パーキンソン病のある利用者では、階段での足の上がりにくさや方向転換への不安から、自宅内の生活範囲が狭くなることがあります。
昇降の可否だけでなく、手すり、足の運び、荷物、時間帯、二階で続けたい活動を確認することが重要です。
ここでは、両手すりと一段ずつの手順で二階へ上がり、長年使う書斎で短時間読書を続けたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 午前中は足の上がりが比較的よい
- 両側の手すりを握り、一段ごとに両足をそろえると昇降できる
- 声に出して右、そろえると手順を確認できる
- 階段途中の踊り場で休める
- 本や飲み物を持ちながらの昇降は難しい
- 本人は週三回は書斎を使いたい
- 妻は荷物を先に運び、後方から見守りたい
足の運び、手すり、段差、照明、時間帯、荷物、疲労、昇降後の活動を実際の階段で専門職と確認してください。
※急な動作変化、転倒、強いめまい等がある場合は階段利用を中止し、本人の意向を確認して医療・リハビリテーション等の専門職へ相談してください。
利用者像の例
- 71歳・男性・要介護1
- 妻と二人暮らし
- 元高校教員で、二階の書斎で歴史書を読むことを日課としている
- 午前中は足の上がりが比較的よい
- 両側の手すりを握り、一段ごとに両足をそろえると昇降できる
- 声に出して右、そろえると手順を確認できる
- 階段途中の踊り場で休める
- 本や飲み物を持ちながらの昇降は難しい
- 本人は週三回は書斎を使いたい
- 妻は荷物を先に運び、後方から見守りたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
両方の手すりを持って一段ずつなら上がれるので、荷物は妻に頼み、二階の書斎で本を読みたい。
家族の意向
おすすめ文例
本と飲み物は先に運び、本人が声に出して足順を確認するのを後ろから見守りたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は妻と自宅で暮らし、元教員として長年集めた歴史書を二階の書斎で読む時間を続けたいと希望している。
午前中は足の上がりが比較的よく、両手すりを握り、一段ごとに両足をそろえ、声に出して手順を確認すると昇降できる。
踊り場で休憩できるが、本や飲み物を持った状態では手すりを十分に使えない。
荷物は妻が運び、本人は手すりと足順に集中し、週三回を目安に体調を確認して利用する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が両手すりと一定の足順を使う力を活かし、二階の書斎で読書を続けられるよう支援する。
階段の照明、手すり、滑りやすさを確認し、午前中に荷物を持たず昇降する。
妻は後方から見守り、本人の声かけと休憩を待ち、急かさず必要時のみ支える。
第2表の文例
階段昇降そのものを訓練目標にせず、本人が安全な条件と手順を選び、大切な書斎で過ごせることを目標にします。
課題① 両手すりを使い、自分の手順で安全に階段を上りたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
両手すりを使い、自分の手順で安全に階段を上りたい。
長期目標
転倒なく二階へ移動できる。
短期目標
午前中に右、そろえると声に出し、一段ごとに両足をそろえて上がれる。
サービス内容
両手すりと照明を確認し、妻は後方から一段空けて見守り、本人の速度を待つ。
課題② 疲れたときは踊り場で休み、無理なく昇降したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
疲れたときは踊り場で休み、無理なく昇降したい。
長期目標
体調に応じて休憩や中止を選べる。
短期目標
昇降前に体調を伝え、途中で疲れたら踊り場で休める。
サービス内容
開始前後の疲労とふらつきを本人に確認し、中止の合図と一階での代替活動を決める。
課題③ 週三回、二階の書斎で歴史書を読みたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
週三回、二階の書斎で歴史書を読みたい。
長期目標
本人らしい読書習慣を継続できる。
短期目標
妻が本と飲み物を準備し、書斎で二十分読書できる。
サービス内容
書斎の椅子と動線を整え、昇降と読書が同時に過負荷にならないよう時間を調整する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 両手すりを使い、自分の手順で安全に階段を上りたい。 | 転倒なく二階へ移動できる。 | 午前中に右、そろえると声に出し、一段ごとに両足をそろえて上がれる。 | 両手すりと照明を確認し、妻は後方から一段空けて見守り、本人の速度を待つ。 |
| 疲れたときは踊り場で休み、無理なく昇降したい。 | 体調に応じて休憩や中止を選べる。 | 昇降前に体調を伝え、途中で疲れたら踊り場で休める。 | 開始前後の疲労とふらつきを本人に確認し、中止の合図と一階での代替活動を決める。 |
| 週三回、二階の書斎で歴史書を読みたい。 | 本人らしい読書習慣を継続できる。 | 妻が本と飲み物を準備し、書斎で二十分読書できる。 | 書斎の椅子と動線を整え、昇降と読書が同時に過負荷にならないよう時間を調整する。 |
パーキンソン病・階段昇降のケアプランで意識したいポイント
実際の階段で確認する
段差の高さ、幅、手すり、踊り場、照明は住宅ごとに異なるため、現場で評価します。
荷物を持たない役割分担にする
両手で手すりを使えるよう、家族が本や飲み物を先に運びます。
生活目的を明確にする
二階へ行くことではなく、書斎で読書する本人らしい時間を目標にします。
文例を使うときのポイント
- 動きやすい時間帯を確認する
- 左右の手すりと足順を確認する
- 荷物を持たない方法を決める
- 踊り場での休憩を確認する
- 一階での代替活動も用意する
まとめ
階段昇降では、手すり、足順、荷物、時間帯、休憩を具体的に確認します。
本人の声かけと一段ずつの手順を活かし、妻と役割分担することで、書斎での読書を継続できる計画になります。
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