高さに作業場所と道具を整える。
課題② 畑まで安全に移動し、自分で作業場所を選びたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
畑まで安全に移動し、自分で作業場所を選びたい。
長期目標
屋外の動線を確認し、転倒せず作業場所へ移動できる。
短期目標
杖を使い、方向転換時に足元を確認して移動できる。
サービス内容
段差、ぬかるみ、畝間を本人と確認し、通路幅と休憩場所を整える。
課題③ 疲れすぎず園芸を楽しみたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
疲れすぎず園芸を楽しみたい。
長期目標
体調に応じて活動量を調整し、園芸を継続できる。
短期目標
朝の15分を目安に作業し、疲労時に終了できる。
サービス内容
作業前後の体調を本人と確認し、気温や疲労に応じて時間と内容を調整する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 家庭菜園を続け、孫に野菜を届けたい。 | 安全な方法で野菜を育て、家族とのつながりを継続できる。 | 高いプランターで水やりや収穫を週数回行える。 | 本人が管理する野菜を決め、座って届く高さに作業場所と道具を整える。 |
| 畑まで安全に移動し、自分で作業場所を選びたい。 | 屋外の動線を確認し、転倒せず作業場所へ移動できる。 | 杖を使い、方向転換時に足元を確認して移動できる。 | 段差、ぬかるみ、畝間を本人と確認し、通路幅と休憩場所を整える。 |
| 疲れすぎず園芸を楽しみたい。 | 体調に応じて活動量を調整し、園芸を継続できる。 | 朝の15分を目安に作業し、疲労時に終了できる。 | 作業前後の体調を本人と確認し、気温や疲労に応じて時間と内容を調整する。 |
パーキンソン病・園芸活動のケアプランで意識したいポイント
園芸を単なる余暇ではなく役割と家族交流として捉える
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
しゃがみ込みを避ける作業台や高いプランターを検討する
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
屋外の実際の動線と方向転換場所を確認する
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
本人が野菜の状態を判断できる能力を計画に残す
本人の実際の生活場面を確認し、できている方法と希望を計画に具体的に反映します。
文例を使うときのポイント
- 園芸を単なる余暇ではなく役割と家族交流として捉える
- しゃがみ込みを避ける作業台や高いプランターを検討する
- 屋外の実際の動線と方向転換場所を確認する
- 本人が野菜の状態を判断できる能力を計画に残す
まとめ
パーキンソン病のケアプランでは、困難だけでなく、本人が理解していること、行えている動作、生活の中で工夫している方法を具体的に評価することが重要です。
本人の意思を最初に確認し、生活歴と本人らしい役割を活かしながら、必要な部分だけを支援する計画につなげます。
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