脳梗塞後遺症による右片麻痺がある利用者では、包丁や鍋の操作が難しくなり、調理を全て家族へ任せることがあります。
危険な工程を避けながら、非麻痺側で扱える道具、座位、電子調理器具、本人が続けたい料理を確認することが重要です。
ここでは、左手でトースターとヨーグルト容器を扱い、夫婦の朝食を一品ずつ準備したい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 長年、夫婦の朝食を準備してきた
- 左手で食パンをトースターへ入れられる
- 大きなレバーは左手で操作できる
- 滑り止めマット上でヨーグルトのふたを開けられる
- 椅子座位で十五分程度作業できる
- 包丁と熱い鍋の操作は夫が行う
- 本人は朝食の準備役を続けたい
- 夫は材料の取り出しと熱い物の移動を担当したい
非麻痺側の操作、座位、道具の固定、熱源、刃物、物品配置、本人が担いたい調理工程を確認してください。
※火や刃物、熱い容器の使用は実際の能力と専門職の評価を踏まえ、家族の見守りを含む安全な方法を選んでください。
利用者像の例
- 68歳・女性・要介護2
- 夫と二人暮らし
- 脳梗塞後遺症による右片麻痺がある
- 長年、夫婦の朝食を準備してきた
- 左手で食パンをトースターへ入れられる
- 大きなレバーは左手で操作できる
- 滑り止めマット上でヨーグルトのふたを開けられる
- 椅子座位で十五分程度作業できる
- 包丁と熱い鍋の操作は夫が行う
- 本人は朝食の準備役を続けたい
- 夫は材料の取り出しと熱い物の移動を担当したい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
左手でパンとヨーグルトは準備できるので、朝食を全部夫に任せず、できる一品を作りたい。
家族の意向
おすすめ文例
熱い物と包丁は私が担当し、本人がパンやヨーグルトを用意する時間を待ちたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は夫と暮らし、長年担ってきた朝食準備の役割を続けたいと希望している。
右片麻痺があるが、左手で食パンをトースターへ入れ、大きなレバーを操作し、滑り止め上でヨーグルトのふたを開けられる。
椅子座位で十五分程度作業できる一方、包丁と熱い鍋の操作には危険がある。
本人は冷たい食品とトースターの開始操作、夫は材料準備と熱い物の取り出しを担う分担が必要である。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が左手で行える調理工程を活かし、夫婦の朝食準備へ参加できるよう支援する。椅子、滑り止めマット、左手側の物品配置を整え、一回十五分以内で作業する。夫は包丁と熱い物を担当し、本人の工程を急かさず、依頼時のみ容器固定等を補助する。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人が使いやすい手と道具を活用して朝食作りを続けられるよう、調理工程と環境を整える。危険な作業のみ支援し、家庭での役割を守る。
第2表の文例
調理を全て再開することではなく、安全な工程を選び、本人が朝食作りの役割を続けられることを目標にします。
課題① 左手でパンを準備し、朝食作りに参加したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
左手でパンを準備し、朝食作りに参加したい。
長期目標
安全な工程で朝食準備を継続できる。
短期目標
食パンをトースターへ入れ、大きなレバーを操作できる。
サービス内容
パンと皿を左手側へ置き、夫は焼き上がった熱いパンの取り出しを担当する。
課題② 滑り止めを使い、ヨーグルトを自分で用意したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
滑り止めを使い、ヨーグルトを自分で用意したい。
長期目標
片手で冷たい食品の準備を行える。
短期目標
容器を滑り止めマットへ置き、左手でふたを開けられる。
サービス内容
容器の固定方法と開け口を本人と確認し、難しい日のみ夫が端を起こす。
課題③ 夫と役割を分け、毎朝一緒に食卓を整えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
夫と役割を分け、毎朝一緒に食卓を整えたい。
長期目標
夫婦で無理なく朝食準備を続けられる。
短期目標
本人は二品、夫は熱い物と飲み物を担当し、十五分以内で準備できる。
サービス内容
前日に役割を確認し、本人の疲労や手の状態に応じて工程を選び直す。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 左手でパンを準備し、朝食作りに参加したい。 | 安全な工程で朝食準備を継続できる。 | 食パンをトースターへ入れ、大きなレバーを操作できる。 | パンと皿を左手側へ置き、夫は焼き上がった熱いパンの取り出しを担当する。 |
| 滑り止めを使い、ヨーグルトを自分で用意したい。 | 片手で冷たい食品の準備を行える。 | 容器を滑り止めマットへ置き、左手でふたを開けられる。 | 容器の固定方法と開け口を本人と確認し、難しい日のみ夫が端を起こす。 |
| 夫と役割を分け、毎朝一緒に食卓を整えたい。 | 夫婦で無理なく朝食準備を続けられる。 | 本人は二品、夫は熱い物と飲み物を担当し、十五分以内で準備できる。 | 前日に役割を確認し、本人の疲労や手の状態に応じて工程を選び直す。 |
脳梗塞後遺症・片手調理のケアプランで意識したいポイント
工程ごとに危険度を分ける
包丁や熱い鍋を避けても、パンや冷たい食品の準備など本人が担える工程があります。
物品を非麻痺側へ配置する
左手で取りやすい位置と滑り止めを整え、片手操作を安定させます。
家族との役割を固定しすぎない
体調に応じて本人が行う工程を選び直せるようにします。
文例を使うときのポイント
- 非麻痺側で扱える道具を確認する
- 座位と作業時間を整える
- 熱源と刃物の役割を分ける
- 滑り止めを活用する
- 本人が作りたい一品を目標にする
まとめ
右片麻痺の片手調理では、非麻痺側で安全に扱える工程と、家族が担う危険工程を分けます。
本人がパンやヨーグルトを準備することで、夫婦の朝食作りに役割を持ち続けられます。
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